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ニッカ・ディスカバリー・シリーズ 『ニッカ・ザ・グレーン』①

■ニッカ・ディスカバリー・シリーズ第3弾 ニッカ・ザ・グレーン発売

ニッカウイスキーから、2023年3月28日、限定品の「ニッカ・ザ・グレーン」が発売されました。

昨今、色々な「限定品」が発売されていますが、その中でもこれはかなり異色な存在なので、テイスティングレビューも含めてご紹介したいと思います!


■ニッカ・ディスカバリー・シリーズとは?

竹鶴政孝は、サントリーとの10年契約の勤務(初代山崎工場の工場長)を満了した1934年に、サントリー(当時の社名は寿屋)を退社し、ニッカウイスキー(当時の社名は大日本果汁)を創業します。

2024年に、ニッカウイスキーは創業90周年を迎えますが、それに向けて、定番品とは異なるチャレンジングな限定品を発売しています。

それが、ニッカ・ディスカバリー・シリーズです。

そして、ニッカ・ザ・グレーンは、その《第3弾》に当たります!

ニッカ ザ・グレーン | アサヒビール (asahibeer.co.jp)


ちなみに、第1弾・第2弾は、以下の通りです。

《第1弾》
・シングルモルト余市 ノンピーテッド
・シングルモルト宮城峡 ピーテッド

定番品では「男性的な味わい」の余市と、「女性的な味わい」の宮城峡ですが、敢えて使用する麦芽のピート香の有無を、定番品と逆にした商品。

ニュースリリース 2021年7月21日|アサヒビール (asahibeer.co.jp)

《第2弾》
・シングルモルト余市 アロマティックイースト
・シングルモルト宮城峡 アロマティックイースト

「酵母の違い」によって生み出される「特長ある香り」にフォーカスした商品。

「シングルモルト余市/シングルモルト宮城峡 アロマティックイースト」9月27日 数量限定発売|ニュースリリース|アサヒビール (asahibeer.co.jp)


■エッセンス・オブ・サントリー・シリーズ

最近はクラフト蒸溜所が多く開業していますが、小さい企業母体ならではのフットワークの軽さで、本当にたくさんのチャレンジングな商品を生産・発売しています。

ただ、大手も負けてはいません!

◇ニッカウイスキー
ニッカ・ディスカバリー・シリーズ

NIKKA THE GRAIN|商品紹介|NIKKA WHISKY

◇サントリー
エッセンス・オブ・サントリー・シリーズ

THE ESSENCE of SUNTORY WHISKY サントリー


これらは、オフィシャルHPで商品スペックを読だけでも、ワクワクしてしまうくらい、普段とは違う珍しいスペックとなっています!

日本は5大ウイスキーの中で最後発ですが、最後発だっただけに、「歴史」「伝統」「前例」に過度に支配されることなく、

「こうやったらもっと良くなるんじゃないか?」

「もっとオモロイ原酒がつくれるのでは?」

と、「新しいこと」「面白いこと」に挑戦してきた歴史があります。

こういう日本のウイスキー生産者に連綿と受け継がれる『チャレンジ精神』が「ジャパニーズ・ウイスキー」を、縁の下から支えているのだと思うと、嬉しくなりますね!


■そして、ニッカ・ザ・グレーン

質問)一言で言うと何が凄いのか?

答え)日本初のブレンディッド・グレーンウイスキー!


ウイスキー(スコッチ・ジャパニーズ)というものは、
A)モルトウイスキー原酒
B)グレーンウイスキー原酒

のブレンドによって、3つに大別されます。

《1つ目》
A+B) = ブレンディッド・ウイスキー
流通するスコッチの大半がコレ!
(バランタイン、ジョニーウォーカー、角瓶、響etc.)
《2つ目》
A+A) = ブレンディッド・モルトウスキー
複数の蒸溜所のモルト原酒をブレンドした比較的珍しいスペックです。
(竹鶴、モンキーショルダーetc.)

特に「1つの蒸溜所」の原酒だけを使ったブレンディッド・モルトウイスキーが「シングルモルト・ウイスキー」です。
売値が高く、流通量も多くないですが、各蒸溜所の個性が際立ち、2000年頃以降、今日に至るまで地酒的に人気となっています!
(グレンフィディック、マッカラン、ボウモア、山崎、白州、余市etc.)

B+B) = ブレンディッド・グレーンウイスキー
複数の蒸溜所のグレーン原酒をブレンド。ほぼ存在しない。
(★今回の、ニッカ・ザ・グレーンはこれ!)

特に「1つの蒸溜所」の原酒だけを使ったブレンディッド・グレーンウイスキーが「シングルグレーン・ウイスキー」です。
(知多に代表されるが、かなり珍しいタイプ)

つまり、ニッカ・ザ・グレーンは、
複数のグレーンウイスキー蒸溜所のグレーンウイスキー原酒をブレンドした、ブレンディッド・グレーンウイスキーなのです!

ブレンディッド・グレーンウイスキーは、理論上は存在するわけですが、実際に商品として発売されたのは、私は聞いたことがありませんでした。

このマニアックなチャーリーが聞いたことがないほどの、珍しいスペック=「ブレンディッド・グレーンウイスキー」というのがニッカ・ザ・グレーンの最大の特徴なのです!


■4つのグレーン蒸溜所の原酒をブレンド

ニッカ・ザ・グレーンは、4つの工場の原酒をブレンドしているそうです。

このそれぞれの工場原酒も、ご紹介したいことがたくさんあるので、それは次回以降でご案内します!


■《テイスティング》ニッカ・ザ・グレーン

さて、前置きがとても長くなりましたが、実際に飲んでみます!

◇チャーリー感想

・モルトウイスキーのような華やかな香り

・一方で、バーボンのようなスパイシーな香りやドライさが感じられる。

・色々な香りやフレーバーが、複雑に入り混じっている。

ブラインド・ティスティングで、ブレンディッド・グレーンウイスキーと知らずにテイスティングしたら、通常の「モルト+グレーン=ブレンディッド・ウイスキー」と回答していたと思います。

チャーリーとしては、その香り・味わいから

モルト原酒(スコッチorジャパニーズ)と、
バーボン原酒をブレンドした
ワールド・ブレンディッド・ウイスキーのような味わい

と感じました!

これは、ブレンドされている原酒の中に

大麦を使ったグレーン原酒

ライ麦コーンを使ったグレーン原酒(=原料はバーボンと一緒)

が、ブレンドされているために、そのように感じるわけです。

構成原酒を知ってしまうと納得ですが、知らないと
「なんでこのウイスキーにはモルト原酒と、バーボン原酒のフレーバーが、同居しているんだ??」
と困惑してしまいますよね。

このニッカ・ザ・グレーンの構成原酒について、記事をあらためてマニアックに解説して行きたいと思います!

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