私の人生の本気 高校時代 後編
前回の続きです。
※前の記事:私の人生の本気 高校時代 前編
⑤(chan史上)最悪の初デート
さて、そんな形で天文部に寄り付かなくなった私は、タケノウチ氏と一緒に下校したりして高校生らしい交際をはじめていました。お付き合いが始まって1ヶ月、「どこかデートに行きたいね!」というタケノウチ氏の提案で、週末に初デートに行くことになりました。これが彼女と行く初デートとは思えない形のものでした。
前日、楽しみだな〜ワクワク!としていたはずの私は、デート当日、まさかの寝坊で遅刻しました。私、本当に最低。
最低の滑り出しの中、タケノウチ氏との初デートが始まりました。しかし、デートだというのに、手を繋ごうとしません。私が。そうなのです。このタイミングまで手を繋いだことがなかったのです。
どんだけウブやねん!と言われそうですが、責めるのを待ってください。私、今もそうなのですが、手汗が酷いんです。彼女を嫌な気持ちにさせたくない、その一心で手を繋がなかったのです。この手汗は、今後私を長いこと苦しめることになります。
付き合っているのに、手を繋がない。そんな状況に業を煮やしたのか、タケノウチ氏が急に私の手を握ってきたのです。私は焦って手から余計に汗が出ます。これはヤバイ…即座に手を振り払うのもヤバイ…とりあえず事情を説明してから…
私<
ごめん!私、手汗が酷くて苦笑(手をパッと離す)
タケノウチ氏<
いいの!気にしないで!(手をパッと握ってくる)
確かに汗かいてるねw でも私も汗かいてるから大丈夫だよw
なんていい子なんだ。そうだ、この子と結婚しよう。そう勝手に決意しました。しかし、こんなにもいい子だったタケノウチ氏に対して、まだ私は酷いことをしてしまうのです。
そう、今日は映画デート。ぶっちゃけてしまうと、私は全然映画に興味がありません。何を見るのかも決めてません。当然タケノウチ氏頼りです。しかし、映画デートを提案してくれたタイミングで見たい映画があったと言っていましたので、当日は安心でした。
……こうやって駄文を書きながら思い出そうとしていたのですが、本当にごめんなさい。初デートで見た映画を、一切思い出せません。確か洋画だった気がします。どうしてこう私はダメなんでしょうorz
なぜ初デートで見た映画を思い出せないかって?そんなの、
私が映画中に寝てしまったからに決まってるじゃないですか。
……もう私を殺してください。
タケノウチ氏<
chan、寝てたでしょwww
私<
ごめん…ちょっと寝ちゃったorz
タケノウチ氏<
仕方ないなぁ〜。今日は許そうw
初日のデートで寝ても許してくれる、そんな天使がタケノウチ氏でした。ほんまになんで私のことを好きになってくれたんやろ……私の記憶にあるのは、スキニーパンツを履いていて、制服とは違う装いのタケノウチ氏に見とれないようにするのに精一杯な1日だったと記憶しています。(「可愛いね」とかそういうのも恥ずかしくて言えませんでしたが。)
⑥(chan史上最もすごいと思う)伝説のデート
お付き合いしはじめてから1年が経とうとしていた時。ディズニーシーにデートに行くことになりました!やったね!結果的にめちゃくちゃ楽しかったんですが、この日の私の奇行は目に余るものがありまして。紹介したいと思います。
まず、これまでのデートで私は寝坊を何度かしていました(最低)。朝に弱い私は、とにかく起きれません。ましてやディズニーシーなど、普段デートで行っている場所よりも遠い。寝坊が死亡に直結する愚行であることは、当時の私でも理解できました。
さてどうしましょう。このとき私が取った方法は「寝ない」。
起きれないなら、寝なきゃいい。デート当日の体力を考えることなく、即決しました。
次に、私は方向音痴としても有名です。←どこで
一般的に間に合う時間に出ていたら、一つ道を間違えば遅刻。
さてどうしましょう。この時私がとった方法は「始発で行く」。
早朝4:00頃、ありったけの貯金をひっさげ、家族の誰にも言わずに家を出発。あとは電車で寝なければいいだけです。
当時のガラケーに入ってたゲームに集中して眠気をごまかし、乗り継ぎを間違えないよう、事前に準備した乗り継ぎ経路と地図を見ながら慎重に目的の舞浜駅に向かいました(当時はGoogleMapとかありませんからね。方向音痴としては命がけです)。
舞浜駅に着いたのは6:00過ぎ。約束した集合時間は8:00。やったぜ。楽勝。ですが、この時10月初旬。少し寒くなってきた頃合いでした。高校一年生、それまでお洒落などに無頓着だった私、急ごしらえで揃えた洋服は全て薄めの装いだったので、かなり寒かった記憶があります。
寒さしのぎは(たしか)ドトールに入ってホットティ飲んで対応しました。しかし、ここでハプニングが。電車中、携帯ゲームをずっとやっていたので、携帯電話の充電がピンチに。このままだと、彼女と連絡が取れなくなってしまう!!!それはまずい。合流できん。
と言うことで予定外の出費でしたが、コンビニで携帯充電器(単三電池のやつだった気がする)を購入して対応しました。余分にお金を持ってきといて良かった…あとは待ち時間までぼーっとしていれば…と思ったら、
タケノウチ氏<
ごめ〜ん!電車乗り間違えたから遅刻する〜!
