【日刊ドローン情報 No.72】「まぐれを疑った」高齢化の町で豊作 ドローンは農業をどう変えるか
田植えには,移植方式と直播方式の二つがあります。移植方式は,一般的な苗を植え付けて成長させる方式で,直播は水田に直接種を植える方式です。縄文時代にはすでにコメの栽培が行われていたといわれ,その頃は直播により田植えが行われていたということで,実は歴史があるのは直播による田植え方式のようです。
ドローンでの田植えはこの直播により行われ,ドローンから種を落下させて撒いていきます。一般的に,直播は移植よりも収穫量が落ち,またコメの味も移植より劣るそうですが,記事のように農業生産法人を営むような大規模農業経営においては,移植と直播を使い分け,高く売りたい品種は従来の移植で,業務用米など低コストでたくさん採りたい場合は直播としているようです。
直播においては,いくつもの技術的な課題があり,30年ほど前から技術開発が行われているようです。当初は,発芽がしにくいという問題があり,種もみを酸素発生剤で覆う技術が生まれて発芽しやすくなりました。また,種が水に浮くことで,発芽しなかったり鳥に食べられたりという問題があり,鉄粉で種をコーティングする技術が普及したということ。
さまざまな課題を地道に改良してきた技術力が,今日のドローンでの直播を支えています。直播が移植と同等,またはそれ以上の味・収穫量となる日も近いかもしれません。
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