組織を理想に近づける活動を進める中で自分のできていないことがわかってきた
Scrum Inc. Japanで人事兼アジャイルコーチとして活動しています、庭屋と申します。人事、組織づくりを進める中で、アジャイルの考え方で使えるものをまとめています。
今回は、組織開発(言葉の意味で解釈が分かれる言葉ですが)など、明確な数値目標が設定しづらい業務において「理想のチームに近づける」活動が非常に難しいと感じています。(正直めちゃくちゃ苦手です…)
最近その中でも「なぜ出来ていないのか」が整理できてきたので自身の学びのためにもまとめていこうと思います。組織開発、チームの支援などを担当している人事の方の参考になればと思います。
組織開発をするにあたって、やるべきことをシンプルに書くと
1:理想を設定して
2:理想と現状に差がある部分に効果のありそうな打ち手を打つ
3:打ち手によって変化した現状と理想を比較して次の打ち手を考える。
2と3を繰り返しつつ、たまに1を更新する
形になるかと思います。
自分もこの仕事の型自体は理解していたつもりですが、実際の仕事では行き当たりばったりで進めているような形でした。
最近どこが悪いのか?が少しずつわかってきました。
1:理想を設定して←設定している理想が曖昧
2:理想と現状に差がある部分に効果のありそうな打ち手を打つ
←理想が曖昧なので選択する打ち手の根拠が曖昧
自分の中では「設定している理想が曖昧」というのが最も優先的に解決すべき課題と考えました。
今の自分の状態と、それをどのように改善しようと考えているか、記載して行きます。
設定している理想が遠すぎる
「いい組織/チームにする」これは組織開発を担当している方が掲げるゴールとして共通かと思います。理想の方角として間違っていることはないはずです。
ただ、この状態では現状との差が導き出しづらく、次の打ち手を判断するには根拠が不足している状態です。いわゆる「解像が粗い(or低い)」と言われるような状態でした。
ではなぜ解像度が粗いゴールしか掲げられていなかったか?考えてみました。そこで一つ浮かんでいるポイントは
「見通し可能な近いゴールを設定する」というものです。
理想の状態が遠いので、イメージできないことが多区なります。
ただ、今の状況から1ヶ月後にどうなっていたら良いか?であれば見通しが立つ部分が多くなります。1ヶ月でチームはそこまで多くの変化はできないので、ポイントも絞れてきます。
近いゴールを設定して進めると、変化が小さいのでチームの変化の道のり、自身の活動の振り返りがしづらくなります。そのため、例えばですが3ヶ月ごとの中期ゴール、1ヶ月ごとの見通し可能なゴールをそれぞれ設定して定められた期間ごとに更新する、という形を取るのが良いと考えます。
(まさに経営計画などはこのように立てて進んで行きますよね。)
次のポイントはゴールの立て方です。ゴール設定がうまくいかないとき、自分は「ゴールを設定するための不明、情報が不足している」状態だと気づきました。
対象チームのミッションは?そのミッションはなぜ掲げられたのか?リーダー含めてメンバーそれぞれが解決したいものは?など、特に支援を開始してすぐなどはこれらの情報がまだ集まっていない状態です。(一方で全ての情報が集まってからスタートする、というのは現実的ではないと考えます。全てとは?また整理している間に状況は変化するので、情報は集めながら支援しながら、という小さな塊で仕事を進めるのが良いと考えます。)
ではどのような情報が集まっていればスタートできるか。それは「情報により判断、行動が分かれるポイント」を考え、そこに必要な情報を集める問いものです。簡単な例を出すと、チームのミッションに対して全員の認識があっているか、一部のメンバーは話として聞いただけなのか。それによってチーム内でディスカッションをするべきかどうかの判断、行動が変わってきます。
このような場合には、チームメンバーへの問いかけや対話によって認識があっているか確認します。
分岐点が理解できれば、ゴールを設定し次の打ち手を決断できるようになります。
まさに今自分が取り組んでいる最中ですが、
・見通し可能な近さのゴールを設定し
・判断・行動が分かれるポイントの情報を収集して行動する
ことで少しずつゴールに近づくような打ち手が生み出せると考えて進んでおります。
同じような業務をしている方の参考になれば幸いです。
(また、他に意識されているポイントがあればぜひ伺いたいです!)