タケノウチよ、なんて可愛いんだ……なんて思っていた当時の自分はおそらく超が付くドMです。そんなこんなで待ち合わせ時間から遅れること1時間弱でタケノウチ氏が到着。ようやくデートだ!とほっとしたのも束の間。
タケノウチ氏<
センターオブジアース乗りたい!
センターオブジアースってなんだ??アトラクションなのはわかるんですが、全然調べてきてない&基本的に彼女に任せよう!という雑な精神の元、当日を迎えたので、園内について何も知りませんでした。
彼女に手を引かれ、目的のアトラクションに向かいます。それにしても寒い。もう一枚何か着てくるんだった!と、高校生なりのお洒落に対する後悔をしつつアトラクションに到着。
タケノウチ氏<
chan、絶叫系大丈夫?
私<
……大丈夫だよw
全然大丈夫じゃないです。昔から絶叫系に乗る意味が理解できないタイプの人間です。だって死ぬかもしれないんですよ?落ちる感覚、あれ、ほぼ死じゃないですか。これで死ぬくらいなら、タケノウチ氏に告白された時に幸せを感じながら死んだ方が良かった。
というのは今の気持ちで、当時の私は「イケる!」と思っていました。乗る前までは。そもそも彼女が楽しみにしているのに、怖いから無理なんてダサいし、無粋です。
タケノウチ氏<
一瞬だけ、穴が空いてるところがあって、そこから見える景色がめちゃくちゃ綺麗なんだよ!
へ〜。景色を見るくらい余裕はあるアトラクションなのか。可愛いもんだ。とりあえず乗ってみよう。ディズニー系特有の待ち時間はおしゃべりしながら楽しく待っていました。
いざ順番が来て搭乗。
センターオブジアース、あれって最初の方はなんてことないんですよね。全然絶叫系ではない感じ。そこから急にくるあの感じ。もう乗りたくないです。しかも、穴が空いてるところって落ちるところじゃないか。あんなもの景色見る余裕なんてあるわけないやろ。
ちなみに私がどれくらい絶叫系が苦手なのかは妻によると、ビッグサンダーマウンテンで気絶するくらいのレベルです。とにかくこの日は朝(厳密には前日の夜から)気合を入れていたので気絶はしませんでしたが、顔色が悪かったようです。
タケノウチ氏<
大丈夫?気分悪い?
私<
大丈夫。とりあえずトイレ行ってきていい?
なんとか気絶せずに生きながらえた私は、ここからは別のものと戦わなくてはいけなくなりました。冷えから来る尿意です。思えばこの日はめちゃくちゃトイレが近かった。彼女にも「楽しくないのかな?」と思わせてしまったことでしょう。本当にごめんなさい。めちゃくちゃ楽しかったです。
トイレ行ってたら1日が終わってたというくらいディズニーシーのトイレに行っていた私にとって、この1日彼女の楽しんでいる姿を見るのが最高に幸せでした。相変わらずめちゃくちゃ可愛かったなぁ。制服姿だけでなく、私服姿もまた至福。楽しい時間は一瞬で通り過ぎます。もう20:00頃です。
タケノウチ氏<
今の時間なら、センターオブジアース、あんまり並ばずに乗れる!行こう!夜の景色もすごい綺麗なんだよ!
