深夜のかりすま名画座:レオン
レオン
ニューヨークに暮らす、12歳の少女マチルダ。彼女は虐待が横行する家庭で心を擦り減らしていました。
ある日、転機が訪れます。
マチルダの一家は父ジョゼフが麻薬を横領した為に、密売を裏で牛耳る刑事スタンスフィールドに始末されてしまいます。マチルダ1人が、隣人であるレオンの下に身を寄せた事で難を逃れました。
マチルダはレオンの職業がプロの殺し屋である事を知り、唯一関係が良好だった弟の敵討ちを依頼します。彼女はレオンに拒否されるも食い下がり、殺し屋としての技術を指導する事を代替案として承諾させました。
寡黙な殺し屋と12歳の少女。退廃的だが心温まる、奇妙な共同生活が始まります。
レオンはプロの殺し屋ですが、元はマチルダと同じ復讐者。歳行かない少女に自分と同じ道を歩ませまいと考えますが、彼女のペースに翻弄され。レオンはそこに居心地の良さ、生きる目的を見出していきます。
本作のエンディングはとても良い。少女に希望を託す為に命を賭したレオンの美しさ、その愛ゆえに望みを失ったマチルダの切なさ。もの悲しいけれど前向きで、物語の余韻と共に「現実は甘くない」「でも自分にも何か出来る事があるかも知れない」と思わせるものがあります。
本作を以前に観たのは10年程前と記憶していますが。マチルダに対する狙撃指導やレオンとスタンスフィールドとのやり取り等、多くの場面が印象に残っていました。