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組織と個人の心の、ベストミックス。

 『あーそんな人、いるいる。そうそう、そんなシチュエーション、よく目にするよなぁ。』どの事例も、実際にどんな職場でもありそうなことばかり。気づいている、気づいていないに関わらず、身の回りでは様々な出来事やトラブルが起こっています。多くの場合、それらが見て見ぬふりされたり、何も対処されなかったり。そんなことが積み重なって、職場のねじれが発生していくのだと思います。

 従業員側だけ、会社側だけ。どちらかの視点に偏った視点で語られることが多いと思いますが、今回の松岡 保昌さんの本の中では、それぞれの視点や心の動きにもフォーカスをあてながら、解説されています。松岡さん自身がキャリアコンサルタントとしても活動されながら、企業の研修やキャリアコンサルティングの中で垣間見ることなどから、どんなところに問題があるのか、どのような対処ができるのかを、さまざまな理論やエビデンスをもとに、紹介されています。

 個人的には、キャリアカウンセリングや、キャリアコンサルティングの技術を直接的にカウンセリングを目的として使う場面は少ないですが、仕事の様々な場面で意識しているような気がします。そして、職場などで、火との会話を耳にしたり、面談がらみのやり取りについて話を聴いたりすることがあると、『もっと、色々展開できるのになぁ』と思ってしまうことも少なくありません。このような知識や技術は、これからの職場において必須のスキルということができるのかもしれません。

 あらためて感じるのが、キャリアカウンセリングの講座を受講していた時に学んでいた、基礎的な部分を理解して、頭の中の引き出しから引っ張り出してくることの重要性です。ただ、実際の職場でということを考えると、ビジネスに関する理解や、組織全体の仕組みについても理解しておく必要性を感じます。分断して、それぞれのことだけを考えるのではなく、全体の設計や仕組みの全体像を理解し、それぞれが歩み寄ることが、重要なのだと思います。

 定年の延長や定年の廃止も言われる昨今、世の中の変化も大きく、様々なことを理解し、それぞれが考えていくことが必要だと感じます。そんな時にこの本のページをめくると、ヒントがたくさんあって視野を広げることもできるように思います。職場で責任のある立場にある方や、キャリアコンサルタントを目指す方に、ぜひ読んでみていただきたいと感じる,、実務に活かせそうな素敵な内容の本でした。

こうして社員は、やる気を失っていく
松岡 保昌 著 日本実業出版発行を読んでの感想


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