だからあんな景色、見る余裕なんてあるわけないやろ。この時間は、花火を見るためにアトラクションに並ぶお客さんが減るようです。ええ、もちろん乗りましたとも。あの絶叫系が苦手で有名なchanが1日に2回も乗りました。楽しかったし、頑張ったなぁ。高校生のchan。
(……タワーオブテラーはって?あれは流石に無理です。絶対死にます。)
⑦私の軽率な行為からの罪悪感と謝罪
私にとって後に伝説となったデートも終わり、代わり映えのない日常に戻りました。そんな日常も束の間、高校最大のイベントである修学旅行が近づいてきました!もちろん自由行動は彼女と…
なんてしませんでした。いや、正確に言うと、できませんでした。
ここでも懺悔。タケノウチ氏は友達と行動し、私も友達と行動していましたが、お店でばったり会って。普通だったらそこから抜け出したりするじゃないですか。でもね、できなかったんです。友達にどんな感じで見られるのかを気にしたら、彼女の方に近寄っていくこともできませんでした。
そしてその時、私は私の友人、アオキくん(仮名)、イナオくん(仮名)、カトウくん(仮名)の恋愛を応援する(イジる)ことに熱心で、私の彼女に対して蔑ろな態度をしていたと自覚しています。(修学旅行は、もっと自分のために楽しんだ方がいいですよ。諸君。)
その修学旅行中は、自分の立場(彼女持ち)をいいことに、私の友人の恋愛応援ばかりしていました。そのとき特に熱心だったのは、カトウくんの応援。その修学旅行中にいろいろなカトウくんの意中の人、シバタさん(仮名)にアプローチを仕掛け、ダブルデートの約束をしました。
メンツは、カトウくん、シバタさん、私、サトウさん(仮名)。
え、待って。タケノウチ氏じゃないの?そうなんです、違うんです。
この時の私の心境は「私には正式な彼女がいるんだから、今回行くのはデートではなく、カトウくんの同伴」という意味のわからないもので、これまたタケノウチ氏を蔑ろにした行動をしてしまいました。
実際にこのメンツで行ったんですよ。ダブルデート。
しかも時期が確かクリスマス周り。ほんまに最低よね、私orz
楽しかったんだけど、途中から猛烈な罪悪感に苛まれました。自業自得。
しかもしかもこのダブルデート、どこに行ったかってディズニーシー。マジかよ。前にきたよ、本命彼女と。ちょっと覚えてたよ。罪悪感に苛まれながら、何かタケノウチ氏にプレゼントでもと思い、探し回りました。
結果的に選んだのは5周年の万華鏡。なんでやねんって感じですが苦笑
この時期の私ってプレゼント考えるときに、自分の意思が少しでも反映できるものを選んでたんですよね。初めての誕生日プレゼントは、オリジナル絵本(キモ)。
で、ディズニーシー5周年の万華鏡は、パーツを自分で組み合わせて作り上げるもので、当時の私にとってはボチボチな値段しました。当時のタケノウチ氏が好きだった色は紫。でも何を良いと思ってくれるのかわからん……
持ってきていた貯金を注ぎ込み、3種類のカスタマイズをして合計3つも買ってやりましたとも。ええ。これできっと大丈夫。その場でめちゃくちゃ悩んで選びましたから(たぶん1時間くらい粘ってた)。
後日、ダブルデートをしてしまったことの謝罪にタケノウチ氏の元に行きました。もちろん怒っていました。修学旅行でワイワイ盛り上がっていた話ですから、当然彼女の耳にも入っていたわけです。
私<
本当にすみませんでした…
タケノウチ氏<
何が悪いのかわかってる?
もちろんわかってます。というより、悪いことが多すぎてもうなんて謝ったのか覚えてません。この謝罪の場には、なぜかノザキ氏とモトハシ氏(仮名)がいて詰問された気がします。謝り倒すしかありませんでした。
その場で許されることは無理だと悟った私は、誠心誠意謝ったあと、買ってきた万華鏡を渡しました。しかし、相手は3人います。本当はタケノウチ氏に選んでもらうつもりだっだんですが、3つともその場で渡して、「みんなで選んで決めて」という雑な受け渡しになってしまいました。
⑧受験戦争参戦に伴い、恋愛は一時休戦
直接謝って、電話で謝って、メールで謝って、できる限りの謝罪をして許してもらうことができた私は、普通の日常に戻り、また一緒に下校したりして愛を深めていました。しかし、そんな我々にも「受験シーズン」が迫ってきていました。
ある日の帰り、駅から少し離れた場所にあったロッテリアに入って受験などについて話していました。この時私は、進路についてほとんど真剣に考えることなく、適当にやっていればなんとかなると思っていましたが、タケノウチ氏はどうだったのでしょう。いろいろ悩んでいたんだと思います。
受験という気が重くなる話をしていると、急にタケノウチ氏の気分が悪くなっていきました。飲みかけの飲み物を片手に「出よ」と、店を後にしました。
タケノウチ氏<
タバコ、無理なの……あ〜気持ち悪い。
私<
喫煙席近かったしね。気が利かなくてごめん。
その日を最後に、タケノウチ氏とのお付き合いは落ち着いたものに。休日にデートには行かず、路線も違い、通っていた予備校も違い、ただ一緒に下校し、夜に電話をするというものになりました。
でもこの期間、直接会うよりは緊張せずに話すことができて、電話越しに聞く彼女の声に癒されていました。BUMP OF CHICKENとRADWINPSが好きだったタケノウチ氏。会話の途中に流れる彼女の鼻歌が、本当に優しくて美しかったです。
私たちは、とりあえず勉強に集中することにしました。自宅が近かったりすれば、もう少し一緒に勉強したりもできたのかなぁ。
受験シーズン、私は良いスタートを切れました。しかし、これで調子に乗って、その後あまり成績を伸ばすことができず、希望の大学に進学することはできませんでした。どこまでいっても中途半端な私です。
⑨最後の下校とお別れ
私もタケノウチ氏も、とりあえず無事に大学に合格して、春からは大学生に。ようやく肩の荷が下りた頃、残る通学は卒業式の日のみ。私は家でダラダラして過ごしていました(滑り止めの大学にしか合格できなかったので、勝手に拗ねていました)。
タケノウチ氏は、自身の合格を担任の先生や、お世話になった先生に報告しに高校に行っていたようです。ある日の帰りに、タケノウチ氏から連絡がありました。
タケノウチ氏<
少し一緒に歩かない?
