『こわれゆく女』『ラヴ・ストリームス』~早稲田松竹「ジョン・カサヴェテス特集」から
『こわれゆく女』(ジョン・カサヴェテス監督/1974年/アメリカ/147分/カラー/ビスタ)
カメラのピントがずれようがカットがつながっていなかろうが、問題とはしない。そういう態度で撮影され、編集されるからこそ、俳優とカメラとの相克がそのまま、映画内世界における人物と空間との相克として、観客に受け止められる。ピントのズレは空間の不安を意味し、唐突なカットの切り替わりは空間の混乱を表す。
しかし圧力は必ず開放路を(ときに暴力的に)こじ開けるものである。(ここで「水は低い