文明の味がするレモンパイ
ーおやつを取りに、田原町へ行こうー
誕生日の翌日。
誕生日ケーキを食べ損ねた私は何となく何かに祝ってほしくて憧れのケーキ屋さんに電話した。
田原町の「レモンパイ」
「午前中には売り切れることも」だとか「開店前から行列」だとかの口コミがありながらも、公式ホームページにはサラリと「電話予約可」と書いてある。
「え、これ電話しないとかマジありえなくな〜い?」というギャルの声が聞こえてきそうである。
「レモンパイを1つお取り置きしたいのですが、、」と電話する。
(1つでごめんなさい、、と思いつつ、一緒に食べてくれる人がいないのだからしょうがない。)
すると「1/4サイズと1/6サイズどちらにしますか?」と聞かれる。
「1/4サイズでお願いします」
即答した。
・・・
1時間後に取りに行った。
レモンイエローの屋根が目印。
なぜかレジ袋はいらないと言ってしまったため、箱を素手で持って歩く。
緊張が走る帰り道。
途中、2回もつまずいてヒヤッとした。
最後の方は感覚がなくなってきて握力ゼロみたいになった手で持ち帰った。
時折ガラスに映る小さな箱を両手で大事に抱えた自分がなんだかかわいく見えた。
・・・
帰宅と同時に開封。
上から焦がしメレンゲ、メレンゲ、スポンジケーキ、レモンカード、パイ。
レモンが想像以上に酸っぱくて、でもそれはレモンらしい酸っぱさというのともまた違って、あくまで洋菓子的なお上品な酸っぱさだった。
自然な味とか素材そのものの味とかがもてはやされている今の時代にはあまり見かけない、人の手の込んだ酸っぱさ。
文明だね。
ありがとう田原町、ありがとうレモンパイ。
・・・
#レモン #田原町 #浅草 #レモンパイ #食 #料理 #グルメ #フード #フードエッセイ #おいしいお店 #至福のスイーツ #noteスイーツ部 #スイーツ