SmartHRのエンタープライズISの山登りが五合目ぐらいまで来ました
こんにちは、SmartHR でエンタープライズ事業本部インサイドセールス本部のダイレクターをしているチャーリーです。
肩書が非常に長くなりました。先日会社の組織図がガラっと変わりまして、これまで「インサイドセールスグループ」と職種別の組織だったのが、今年から「エンタープライズ事業本部」というお客様の企業規模が501名以上の組織に分かれました。
それに伴い、これまでのマネージャーという立場からダイレクターに就任してこれまでの2001名以上企業向けのインサイドセールス(以下IS)組織に加えて、501名〜2000名向けも担当することになったので、一年振りに現在の状況とかをいろいろ振り返って紹介できたらと思っています。
最初に簡単に組織図情報を公開
以下の図の赤枠のところが僕の所属する組織です。
さらにこの「インサイドセールス本部」の中に、2つの「部」があって、さらにその中に役割ごとにユニットがあるという状況です。
全体の人数としては、だいたいメンバー全員で正社員で45人、BPOの方たちを含めると70人ぐらいの組織となっています。
この一年間で成長した部分
一年前に書いたnoteは以下のとおりですが、おかげさまでだいぶエンタープライズの正攻法が組織に浸透し始めてきたのが現在なのかなと思っています。
具体的にやってきたこととしては、「フィールドセールス(以下FS)との連携」「アカウントプランニング」「アウトバウンドのアプローチ」などがあります。エンタープライズ向け法人営業ではどれも当たり前でありながら、うちの組織ができていなかったことです。ただ、KPIを変えて、社外の人からの研修・アドバイスで口を酸っぱく上記の内容を教えていただき、メンバーのみんなも変わろうと思っていただいたおかげで、変革が実現できたのかなと思っています。
具体的には、こんな感じのことをこの一年やり始めました。
フィールドセールスとの連携
これは、社外の人にアドバイザーとして入っていただき相談をしたことから実現したことです。
昨年から2001名以上のISでは量のKPIとしての商談数は全く評価に含めないようにし、フェーズが進んでFSが保有しないと評価されないようにしました。そうすると、ISメンバーから「どうやったらフェーズが進むのか分からない」「フィールドセールスによってフェーズが上がるかどうかがマチマチで、何を考えているのかが分からない」といった声が頻発しました。
そうしたときに、アドバイザーの方に「こういうことが現場から上がっているんですが、どうしたらいいんですかね…?」と恐る恐る相談したら、だいたい毎回同じ回答をいただきました。
「なぜそれをフィールドセールスと相談しないんですか?」
これが結構僕としては衝撃でした。まぁ、たしかに頭では相談するのが良いというのは分かるんですが、僕も含めて多くのメンバーが「相談するより自分で考えるもの」と思っていたためです。あまりに同じ回答をいただくので、以下のようなことを聞きました。
僕「そんなになんでも相談するものですか?うちのチームってFSとのコミュニケーション量が足りないです?」
アドバイザー「はい、全然足りないです。」
これを聞いた瞬間、「よし、これからは死ぬほど相談するチームにしよう」と決意しました。そして、少しでもISがモヤモヤを抱えた案件は全部FSに相談するように徹底をしました。具体的には、商談の前後にウェブMTGで顔を合わせてコミュニケーションを取ったり、一人のFSに対してISが5人とかで囲んで「案件確認会」と称してISが供給した商談の進捗確認やフィードバックを取りに行くようにしました。
僕は元々FSにいたので、ISから「これなんで有効商談にならないんですか!?」と詰め寄られると、FSとしては面倒くさい感じがするのを想像していました。実際、やり始めて3ヶ月ぐらいは結構衝突も生まれていて、マネジメントレイヤーで仲裁に入るシーンも多かった気がします。ストレスを抱えるメンバーも多かったと思います。
ただ、3ヶ月を過ぎてからは目に見えてお互いの関係性が良くなったのをメンバー一同感じています。当たり前ですが、ISも本気で良い仕事をしようとしてFSにぶつかるからこそ、FSに伝わるものもあった気がします。逆に、それはISにとってのFSも同じです。これ以前からも僕は口では「ISは向かい合うFSが成果を出せるかどうかが価値だ」と言い続けてきましたが、その価値観が本当に浸透し始めたのはこのときからだったと思います。
そして、この関係性が成立してこそFSとISが「一緒に新規案件を攻略しよう」という意識が生まれて、次のアカウントプランニングにも繋がりました。
アカウントプランニング
