耳のふた
日経の夕刊コラムで百瀬文さんが耳の瞼のことにふれている。目には瞼があるのに耳には瞼がないので、嫌なことでも意識して聞かないことが出来ないと書いておられた。
他の感覚について考えてみると、自分から話さなければ口から言葉が漏れない。嗅覚は防げないので鼻から匂いが入ってくる。触覚はこちらから触りにいかなければ感じない。
と言うことで人間の器官は自ら意識して情報を感じることの出来る器官と感じることの出来ない器官に分かれる。そして自ら外部の情報を遮断出来ないのは耳と鼻に集約されるような気がする。
生物の進化を考えれば、外部からの情報遮断を許さない器官から得られる情報こそ生命の危機に最も直結する情報なのかもしれない。すると、耳から入る音、鼻から入る匂いこの情報こそ生物としての人間が最も必要としている情報なのだろうか?
見ることや話すことにはまやかしが含まれるが、匂いや音はごまかせないということか?