深夜のかりすま名画座:最強のふたり
最強のふたり
スラム街出身の青年ドリスは、定職に就かず気ままに暮らしていました。
ドリスはある日、介護人の採用面接に、失業保険に関する書類記入を目的に足を運びます。就労に対する意欲は当然ありません。そんな彼を迎えたのは富豪フィリップ。
フィリップは頸髄損傷により介護を必要とする生活を送っています。そして彼は何を思ったか、介護経験は疎か働く事に前向きでないドリスの雇用を決めました。
ドリスは住み込みの介護人として未知の世界に戸惑いながら働き始めます。
ドリスの振る舞いは大胆不敵。ユーモアがあるけど品がなく、思った事を何でも口にしてしまう。その性格は周囲を時に呆れさせました。然し、介護人としての生活を続ける内に。彼はやがて親しみやすい友人として受け入れられて行きます。
フィリップは富を持ちながら肉体が思いのままにならない。ドリスは有り余った体力を消費し先々の事から目を背ける。
フィリップはドリスという”異物”を取り込む事で、それが世界を塗り替えてくれる事に期待したのかも知れません。ドリスもまたフィリップに焚き付けられたとは言え、彼の元で働く事を決めたのは変化を求めた事に他ならないでしょう。
フィリップもドリスも成人でそれでも年齢は親子程に離れています。豪邸とスラム街で生活環境も異なります。そんな2人が悪友の様に愉快な事を企み茶化し合う姿がとても素敵でした。
本作は実話に基づく物語です。そして其処には、”未来”と”救い”が明確に描かれていました。