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関東炊きを思い出す日
寒い1日だった。今日は母の命日だ。
心不全で突然のことだった。お葬式が済んで皆さんが帰られた後、キッチンの隅っこに『関東炊き』の入ったお鍋を見つけた。亡くなる前に母が仕込んだものだった。
『関東炊き(かんとだき)』 は『おでん』のことだ。関西ではおでんの事を何故かこう呼ぶ。
お鍋を温めて父と妹と3人で食べた。何とも言えない感情が沸き上がりつつ全部食べた。料理上手な母の最後の手料理は本当に美味しかった。
今日という日を迎えると3人で号泣しながら食べた母が作った最後の手料理『関東炊き』を思い出しながら……そして、私も作る。
お出汁の良い匂いの中で手を合わせて、笑顔でいただきます。