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トップは何を思い、行動しているのか。

 名経営者と言われる企業のトップ。多くの場合は創業経営者だったりすると思いますが、そのように言われるためにそうなったのではなくて、日々をぶれることなく積み重ねてきた結果、そのような評価につながったのではないかと感じます。では、いったい何を思って行動してきたのか。あらためてこの本を通して感じることができたように思います。

 著者である野地さんが直接会ってお話しされたことや、調べられたことを織り交ぜながら進んでいくストーリー。大きな組織のトップとしてのそれぞれの方の顔だけでなく、仕事を離れた、一人間としての顔を感じることで、よりリアルな人となりが見えてくるような印象をうけました。経営をし始めてから見に着いた判断軸もあると思いますが、それ以上に人生を歩んできた中で身に着けてきたものが、経営にも投影されているような印象を受けました。人は瞬間でつくられるのではなく、日々つくられていくということなのでしょうね。ドライな印象を持っていた方も、人間らしい側面があるということを知るだけでグッと身近に感じることができます。その人間臭さも、トップの魅力なんでしょうね。

 実はこの本の文章のほとんどは、購読している経営誌、月刊『理念と経営』で連載されている内容。毎月楽しみに読んでいたコーナーだったのですが、まとめて読むと新鮮な印象を受けました。特に、厳しい状態を何らかの形で乗り越えていくエピソードは、続けて読めるからこそ、より心に響くものがあって、心がアツくなります。個人的には野地さんの、文章に入り込みやすいような文体とテンポ感も好きです。

 毎日何気ない日々を送っている中で、うまくいかない事、気分が乗らない事も当然あります。そんな時にこの本のページをめくると、不思議と気持ちが変わってくる。そんな素敵な本に出会えたと思います。まさにタイトルの通りだと感じます。

 またときどきページを開いて、心に元気をもらおうと思います。

野地 秩嘉 著

あなたの心に火をつける 超一流たちの「決断の瞬間」ストーリー

株式会社ワニブックス発行 を読んでの感想

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