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奇跡につながる、努力の軌跡。

 今年は、早々に野球の季節が終わってしまいました。去年は最後の最後までハラハラしながら行方を毎日見守っていましたが、応援しているチームが負けてしまうと、そんなものなんでしょうね。日本シリーズも、ワールドシリーズも、ストレスなく見ることができています。まぁ、結局何だかんだと、野球を楽しんませてもらっています。そう言えば、ワールドシリーズは今日、終わってしまったみたいですが。

 2023年の秋、阪神タイガースの胴上げの瞬間に宙を舞った24番のユニフォーム。この、横田選手のものでした。ここに至るまでのことが気になって、この本を手に取りました。

 現役時代の横田選手のことは、ほとんど知りませんでしたが、本を読み進める中で感じたことは、人一倍努力して、アドバイスしてもらったことはすぐに取り入れて修正していく。プロになるまでだけではなく、プロになって一軍を目指していたときも、闘病中も、そして退院後、他の選手とは違うメニューに取り組混ざるを得なくなってからも。そんな真面目さと努力家な部分が、きっとファンの方にも伝わっていたのだと思います。もしもその頃彼のことを知っていたとしたならば、間違いなく私も応援していたと思います。こんな風に素直に、真摯に物事に取り組めるというのは、才能なのではないかと思います。

 お昼時、会社近くのラーメン屋さんのカウンターで、引退試合のエピソードを読みながら、涙があふれて止まりませんでした。もしかしたら、店員さんは変な顔をしていたかもしれませんが、周りのことが気にならないくらいに、のめり込んでいた私がいました。引退後も病気と闘いながら、ご自身の体験を講演会等を通して伝えていらっしゃったそうです。文庫版にはその様子などもエピソードとして納められていました。

 私自身は、日々目標に向かって努力できているだろうか。もったいない時間の使い方をしてはいないだろうか。この本を読み終えた今、自分自身のことを振り返っています。何かにつけて言い訳を探して、適当に流してしまっていることや、逃げてしまっていることも少なからずあります。横田選手の物事への取り組み姿勢と比較すると、反省することだらけです。心の中にアツいものがよみがえってきました。

 逃げたくなったとき、誰かにか背中を押してほしくなったとき、この本がきっと、力をくれるのではないかと思います。横田選手、思いを残してくださって、ありがとうございました。

『奇跡のバックホーム』(文庫版)
横田 慎太郎 著 幻冬舎発行 を読んでの感想

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