特別展『あるがままのアート』東京藝術大学大学美術館
Charites Accessories-カリテス-です。
スパンコールとビーズをオーガンジーやチュールに刺繍して、透け感の美しいアクセサリーを作っています。
Art As It Is
no art, no life
世の中には突き抜けたひとがいる。
意図的に何かを表現するのではなく、表現せざるを得ないひと、みたいな。
おそらく、この世ではこういう人たちは生きにくいのだろうと思う。
けれど、その作品を目の当たりにすると気が遠くなるような集中力とか、繊細すぎる感性に感動を覚えてしまう。
そしてそれがとても羨ましく感じる。
例えばこれ。
日本地図をめちゃくちゃ細かく、いろいろな模様をたくさんの色で塗り分けている作品。
とても大きな作品で、何年もかけて仕上げた圧倒感がすごい。
になみに世界地図もあって、細かく細かく色を塗り分け、塗り潰し、遠くから見ると統一性のある模様に見えたりする。
これはひたすら細かくハサミで紙を切っている作品。
何の計算もなく、手でここまで細かくカットできるのが凄い。
おそらくこんなこと私はできない。
できないし、やろうと思ったことがない。
だから、これをこんなふうにやれる作者が凄いと思った。
美術大学で、オーセンティックでトラディショナルな美術教育を受けた者が作り出すものだけがアートではないという事なんです。
この展示会の作品は、既存の美術や流行、教育、障害の有無などに左右されず、ただひたすら自由に独自の世界を創造し続けるアーティストのもの。
こういう世界を見てしまうと、私の世界の狭さ、考えの固さ、小さくまとまった自由をいやでも実感してしまう。
藝大美術館での開催というのも面白いなと。
世の中には草間彌生的な才能がどんどん生まれている。
凡人のセンサーとは全く違う感度で創作するアートには、承認欲求とか名誉欲みたいなものが漂わない。
売らんがためのモノ作りではないものに触れて、最近の私の中の違和感にもはっきり気がつくことができた。
ネットを開けば宣伝、広告、告知、売り込み。
こんなのに辟易していたんだな、私は。
それでも、私みたいな凡人は霞を食べて生きるわけにもいかないからね。
辟易としても、やらなきゃならないのだけれども。
私の精一杯で集中して、生み出していきたいなと思う。
よろしければサポートをお願いいたします。 新しい技術習得のための刺繍学校の学費にいたします。