納得のいく京都旅行を探し求めて Part1
年度末、繁忙期のこの時期。
仕事の忙しさだけでなく、自身の気持ちもなんだか落ち着かない。
うーーん…なんとかしなくては…
と思い、同時に有給がたんまり余ってることに気が付く。
あー…今年も何日か無駄にしてしまうのか…とモヤモヤ思いながら、最後の最後に自分のために使おうと思い至った。
でも、なにしようか…と、またモヤモヤして思いついた。
そうだ!京都へ行こう!!!
というのも、実はひとり京都旅をしたいとは少し前から思っていた。
社会人になってから3年、京都の魅力に気付き、計4回京都旅をした。
恋人(元カレも含めて)と2回、友達と1回、家族と1回。
この数回の旅行、毎回楽しいんだけど、同時に毎回思う、、、京都旅ってむずかしい!
行きたいとこを十分に回れなかったり、ギチギチに予定詰め込みすぎて疲れてしまったり、予約の壁や駐車場の壁に阻まれて京都難民になってしまったり…
でも、これって誰かと行くからそう思うのか?とふと思って、自分で一度好きに京都を回ってみようと考えついた。
というわけで、ぷらっとこだまのチケットをとり、有給でひとり京都行ってきました!!!
帰りはあえて鈍行電車で節約をしながら、ゆっくりとこの京都旅レポを書いている。
ちなみに、京都に行く時は完全に公共交通機関派だ。
まだ朝の肌寒さを感じる時間に京都駅へ到着。
そのまま、地下鉄に乗り東山駅へ。
この旅で唯一予約をしたお店で、ブランチを食べる。
「Lignum」は、雑誌で見つけたお店。
鉄ヲタでよく京都に訪れる先輩が "京都はパンの街だ" と教えてくれた。
聞けばパンの消費量が日本一だと言う。
そんな街でおいしいパンをブランチに…と思って必死に調べた。
もうこれが素晴らしかった!!!!
カリッとトーストされたカンパーニュにアボカドの濃厚さがマッチしてる。
これにポーチドエッグを割って、半熟トロトロの黄身と合わせると言うまでもない…美味い…
ケールのサラダは濃厚なオープンサンドとバランスとるみたいに酸味が強めのドレッシングですっきりした味。
和えられたベリーとクルミもアクセントとなって美味しかった。
そして、店内の雰囲気も素敵。
静かすぎず、うるさすぎず…おひとりさまの私もリラックスできるいい空間でした😌
シンプルだけど、よいブランチだったな…
腹ごしらえの後は、今回の旅のメインのひとつ、京セラ美術館で開催中の村上隆さんの展覧会へ。
半年以上も行う、大規模な展覧会。「カーサブルータス」で、でっかく特集組まれてたので、存在は知っていたのだが、行くか否か直前まで悩んでいた。
というのも、私は現代美術に苦手意識がある…
歴史好きの父と絵を描くのが好きな母に連れられて子供の頃からよく美術館に行っていたのだが、いつもふたりが口を揃えて言う言葉が「現代美術はわからん…」だった。
そんなこんなで現代美術を避けてきた人生。
こんなにわかが行って楽しめるものなのか?となんとなく腰がひけていたが、偶然予約したお店が京セラ美術館の徒歩圏内。
なんだか行かなくては損をするぞと言われてるみたいで、訪れることにした。
結論から言うと、めちゃくちゃ楽しめた!!!
展覧に入場すると、いきなり巨大な大作、村上版の「洛中洛外図」が登場する。
洛中洛外図屏風をAIで線画にして読み取って、それを人の手で再度描きながら、彼のキャラクターや金箔の空にはドクロを散りばめた、今回の展示のための描き下ろし。
今回の展覧会で驚いたのは、描き下ろし作品の多さ。
洛中洛外図をはじめ、神獣を四方に配置した彼なりの平安京を表現した展示室、金箔を背景に使い彼のキャラクター達を贅沢に配置した作品等々…
京都での個展の描き下ろしということで、京都がルーツの作品が多いなと感じる。
京都らしさと彼のポップな芸術が重なった作品は絶妙にマッチして、目を惹きつける。
そんな作品を見ながら日本の芸術についての持論を思う。
それは以前の家族旅行で、京セラ美術館のお隣、京都国立近代美術館で「京都画壇の青春―栖鳳、松園につづく新世代たち」を鑑賞した時に思ったこと。
日本の近代美術って正直ピンとこない。
それもそのはず、近代ってまあまあ美術の低迷期だったとのこと。
江戸時代が終わり、海外の文化が日本に入るようになって、浮世絵のような絵が一般的だった日本の美術界の人達は西洋画に憧れを抱く。
そんな美術家たちは、これまでの日本画の概念を覆そうと西洋画のような絵を描こうとする。
でも、これがなんともチープでイマイチ…
西洋画のような立体感や細かな陰影の表現が乏しく感じる。
というのも、まだ西洋画の材料が手に入らなかった時代。
彼らは日本画の画材で西洋の世界観を表現しようとしたため、西洋画の画法をすべて表現するにはどうしても限界があった。
時が経ち、西洋の地へ直接赴ける旅行技術ができ、憧れの西洋美術を直接体験した彼らは、その限界を身をもって感じてしまう。
でも、彼らは限界を見つけたとともに日本画の画材の独自性にも可能性を見出す。
そうして、彼らは日本画のよいところを残しながら、西洋画の鮮やかな色使いをも取り入れた新しい作品作りに取り組む。
こうした日本の近代美術を時代ごとに追った展覧会。
ポスターになっていた土田麦僊の「舞妓林泉」はこの美術の流れを象徴する作品。
見返り美人図のような日本画らしい舞妓さんの絵の背景は色鮮やかに彩られている。
日本っていいとこがたくさんあるのに、どうしても西欧に憧れてダサいことしちゃう。
これが私の日本の芸術への持論。
絵だけじゃなく、音楽でも感じる。
王道J-popは洋楽に憧れ変わっていき、ポップなアイドルソング達はK-POPぽさが増していき…
決してそれが悪いわけじゃないんだけど、日本にもいいものが既にあるんだからそれを極めればいいのになって思う時もしばしば…
あと、模倣したものはやっぱりどうがんばっても所詮二番煎じになってしまう気がする。
話がだいぶ逸れてしまったのだけど、今回の村上隆展でも欧米を中心に活動する彼が欧風の美術との向き合う時の葛藤について言及されていた。
彼は日本のアニメ文化、キャラクター文化をすごく大事にしている。
彼なりの洛中洛外図を見ていると、線がはっきり描かれるアニメや漫画の作画は、浮世絵などの日本画に通じるものがある気がしてくる。
撮影可能な展覧会では、若い人も多く「かわいい〜」という言葉が幾度か聞こえた。
はじめはなんだか違和感が強かったのだけど、これが彼が作り出してる日本美術の魅力なのかもしれないと思った。
魅力あふれる展覧会だった。
意外と長くなってしまったので、2作に分けます😣
忘れないうちに書き留めたいな…