FSとISで一緒に顧客企業内外の情報を整理して、「どこからアプローチをして受注を目指すか」を設計するようになりました。
具体的には以下のnoteに詳しく記載してあります。
エンタープライズは企業数がそもそも限られているため、「効率よくニーズがある企業に当たる」ではすぐにアプローチ先の限界を迎えてしまいます。そのため、逆に「効率を度外視して、限られたパイの中でどう振り向いていただくお客様を作るか」に焦点を当てる文化が定着しつつあります。
アウトバウンドのアプローチ
上記の「企業数が限られる」「なんとか振り向いてもらう」アプローチとして、アウトバウンドでのお手紙アプローチとその後の架電に着手し始めました。
こちらは昨年の3月から始めたものの、最初はなかなか定着しなかったです。理由としては「どう送っていいか分からないため、送るのにハードルがある」ことと、「送っても本当に成果につながるか分からない」ためです。
これを解決するために、昨年の7月〜12月はあえてアウトバウンドのみにフォーカスした大企業向けのチームを作りました。目的は、「他の手段に逃げるという退路を断って、エンタープライズ向けアウトバウンドアプローチの成功体験と型を作る」ことでした。
これが概ね成功を収め、今期からそのやり方を他のチームにも展開をし始めて全体で注力するとなりました。
これからの一年の目標は、「個の力」を最大限伸ばすこと
さて、「この一年間で成長した部分」はいかがでしょうか?「結構当たり前のことだな」という感想かもしれません。僕もそう思っています。ただ、逆にいろんな他社の方にお話を聞いても、おそらく大事なことはそれほど変わらなそうです。エンタープライズISに銀の弾丸はそれほど多くなく、そこそこ当たり前のことをどれだけ高いレベルでやり遂げられるかに懸かっています。(ほとんどの仕事というものはそうだと思いますが。)
そのため、今期のIS本部の目標は「個の力を最大限伸ばすこと」としました。これまでの一年でやり方はある程度見えたので、それをきちんと実行できる個人の集まりにしたいです。
この、「個の能力を高める」はエンタープライズの環境にもマッチしています。というのも、すでに書いたようにエンタープライズ企業は母数が限られています。弊社の場合、だいたい一人当たり200社ほどしか担当企業がありません。その中でどれだけの有効商談を生み出せるかが鍵となります。
もしこれが2000社だったら?当たれる企業は無数にあるため、一人あたりの能力が足りてなくて目標数字に届かない時は、人を増やして解決することができます。0.5人分の成果しか出せない人でも、3人いればハイパフォーマーと同じ成果が出せます。しかし、企業数が限られるとそうは行きません。0.5人分の成果しか出せない人が増えても、組織としては逆にマイナスになります。
そのため、厳しい言い方かもしれませんが、「全員がハイパフォーマーになること」こそが、エンタープライズISの勝ち筋だと感じています。
エンタープライズSaaS ISのトッププレイヤーになってほしい
最後にもう一つ、ちょっとだけ外向けに出すのは恥ずかしいですが、キックオフで話したことを書きます。個人的な僕の想いです。
現在いろんな社外の人と話をする中で、「今、SaaSでエンタープライズ向けの営業の需要が増えている」と感じています。その理由はおそらく日本の多くのSaaSがSMB向けから始まっており、エンタープライズにその市場を広げていく中で「新規開拓領域で」「エンタープライズ向け」の経験者が少ないことがあると思います。さらに、FSよりISのほうが歴史が浅いため、もっともっと人が足りていないでしょう。
そんな中で、今のSmartHRの環境はIS個人としての市場価値を高めるチャンスだと思っています。すでに70人のメンバーが切磋琢磨している環境で、基幹システムとして新規で導入やリプレースを検討していただくのが非常に難しい中で経験を積むことができます。単純に数を追うだけではなくて、顧客企業ごとに戦略を立てて取り組む経験は、このフェーズのSmartHRだからこそできることだと思っています。
そして、その先にはそれぞれのメンバーが「エンタープライズSaaS ISのトッププレイヤー」になってほしいと思っています。将来SmartHRにずっといても他社に転職しても、SmartHRでISをやって成長したことが誇りになるような、そんな組織にしていけたらいいなと思います。
まとめ
ということで、SmartHR のエンタープライズ IS の新組織の現状を書きました。こんな環境に興味がある方がいたら、ぜひぜひご応募お待ちしています!
エンタープライズを希望される場合、その旨を補足や希望ポジションの欄に記載ください!