見出し画像

裁判官の見えない公開裁判?

 ご承知の通り、刑事裁判とは専門的知識を習得し選ばれた裁判官が、丁寧に集められた資料に基づいて容疑者を裁くものである。そこには推定無罪の原則というのがあり、どんな容疑者でも先ず無罪であることから始め、積み上げられていき、証拠に基づき罪が認定されていく。


 ところが、ネットという世界が出来たおかげで世論が裁判機関として力を増してきた気がする。罪を糾弾する者は、マスコミやら書き込みやらが虚実に関わらず積み上げていった資料の断片的情報で判断し、裁判し罪を決め糾弾していく。

 それらの刑の執行者には法律という基準がない。怒りや正義感、もしかしたら個人の鬱憤というものも基準になってしまい、対象者を追い詰めていく。追い詰められた者には量刑を軽くしてもらうことを訴えることも冤罪を晴らすことも出来なくなる。何故なら裁く者が一面的な資料しか見てくれない不特定多数の裁判官だから。

 とても恐いことだと思う。自分は物事を冷静に見て、素人糾弾はしないことは心がけたいとは思うが。


いいなと思ったら応援しよう!