人生は廻る輪のように
医療従事者では、知らない人はいないのではないだろうか。
エリザベス・キューブラー・ロスのことを。
国家試験で死を受容する段階について、必死で覚えたことだろう。
これまで恥ずかしながら真剣に著書を読んだことがなかった。
しかし、両親の死や、自分自身が生きるとはどういうことなんだろうと考えていたとき、ちょうど知り合いがFBで紹介していたのがこの本だった。
読みだすのが実は怖かった。色々な感情が惹起されるのが分かっていたから。
しばらく積読していたが、意を決して最近読み始めた。
実はまだ読み始めて半分だが、今の時点での私の感想を書き留めたいと思った。
前半は本人の生い立ちやキューブラー・ロスが医師になる前に第二次世界大戦後の義勇軍での活動で出会った様々な人々との出来事が書かれている。
その中で特に印象的なのがポーランドのとある村の人々の、劣悪な環境下でも決して絶望せず、生きることを諦めない姿勢だった。
『回復率を高くしているものは生への強い決意だけだと思わざるを得ないことが何度もあった。人間存在の本質、生きとし生けるものの本質はただ生きること、生存することにあるのだと気づいた』
また、キューブラー・ロスが終末期にある父親を病院の反対を押し切って自宅で看取るところは、自然と私自身に重ね合わせていた。
『父は死ぬまで全力で生きた』
と父について締めくくっているが、まさにこの一言に尽きる。
私も自分の父親に対して、同様に感じていた。
ALSを患いながらも、全力で生き、自宅近くの道端で眠るように亡くなっていた父。
誰にも看取られず、可哀そうだと哀れみ、傍にいてやれなかったことを悔やんでいた。その気持ちは今も変わらない。
でも、きっと父は全力で生きて、死んでいったのだ。
私たちはすぐ「生きる意味」について考えたがる。
私は思考がすぐ暴走しがちなので、なおさら。
しかし、「生きる意味」なんて実はなくて、「生きていることそのものがもう全て」なんじゃないか。
意味づけしようとするからややこしくなるのではないか。
そもそも生きる意味とか考える暇もないくらいに、今この瞬間を全力で生きてみようかなって思った。
時々休みながら。。。
まだまだこの本については語りたいことがたくさんあるが、今回はこの辺で。