木の葉天目
中国宋代に江西省の吉州窯で焼かれた天目茶碗のこと。内面に木の葉の文様のあるもので、窯に入れようとした茶碗に葉が落ちてそれを取り除かずに焼いたら葉脈が残り、茶碗の模様になったのが始まりと言われます。この葉脈を残すためには、素焼きした茶碗に釉薬を塗り、その上に葉を置く。葉は燃えて灰になってしまうが、その灰を吸い付けてくれるような釉薬が必要となります。大阪市立東洋陶磁美術館の重要文化財として伝わっている木の葉天目は、桑の葉です。
しかし、現代に作られている木の葉天目茶碗は、「椋(むく)」の葉を使うことが多いようです。「椋」とは、高さ約20メートルほどの落葉樹で葉っぱは卵形で縁がギザギザしています。実は球形で黒く熟し、食べられます。ムクドリなどが実を食べに集まってきます。