
Photo by
pitchinwith
[読書]水車小屋攻撃 他七篇 エミール・ゾラ
ゾラの短編集。そのうちの大半が、近世パリ郊外の小さな村で繰り広げられる死と生について扱っている。
普仏戦争の与えた小さな村での悲劇。フランス革命に身を投じたばかりに生じた一家の離散。それらは正に歴史的事件の歴史的意味に関係なく翻弄されてしまう庶民の姿である。
一方では歴史的には何ら意味もなく死んでいく人々もいる。この短編集ではその人々の死も同列のお話として短編集に組み込みことにより、庶民にとってはどんな成り立ちの悲劇も等しく悲劇であることを語っている様に思う。
中には事件さえ無ければと思うものもあったのだが。