「実は‘’ズッキューン‘’さんとは仲が悪いんです」でワイキャイするテレビの内輪のノリは、もはや時代錯誤じゃないかい。
3月は‘’去る‘’とは昔からよく言われているが、
こんなに早いと感じる一ヶ月は
ボクの人生を振り返ってもあっただろうか。
いやはやすでに20日も経過してしまった。
時の流れのあまりの早さに背筋が凍る思いである。
実は3月に入ってから、
ボクは一度も出社していない。
‘’濃厚接触者‘’
なんだかこうやって文字にしてしまうとボクの想像力はあらぬ方向に刺激され、このワードに隠されたディープな感じのエロティックなものが頭を占拠してしまうが、
実態はそんな楽しそうなものとは真逆で、
このワードのレッテルを貼られたボクは想像を絶するほどの試練を与えられた。
もはや世界一有名なウイルスくん。
末っ子の身体に2月末に突撃侵入してから少しだけ居座ったかと思うと、待機終了となるその日に、なんと長女へ引っ越し作業を完了させる離れ業をやってのけたのだ。
まさに我が家全員、
保育園からも、会社からも、社会からも遮断され、こうしておよそ20日間も四方八方塞がりの監禁状態となってしまった。
最初は
「これは在宅勤務を確立する良いチャンスだ!こんな逆境を乗り越えてこそイノベーションは生まれるんや!」
などとイキっていたが、どうも家の中での生活を続けていても闘志が全く湧いてこない。
開始して3日で抜け殻のようになってしまった。
勤務形態としては
‘’在宅勤務‘’
しかし営業部門であるボクはZOOMを駆使しながらも、やはり対面で進めていかなければどうにもならないものがある。
外出を禁止されると、いつもの仕事量は半減どころか体感的には7割減。
一日の大半が見積書への電子印押しと、無駄話がしづらいZOOM会議への参加、たまにかかってくる上司、部下、クライアントとの電話。
外出を基本としていたボクは、
もはやこの強制的に自由を奪われている感覚に疲れ果て、発散できずに行き場の失ったストレスは悪影響を及ぼすほどに身体中に蔓延してしまったのだ。
スマホを眺める時間が激増した
みなさんも想像してみてほしい。
3連休や5連休ではない。
19日間の監禁状態である。
ヒトは刺激が減ると、自分の内側から無理やりに刺激を作り出そうとする。
「懐かしいな。あの頃は楽しかったな」
要するに‘’昔のことをやたらと思い出そう‘’とするのである。
何気なくfacebookやInstagramを開き、
何の気無しにタイムラインを流し読みし、
誰かの結婚報告と誰かの赤ちゃんの写真と誰かの退職エントリー。
ボケーっと、眺めながらの悲喜こもごも。
おお、そういえばこいつとこいつは、共通の友達だったな。どれどれ。
うはははー。こんな攻めた写真もアップしちゃって。おっほっほっほ〜。
!?
む、むむむ...?
あれれ?
とある美女の画像でスクロールする手が止まった。
これって、河岡やんな。
あれ、こんなにキレイなお姉さんやったっけ?
35歳の同窓会で会ったときよりも激的に若返って、小顔になって、激的にキレイな写真がそこにある。
42歳同級生の近況が、
ボクの記憶とはかけ離れすぎて
違和感だらけの画像だったのだ。
あ〜、加工修正か。
芸能人の公式Instagramをみると
この手の違和感はより顕著である。
歳を重ねた女性が
まるでマウント取り合うかのように披露合戦する‘’すっぴん画像‘’
「寝起きでゴメンナサイなのですが…」
と、一度はハードルを下げておいて、シミもシワもない美しい肌をドアップしてドヤ顔。
「それでもかわいです!」
「羨ましいです!」
のコメントに、
照れて、照れて。
どんだけ照れるねん、ってところで
‘’恥ずかしいけど、素の自分を見てもらいたかったので思いきっちゃいました!‘’
あーあ笑
あひゃひゃひゃひゃ〜
そんな一連の‘’三流の茶番劇‘’を優しい顔して口角を上げてほくそ笑みながら覗き見している自分に、
「あっ、」と、気づいた時、
あ、オレもこんなゴシップネタ好きだったんだと、斜に構えキャラを貫いてきた自分自身に心底ガッカリした42歳の春となった。
「証拠の改ざん、偽造」は、簡単に誰にでもできる時代になった
かつて音声や画像、動画といったデジタル証拠は、実態を投影するものとして、目撃証言や物証に比べても圧倒的なインパクトと説得力を持っていた。
しかし、今やデジタル技術の進歩により、「証拠の改ざん、偽造、修正、切り取り編集」は、簡単に誰にでもできるようになってしまった。
兵庫県明石市長の
「ゴラァァ!火をつけて捕まってこい!燃やしてしまえ!」
という職員に吐いた暴言の録音データが、全国区で公表された2019年の出来事を覚えているだろうか。
ボクは兵庫県民なので
女性政治家の「このハゲー」よりも、
財務省事務次官の「胸さわっていい?」よりも、
インパクトの大きい録音データとして記憶に残っているが、
この市長、その録音データによって火だるまになり、謝罪とともに即座に職を辞すことになった。
しかし神戸のローカル新聞が掲載した
‘’罵声の原因となった詳報‘’によって、
事態は一変した。
市長がカーッとなって罵声を浴びせた原因。
それは、道幅が狭いが故に死亡事故が発生してしまった道路を拡張する工事が、予定よりも大幅に遅延していることに端を発したものであった。
