【歌い手編13】ミックスボイスを出したい
今さら聞けない歌い手お悩みあるある13
ミックスボイスは高音で発生する為には必要不可欠な発声法で、最近の歌手のほとんど、また特に高音域が続く楽曲の多いボーカロイドの歌唱をする時にはミックスボイスでの発声が必要とされています。
初めに『声区』とは「発声時にある域内での全ての音が同様に生成されて同様の性質を持つと知覚される、その発声基本周波数域」のことをいいます。「地声」や「裏声」というとわかりやすいかもしれませんが、正確にはそれぞれ声を響かせる場所の意味合いから「胸声区」「頭声区」といいます。そしてこの2つを滑らかにつなぐための技術が「声区融合」といいます。そして地声と裏声が切り替わる所が『喚声点(かんせいてん)』と言います。今回は「声区融合」の方法と高音と低音の音程を拡げてミックスボイスをだす練習方法をお伝えします。ただ読み進めて頂く大前提として、ブレスの方法や、正しいチェストボイスの出し方、ファルセットの出し方、それって何?と思った方は変な癖がつかないように、焦らずに最初から読み進めていく事をかなりオススメしています。有料記事もありますが、ほとんど無料で読めます、遠回りの様ですがそれが上達の近道です。
<オススメ記事>
チェストボイス⇨【歌い手編1】ブレスのタイミングがわからない
ファルセット⇨【歌い手編12】ファルセットの強化方法が知りたい
1.声の種類を知ろう
声には大きく3種類(2種類の説も)あります
頭声区(ヘッドボイス):頭声⇨高音域、ファルセットなど
中声区(ミドルボイス):頭声と胸声のMIX⇨中音域
胸声区(チェストボイス):胸声⇨低音域
それぞれの発声法が異なり、それぞれ別々の低音と高音の練習が必要になっていきます。度々登場しているベル・カント唱法では『声区』と『ファルセット区』の2声区の理論で、それぞれの声区は“ブレイク”によって分けられます。上達の方法は以下の手順を辿ります。
1.それぞれの声区を十分に練習する(正しい発声での音域の向上によってチェストやファルセットの音域が一致するのも一つの目安になります)
2.両声区を正しいバランスで融合していく方法が取られています。(声区融合)
これがミックスボイス習得への流れになります
それぞれの声区の発声では使用する筋肉が異なることが一般的に知られていて、ミックスボイスは胸声と頭声で使用する筋肉のどちらも使用します。特に女性よりも男性においてミックスボイスができない理由として裏声発声に慣れていないことが原因の一つになっています。その為、ミックスボイスの習得にはチェストボイスだけでなくファルセットの習得が必須になっています⇨これをしないと変に力が入ったり変な癖がついてしまいます。
2.メッサ・ディ・ヴォーチェ
メッサ・ディ・ヴォーチェは声区融合させる伝統的な訓練方法です。これは声をピアノ(p)からフォルテ(f)に向かって膨らませていく最も有効な訓練法です。「弱い方の声区の末端」を鍛えて頭声区と胸声区の一体化をはかります。実際に二つの声区を融合していく練習方法としては非常に簡単
【小さい裏声「ウ」⇨大きな地声「ウ」⇨小さな裏声「ウ」に戻す方法】
この時に裏返らない様に意識しながらやります。また小さな地声から出さない様にも注意が必要です。出しづらい方は片道づつ
・小さい裏声「ウ」⇨大きな地声「ウ」
・大きな地声「ウ」⇨小さな裏声「ウ」
と分けてやってみましょう。
「ウ」が成功したら、音程を意識したり、「ア」でやってみましょう
NEXT⇨【歌い手編14】音痴を治す方法が知りたい
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参考文献
京都市立芸術大学大学院 音楽研究科 声区転換部を含むオペラ歌唱の音響的特性
裏声発声に着目した歌唱力向上メソッドの考案
茨城大学 教育実践研究
コーネリウス・L・リードのベル・カント唱法の 音楽科教育導入に関する考察
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