最果タヒ展

最果タヒ展に行ってきた。大阪開催。本当は昨年京都でやる予定だったのに行きたかったのがコロナの影響でなくなってしまったので残念だったが、大阪でやると聞いて喜んで行った。

最果タヒさんの詩は流れるようだと思っていた。頭の中から言葉がするすると、水の流れのように。でも何となく認識が変わった。確かに文体は流れるようだという認識のままである。しかし、川のように流れるのではなく、頭の中にいるたくさんの言葉たちが跳ねているのを捕まえて繋げていっているようだと感じた。

コンセプトでいいのかな、「詩の体験」まさにその通りだと思った。詩になる前では、たくさんの言葉やフレーズがたくさん吊るされていて、誰も同じ詩を読むことがない、自分の動き方、風で揺れる言葉たち、すべてが同じとなることは二度となく、私がそこで読んだ詩はその時一回だけのもので、もう二度と出会えないものだ。これが体験、読むだけじゃなく感じる、自分で動くことでそこに存在する言葉たちは変わらずとも、私自身が読む言葉は変わってくる、それは能動的でもあるし目に入ってくる言葉は受動的でもあるが、目と頭だけじゃなく、体全体で感じられる「体験」なんだと感じた。

言葉を浴びた、この表現は私にはぴったりだった。一度にこんなにたくさんの言葉を目にする体験なんてそうそうない。それらは私の頭の中には入り切らずたくさんのものが零れ落ちてしまった。だけど会場を後にしたとき、満足感で私はいっぱいだった。コロナ禍の中、とても素敵な体験ができたことに、最果タヒさんはじめ関係者の方に感謝を伝えたい。

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