NISAの普及と円安
今さら言うことではないが、去年の時点で新型NISAの普及で円安になるのは見えていた気がする。(専門家でもないので理論的には言えませんが。)
NISAは国民に老後の資金を貯めてもらう策の一つとして拡充された。そしてそれは預金より投資へがスローガンで、その対象は政府推奨の投資信託が中心(特に積立は投資信託だけ)。いうことで各金融機関が一斉に投資信託を推奨したが、ほとんどが推奨したのがオルカンとアメリカのS&P500。
つまり全世界株式とアメリカ株のインデックスファンド。世界経済が持続する限り上がり続けるカラクリなので投資しやすく初心者向き。結果的にNISAの投資はこの2つの投信に集中している。日本政府推奨なのに日本でない海外の株をこぞって買っていることになる。
NISAの海外系購入程度でどれほど為替相場に影響を与えるのかは分からないが、毎月一定額の円が外貨系投信に変わり、この外貨はNISA性質上しばらくは引き出されないので、日本全体としては一定の外貨が滞留することになるとは思うが。
おそらくは新NISAで金融機関に薦められるままオルカンやS&P500に投資した方々の大半は、自分が日本の外貨保有の一端を担っていることに気付いていないと思う。
ところで、外貨系投信残高がどんどん積み上がる現状について、金融庁等では予測していたのだろうか?これも円安の一つの要因と思うのだが。まさか、円が安くなったとしても、いつのまにか投信に組み込まれた海外株を日本が保有している状態にするのが狙いだったのだろうか?
でも個人的には、去年の時点で円安を予測してドル資産を持っておいたら今ごろ儲かっていただろうにとも思うが、そうはうまくいかなかった。自分には投資家になる才能はないのだろうな。