鎌倉がきらきらするあんみつ
ー白玉は大きくてあったかいー
何年前かの夏休み、鎌倉へ行った。「茶房雲母」というちょっと観光地からははずれたところにある人気店を目指して。
(インスタで「#鎌倉スイーツ」って検索したらたぶん1番多く出てくると思う。まあ見せびらかしたくなる見た目だしね。)
住宅街のまん中にあった。
住宅街といっても、どのお家も「アトリエかなんかですか?」ってくらいキマっているのだが。
甘味処だというのに、朝11時前に行ったら既に行列ができていた。
とりあえず並んでみるも、全然進まない。
しかし特に目的もなく鎌倉に来た私と友だちは、焦る理由もなかったのでとりあえず並び続けることにした。
気づけば後ろにも長蛇の列。
通りがかる人は不思議そうに見ている。
一度、観光客っぽい人が通りかかった時に、
「すげー!かき氷にこんなに並ぶの!?」
というディスりをしてきた。
みんなに聞こえる大声で。
悪意あるよね。
しかし並んでいる人たちは誰も動揺したり嫌な気分になったりしない。
それもそのはず。
たしかにお店の軒先には「氷」というのぼり旗が吊るされていたが、ここにきてかき氷を頼む人はおそらくゼロに近い。
みんなが楽しみにしているのはあんみつだからだ。
だから私含め、みんなが
「フッ、言わせておけ、、。」
って思っていたはず。
(あんみつ>かき氷 の優越感はいずこから?)
・・・
1時間以上並んでやっとのことで入れた店内は思いのほかこじんまりとしていて、行列の意味も頷けた。
抹茶のクリームあんみつにした。
メガビッグな白玉5つに、みつ豆と、あんこと、抹茶アイスクリームと、あんずと、さくらんぼ。
抹茶シロップをかけて食べるそのお味は、間違いなくあんみつとして完璧なものだった。
もっちもちの白玉はあったかい。茹でたてなの?
それと抹茶アイスの冷たさの組み合わせが特にすごい。
もうその2人ががっちり手を繋いでて、周りをその他の脇役で固めているという感じすらあった。
つけ入る隙を与えない。
・・・
食後は由比ヶ浜までがーっと歩いた。
途中の商店街がいちいちかわいくて、久しぶりに雑貨屋さん巡りみたいなことをした。
くりかえしになるけど特にすることもなかったので海のベンチでぼんやりとおしゃべりしていた。
途中隣のベンチでハンバーガーを食べていた方が、トンビにバンズをかっさらわれていた。
呆気に取られてしばらく放心状態だったその人のことが可哀想に思えた。
・・・
その後は鶴岡八幡宮に続く道をひたすら歩いてまた雑貨屋さん巡りをした。
途中ゴールデンレトリーバーをおんぶさせているおじいさんを見かけた。
これが噂の老老介護?
鶴岡八幡宮ではちゃんとお参りもした。
屋台が何軒か出ていて、昔遠足で来たときにここの冷凍パイン屋さんのジャンケンに勝って2本パインをもらったことを思い出した。
(私しか食べてなかったから恥ずかしくて友達に1本あげてしまった覚えあり。)
(そして連鎖的に思い出したんだけど、この遠足、謎に「買い食いは1回まで」って決められていた。)
(あと、当時は小町通りを制服で歩きながら学年の子たちの恋バナで盛り上がっていた。さすが中学生。)
・・・
今日の懐古はこの辺にしておこう。
鎌倉にはいろんな思い出がミルフィーユ状に何層にも重なって輝いている。
そのきらきらの中心で、一際輝いているのがこのあんみつということになる。
・・・
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