読書記録10 『性のタブーのない日本』
橋本治『性のタブーのない日本』
(集英社新書 2015年)
私は、精神年齢が17で止まっている。
高校生だったことがついこの前だったような錯覚すらある。
男子(正確にはおっさん)が集まれば自ずと、下ネタに走りがち。会話のキャッチボールでもぎりぎりストライクになる『下』(した?しも?)のコースを狙う。
一見、高尚なことを言っているようでそんなことはないことばかり。
意識の高い自己啓発や、高尚な名言や格言めいたものを私は持ち合わせていない。どちらかといえば苦手である。
しかし、
『やるかやらないか?どちらの人生を選ぶならやる人生を選ぶ』
というカンパニー松尾監督の言葉には感銘を受けた。←ほら、高尚感。(ちなみに『やる』はすべて『ヤる』である)
源氏物語や神話、歌舞伎、能、和歌。
高尚であろう。でも、この本はその中にある、無視できない日常や社会背景を面白おかしく説明してくれている。
本の名前に負けないように下へ下へと話題を提供してくれるが、摂関政治の終焉から院政につながる権力構造をわかりやすく示してくれていた。途中、本が変わったかと思うくらい引き込まれることとなった。
モラルはあるがタブーはない。
これは、著者の日本社会の性への意識を説明した言葉であったが、なるほどと『色々』考えさせられた。