私<
いいよ。駅前で待ち合わせでいい?
普段は自転車で出るところですが、その日は雨が降っていました。私は電車に乗って待ち合わせの駅に向かいました。駅につくと、まだかまだかとキョロキョロしてしまいます。久しぶりにタケノウチ氏に会うのです。
タケノウチ氏<
どうしたの?挙動不審だよw
くそう。可愛いな。と思うと同時に、この子と離れ離れになってしまうんだなぁと、この時すごく寂しくなった記憶があります。
タケノウチ氏<
とりあえずお寺の方に行こう。
通っていた高校の近くに大きなお寺があったので、そっちに向かいました。参道を通り、公園を歩きます。ですが、あまり会話の記憶がありません。「大学受かった」「よかったね」「大学入ったら何する?」とかそういう何気ない話をしていたような気がします。
傘をさしながらも、手を繋いで歩いて。こんな関係は大学に入っても続くんだ。いや、続けるんだ。と本気で思っていました。しかし、どれだけ話しても、一緒にいても気が晴れませんでした。
この日を最後に、タケノウチ氏とは会っていません。
一度、大学入学後に遊びに行こうと約束していましたが、私の予定が合わずキャンセルして、それから1ヶ月程あとに私は電話でフラれてしまいました。
ここまで読んでお気づきかとは思いますが(というより、ここまで読んでる人いるんですかね?)、そりゃフラれるでしょ!って思います苦笑
自分で書いてて、改めて読んでみると、タケノウチ氏に何も彼氏らしいことしてない……
連絡先はフラれた直後に削除しました。何度も葛藤しましたが、連絡先を残しておけば、必ず私は彼女に連絡してしまう。縋り付こうとしてしまう。そんなことで彼女に迷惑をかけたくない、と思い、断固たる決意を持って、彼女の全ての連絡先を消しました。
正直に申し上げると、約3年もお付き合いをしておいて、キスさえできませんでした。これについては弁解の余地なしです。とにかく、私が意気地なしでした。3年間ずっと。
タケノウチ氏のことを大切に思っていたのは嘘偽りなく、私の本心です。そして交際期間中は、当時の自分なりに大事にしていたつもりです。しかし、結局は自分の恥ずかしさが上回って、結局何も恋人らしいことができませんでした。冒頭で述べた懺悔、誰に最も捧げたいかというと、もちろんタケノウチ氏です。
タケノウチ氏、本当にごめんなさい。今更謝っても仕方ないけど、私がもっと恋人らしくできたら、勇気を持ってあなたと接することができたら、と、後悔してもしきれません。
あなたと同じ時間を過ごしたことは、忘れられない私の青春でした。そして、私なりにいろんなことを学ぶことができました。本当にありがとうございました。すでに私も結婚し、あなたも既にご結婚されていると風の噂で聞きました。
今後、あなたとお会いすることはないと思います。ですが、もしお会いする機会があったら、私もその時は笑って昔話ができるくらいの大人になっていることでしょう。その時は一緒にお酒を酌み交わして笑ってくださいね。
私は今、とても幸せです。
おこがましいかもしれませんが、あなたも幸せになってくれていたら嬉しいです。あなたとあなたの家族の幸せと健康を心から祈っています。
ここまで書いたものは、私のフラッシュバルブ記憶によるものです。
ですが、鮮明に覚えている記憶にも欠陥があります。
ここに書いた話の中にも、事実と異なることがあるでしょう。
そこのところはご了承ください。
とは言え、久しぶりに自分のアオハルを思い出して、なんとも言えない塩っぱい気持ちになりました。書いてて楽しかったです。
ここまで読んで下さったみなさま、ありがとうございました。
そして、恋愛ゲーム『アマガミ』と有名Youtuberさん、良いきっかけを与えてくれてありがとうございました。