近隣住人に立ち退き交渉をする専属部署を役所内に設置したにも関わらず、その部署の職員が7年経過した当時でも、
なんと家主に立ち退きの金額提示すらしてなかった事実であった。
要は、税金泥棒みたいな怠慢な仕事してる部下にキレたときの音声であり、
‘’火をつけろ‘’なんてのは関西人独特の大袈裟な言い回しかどうかはボクにはわからないが、当然トップの品を疑ってしまう言葉ではある。
しかし、その音声の後半は
「立ち退きしてもらうためには、私が行って土下座でもしますわ」
「市民の安全のためやないか。言いたいのはそれや。そのためにしんどい仕事するんや、役所は」
と、まさに役所の人間の鏡のような発言をしていた部分については全カットして暴言部分だけを切り取って報じる。
こうなると報道側の品性のなさを感じざるをえなかった。
こんなことが横暴する世であるから、
怠慢な仕事をした職員は、最初から会話を録音するつもりでレコーダーを用意し、
短気で怒りっぽいボス(市長)を敢えてイライラさせ、怒りの部分だけをレコーダーに残し、「怒りを誘導した会話部分」はカットして公表する。
こういったことが行われた可能性がゼロだとは、誰にも断言できない。
そうなると、
こんな内部‘’暴露‘’デジタルデータを目にし、耳にした時の第三者は、
「こんな奴、すぐにでも更迭だ!辞任しろ!」
と思うのか、
それとも
「これって組織でガミガミうるさい上司を辞職させようという部下の謀略では?」
と疑うのか、
デジタル証拠は、以前までと違って絶対的な証拠ではなく
ものすごく加工しやすく、印象操作しやすく、騙しやすい証拠だということも頭に入れながら、捉えていく必要がでてくるようになった。
芸能人御用達‘’ブローカー‘’がYou Tubeにて暴露話をぶっ放し中
‘’暴露‘’といえば、芸能界の裏側を「アテンド」してきた、いわゆる‘’ブローカー‘’なる人物がYou Tubeで交遊のあった芸能人のプライベートを大胆に暴露中である。
暴露人は、芸能人に斡旋してきた当人であるためリアリティと情報量ではもはや‘’文春砲‘’の比ではない。
とにかく彼の攻撃力は強すぎる。
めっちゃ強いけれども、
攻撃をするたびに自分のHPを削られていく技のように、
大手芸能事務所や、裏の世界の重鎮からの静止をモノともせずに、顔と本名を堂々と晒して暴露し続け、攻撃し続け、吠え続ける。
される方は、単純に‘’恐怖‘’でしかないだろう。有名であればあるほどに、強ければ強いほどに、ネットを使った制裁は強力になる。
インターネットに、情事を暴露することで、リアルのコミュニティの中でおさまってたものが、無数の見えざる手に殴られることになるのだ。
これに芸能人のゴシップ大好き視聴者は
一気に食いついた。
「実は‘’ズッキューン‘’さんとは仲が悪いんです」
「人気絶頂期の月収は‘’ズッキューン‘’すね」
そこにいる出演者だけが「え~っ!?」とか「すごーい」とか、手を叩いて騒ぎまくるクソにもならない内輪のノリを今まで散々テレビで見せつけられてきた視聴者からしてみれば
彼は‘’簡潔明瞭‘’
当人や事務所から内容に反論があっても、それを跳ねのけるだけの材料があるのだろうし、顔出し本名出しリスクを抱えながらの暴露は、
情報の切り取りではないのだろう、
リアリティ性が高いだろう、
と容易に想像がつくので、情報の信憑性について深く考える必要がない。
もちろん当事者の問題をインターネットに晒して、不特定多数の非難を浴びせる報復行為は決して褒められたことではない。
というか、自分がやられたら死ぬ。
とはいえ、誹謗中傷ではなく事実で反論ができないものであれば、やはり晒されて叩かれるということは、社会のコンセンサスを破っていたということだろうし、
情報を受ける側の観点のみで言うと、
中途半端にズキューンで隠すテレビりも、情報源を‘’某事務所スタッフ‘’と濁す週刊誌記事よりも、
彼の暴露は、はるかにスッキリするものであることには違いない。
情報は、加工しない、偽造しない、隠すなら徹底的に隠す、見せるなら可能な限りすべて見せる
たぶん情報の受け手がスッキリするのはこういうことなんだと思う。
発信者が、何を伝えて、何を伝えるべきではないかというのは、現実的には
「その情報に視聴者のニーズがあるか」
で決まっているし、
よく暴露によって対象者が‘’再起不能‘’になると言われるが、事実のものであれば、それは暴露自体が悪いわけではなく、結局のところそれを読んだ人たちが生む「処罰感情」の集積によって、人を追い詰めているだけである。
そこは間違ってはならない。
だからこそ情報発信者は、正確な情報をできる限り伝える努力は必要だし、
受信者は、やみくもに情報を鵜呑みにするのではなくそれが加工、偽造されてないか、情報元は確かなところか、などを見極める必要があるのだと思う。
てか、長っ。
まだまだ言い足りなくて残尿感あるけど、このへんで終わろせてもらうか笑
………
ああ、しかしネットにどっぷり浸かったな。
今日から我が家は日常に戻った。
濃厚接触者ではない。
ネットのゴシップ世界から抜け出し、リアルの世界を満喫しようっと。
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