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デイケアデビュー(大失敗編)

海外での子育ては、自分が育った日本での事情とも様子が異なり、親として日々模索、日々成長。
たろうが2歳になるまでは、赤ちゃんを育てているという感覚だったけれど、特にじろうが生まれてからは、人間を育てているという感覚に変わった。

だんなが育ったアメリカは、産休・育休は日本ほどにしっかりしていない。身内や友人も、母親でさえ、病気休暇を使ったり、産後6週間くらいで仕事にすぐに復帰している。(男性の育休取得については、日本よりも進んでいるイメージだけれど。)
実際に私たち夫婦が育った環境もまるで異なる。もちろん三十数年前の話だけれど、義母は産後すぐに仕事復帰する必要があったので、家計のことも考えて、教師で夏休みの長い義父が育休を取得し、その後だんなはすぐにデイケアに出されたという。
他方で、私の母は、結婚出産を機に仕事を辞めて専業主婦をしていたので、保育園も3歳からいくというのが当然の環境だった。

私たちはといえば、ありがたいことに、ナニーさんに来てもらっていたので、自宅で子どもを見てもらうこともできたのだけれど、他方で2歳にもなると、社会性を身につけたりしなくてはいいのだろうか?と考えるようになった。弟もでき、ナニーさんもたろうばかりにかまっていられない。保育園という選択肢を考えるようになった。
この点、日本の保活事情を聞くと、自分たちの意志で保育園に通わせさせることができる環境は、本当に恵まれているなと感じる。


前置きはさておき、本当の本当のデイケアデビューはカーボベルデだった。色々と考えるよりも、思ったら行動。ということで、突っ走ってみたら、子育て歴の中でここ一番の大失敗。これは、いまだに私の育児トラウマ

最初に選んだのは、家から車で送り迎えが必要な(と言っても5分くらいなのだが)設備がしっかりとしていて、先生も英語が少し話せるデイケア。元々、人見知りもそれほどしないし、物おじもしないたろうだったので、サクッと保育園に行ってくれるだろうと思いきや、全くそんなことはなく。毎日ギャン泣き。
保育園に通わせるのだから、先生を信頼しなくてはならないのだけれど、これだけ泣かれるとなかなか母親として後ろ髪をひかれまくり、なかなか苦痛で仕方がない。
また、ロジスティックの面でも、だんなが通勤に車を使う必要があるため、うまくいかず。
5日ほど行ったらすぐに休暇に入るという絶妙なタイミングで入れてしまったこともあり、休暇に入ったまま戻らず、早々断念。
それでも懲りず、家からたろうと歩いていける第二候補だったデイケアに入れてみたのだけれど、今度は先生が子どもの手を叩いたという話を聞いてしまい、だんな氏が拒否権を行使。
悲しいけれど、30−40年前の感覚が通用してしまったりすることがあり、こういった出来事に出くわすと、発展途上国にいるのだということを実感したりする。
それも当たり前。この国では、両親が揃っていることは珍しい。兄弟がたくさんいても、お父さんが違うことはよくあるし、結婚という文化がそれほど浸透していない。デイケアはあくまで、お母さんが働くために子どもを預ける場所なのだ。

実験につきあわせてしまったたろうにはとても悪いことをしたのだけれど、ここで初めて、夫婦でしっかりと育児方針・教育方針というものを話し合うことができた。
社会性がついたらいいな〜という単純で甘い考えは捨てて、そもそもなんのためにデイケアに送りたいのだろうかということを考えた。
私たちは、子どもたちにどんな経験をしてもらいたいと思っているのだろうか。どんな人間に育ってもらいたいと思っているのだろうか。
そんなこと、親の願いであり、エゴでしかないので、押し付けがましいことをする気はさらさらないのだけれど、他方で子どもたちはまだまだ親が環境を整えてあげなくてはならない歳。
ましてや、親の都合で数年に一度居場所を転々とするわけで、兄弟を作ってあげることはできたかもしれないけれど、残念ながら「幼馴染」を作ってあげることはできない。

この時に擦り合わせることができた私たちの教育観(というほど大したものではないけれど)は、
(1)子どものうちは子どもらしく。
(2)異動族サークルという特殊な環境に依存しすぎず、できるだけ普通に。その土地の文化と言語を通して成長してもらう。
(3)親が育児にストレスを感じるくらいなら、お金を払ってでもプロに頼む。←これは私のためにだんなが加えた条項。(笑)
の、3点。

この点を踏まえて、カーボベルデにいるうちは、引き続きナニーさんにお願いをし、できるだけプレイデートを増やすことに。その代わり、3歳になる直前にバージニアに引っ越したら、デイケアに通わせてみようということにした。

大失敗から大成功へ。バージニアでのデイケアデビューについて、続きは次回!







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