粗利の低い飲食系通販の苦しさ
新型コロナウイルスにより、また緊急事態宣言が出るとか、出ないとか。。
飲食店経営者からすると、このニュースを見る度に心臓がキューっとなっているかと思います。
緊急事態宣言が発令されて、また外出が現象すると、家での生活時間が増加し、飲食店の中でも通販に舵切りする店舗が多くなると思います。
しかし、ここのハードルは以外に高いので、下手に取り組むと余計に経営の首をしめることになりますので、私の経験談を基に少しでもお役に立てばと思い、記事を書かせて頂きます。
ハードル①:商品開発
まずは何と言っても商品です。
飲食店と違い、お店の料理長やシェフが腕をふるって、ライブ感を感じながら、一番美味しい状態で提供できるわけではないので、ご家庭で簡単に調理ができて、更に、美味しい商品であることが条件です。
勿論、保存がきく商品である必要もありますし、成分表記も必要になりますので、しっかりと商品の安全性も確保しなければいけません。
ご自宅や店舗で作る場合は、保健所の検査が必要なモノもあるので、ここで設備投資費用が発生する場合もあります。(菓子製造許可だと、専用の壁を増設したり大規模な施工が必要な場合もあります)
ハードル②:パッケージデザイン
箱や袋の商品パッケージは通販において非常に重要です。
届いたダンボールを開けた瞬間の、あの感動は通販ならではだと思います。(apple製品とかはさすがだなと思います)
ロゴがない場合はロゴの作成から必要になるかもしれません。
パンフレットも同封する場合は、写真撮影や素材の加工(イラストレーターやフォトショップ)も必要になるかもしれません。外注するとそこそこ費用もかかります。
ハードル③:受注管理システム構築
やってみると意外と簡単なんですが、パソコンが苦手な人からすると吐き気がするような響きだと思います。
いろいろ試しましたが、BASEがダントツで早く開設できて、管理画面も使いやすいので、パソコンが苦手な人でも安心かなと思います。デザインも昔と比べるとだいぶ選択肢も増えたので見栄えも悪くはないです。
あとは楽天やアマゾン等、既存の媒体への露出ですが、これが意外と大変で、審査を含めると、出店までに2ヶ月程度はかかると考えた方がよいです。
とにかく、とりあえず売れる環境を整えるだけであればBASEが早いですね。
ハードル④:売上の確保
ただ、BASEに出店するだけでは勿論、ほぼ売れません。
当たり前ですが、誰もその商品のことを知らないので。
よく通販の例えで、砂漠に店を出すようなものとか言いますが、まさしくそれで、いくら出店してもそれを知らせる手段が必要です。
それがインフルエンサーマーケティングであったり、You Tubeであったり、広告であったり、クラウドファンディングであったり、楽天やアマゾンの上位表示ロジックであったり・・・様々です。結論ここでつまずく人が1番多いのが現状です。
ハードル⑤:粗利の確保
記載した通り、売ることが1番難しいのですが、奇跡的に売れたとして、問題は粗利です。
食品系の特徴は、本当に新しい商品で無い限りは、相場が決まっていることです。材料費も少し考えたり調べたりすれば大体は検討がつくので。
つまり世の中的に「この商品はこのくらいの値段が普通だよね」というラインが決まってるため、あまり利益を乗せられないという特徴があります。
しかも通販は送料で、1商品あたり1000円程度はかかってます。
そこに梱包材の費用で大体300円〜500円程度、梱包を工場に依頼する場合は更に500円〜1000円程度もっていかれます。
そもそもの商品原価だけでも厳しいのに、周辺コストがめちゃめちゃ高いのです。そこにサイト運営費や、販促費も加わると、もう手残りはほぼないんです。またそこに楽天の送料無料キャンペーンとか入ると地獄です。消費税も含めてしっかり計算しないと余裕で赤字もあり得ます。
BASEで売上の約6%、楽天だと約12%、Amazonだと15%程度が、手数料として持っていかれるのも地味に強力です。
例:2500円のチーズケーキを売る場合
売価:2500円(税込み・送料込み)
商品原価:800円
梱包材:400円
送料:1000円
BASE手数料:180円
最終手残り:120円
利益率:4.8%
※工場で梱包すれば確実に赤字です。
解決策
解決策は大きく2つだと考えます。
解決策①:付加価値をつけて売価を確保する
ただのチーズケーキだと相場程度の値段しか取れませんが、そこに
「◯◯産の希少なチーズ」
「こだわりの〇〇製法」
「モデルの◯◯さんも食べてる」
「無添加で体にも優しい」
等、プラスαの要素が盛り込まれたり、作り手の想いや志、ストーリーがあるとそこに対する応援の気持ちも含め、競合他社より高めの値段設定でも販売可能になるケースがあります。
何件かお話聞かせて頂いて感じたことは、意外と作り手さん側が付加価値に気づいていないパターンが多いことです。
素晴らしいこだわりや、作り方をしてるのに、それが当たり前になってしまっていて、当の本人はそれが強みになると考えていないパターンです。
このあたりを引き出すのも私の仕事だと思っております。
解決策②:サイト手数料を無料にする
送料や梱包材は下手に削ると質が大幅に落ちるのでそれ以外の要素で考えると、サイト手数料かと思います。
BASEやshopify等ではなく、例えばECcubeを駆使すれば、既存の自社サイトに通販機能を追加で挿入することも可能です。
そうすれば月々の手数料が発生することなく、かつ顧客情報も手に入るので一石二鳥です。
結論
すごく簡単に記述しても、これくらい通販って考えることが多いです。
企画から通販開始まで半年以上かかっているケースも見てきました。
私もサポートはいくらでも致しますが、結局は作り手の「想い」の部分が全てだと思ってます。
作り手が、その商品を信じているかどうか。
もう、地方も、東京も、関係ないと思ってます。
良いモノを、想いを持って、作ってる人が報われる世の中を実現していくことが自分のミッションです。
今年のおみくじは人生初の「凶」でしたが、素敵な商品と巡り会えることを信じて精進していきます。
コロナ、全員で乗り越えましょう。
WEB SITE
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?