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令和の『ジャパニーズ・ブランデー』の可能性《和製ブランデー②》
■前回からの続きです。
◇前回のおさらい
クラフトビールのブルワリーが急増している。
→直近10年間で
200ケ所ちょっとから700ケ所オーバーに!
クラフトウイスキーの蒸溜所が急増している。
→直近10年間で
10ケ所くらいから100ケ所オーバーに!
クラフトワイナリーが急増している。
→直近10年間で
250ケ所くらいから400ケ所オーバーに!
クラフトビールからクラフトウイスキーへ参入するケースも出て来ている。
クラフトワインと、蒸溜技術(蒸溜設備)が結びつけば、令和のジャパニーズ・ブランデー※が誕生し、人気になる可能性もあるかも!
※あえて「令和のジャパニーズ・ブランデー」と記載しているのは、昔からそして現在も日本でブランデーはつくられているからです。
ただ、その従来の国産ブランデーと一線を画し、「クラフトビール」や「クラフトウイスキー」のように、新しいイメージへ「リブランディングされたブランデー」という意味合いで、『令和の~』と記載してみました。
■参入パターン①
クラフトワイナリーが
ブランデーづくりへ参入。
クラフトワイナリーが蒸溜器を導入して、自社で「ワインだけでなく、ブランデーもつくる」というパターンです。
ただ、個人的にはこれは「パターンとしては少ないかな?」と思っています。
ワインづくり = 農業
蒸溜酒づくり = 酒類産業(工業的)
という根本的な違いがあるので、「ワインづくり→ブランデーづくり」はちょっとハードルが高いと感じるからです。
■じゃ、ビール→ウイスキーは?
そうは言うけど、
「ビールづくり → ウイスキーづくり」
へ参入しているケースがあるではないか!?
というお声が聞こえて来そうです。
ただ、ビールは「フルーツ=ブドウを原料とするワイン」とは異なり、「穀物を原料とするお酒」なので、どちらかというと「工業的」な要素があります。
◇醸造酒
ワインづくり = フルーツが原料
→ 糖化が不要 = 農業的
ビールづくり = 穀物が原料
→ 糖化が必要 = 工業的
◇蒸溜酒
蒸溜酒づくり
→ 原料がフルーツでも穀物でも蒸溜が必要
= 工業的
お酒づくりについて、このような傾向があると思います。(あくまでチャーリーの私見ですが)
このように「ビール」・「ウイスキー」はどちらも工業的な性格という部分で似ているので、参入しやすいのではないかと思います。
■そのお酒の原料はフルーツか? 穀物か??
穀物の醸造酒(ビール・日本酒etc.)が工業的であるのは、
糖化という
自然界に任せておいたのでは起こり得ない、
人為的な作業が必要である。
という点の他に、
「穀物は長期保管が可能」=「輸送が容易」
という点があります。
ワインをつくる際、生のブドウを遠くまで移送していたら腐っちゃいます。
でも、ビールをつくるための「麦芽」、日本酒をつくるための「米」は保存性が高く、輸送に向いています。
そうすると、
チマチマつくるより、
大量に集めてから一気に酒づくりをした方が、
効率が良いんじゃね!?
という話になります。
こうして、原料の生産現場と、酒づくりの現場が離れた場所で行われるようになり、それぞれが別々の専門業者となって行きます。
そして、それぞれの専門業者が経営効率UPを目指すのであれば、「大量生産」をするようになるので、次第に『工業的』な性格が強くなります。
ワインづくり ≒ ブドウ栽培 (農業的)
ビールづくり ≠ 大麦栽培 (工業的)
と考えることもできると思います。
(ビールづくりでも、もちろん農業的な部分も多分にあります。あくまでワインとビールを比較した場合の傾向のお話です!)
■参入パターン②
クラフトウイスキー蒸溜所が
ブランデーづくりへ参入。
クラフトウイスキー蒸溜所がワインを購入してきて、「今ある蒸溜器でブランデーをつくる」というパターンです。
クラフトウイスキー蒸溜所では、ウイスキーの他に「ジンをつくっている」ケースも多いので、その延長線上で「ブランデーもつくる」ということがありうるのではないか、と思うのです!!
■次回は
クラフトウイスキー蒸溜所の「ブランデーづくり参入」について、もうちょっとマニアックに妄想してみたいと思います!