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9月11日(月)、雑記

たまに「今日はもうどうしても唐揚げが食べたい」という日が来る。

3、4日前からその欲が続いていて、今日は仕事帰りに業務スーパーの総菜コーナーを覗いた。このスーパーの唐揚げがなかなか美味でハマっているのだが、夕方に行くと売り切れていることも多い。

「今日はまだあるかな、中サイズがあれば嬉しいけど無ければ小でも我慢しよう」と思いつつ売り場に行くと遠目に茶色のパックがたくさん残っているのを見つけた。内心やった、とホクホクしつつ歩みを進めると【特大】と書かれたパックがあることに気付いた。

なんだこれは。初めてお目にかかる。

小、中、大、特大の4種類があって、サイズが大きくなるごとにグラムの単価が下がっていくようだった。でかい方が安いぞ・・・!気付いた瞬間に理性だの何だのは吹き飛び、絶対に食べきれないことは百も承知で特大パックを手にしてしまった。その量なんと1キロ超え。
ひとり暮らしなのにどうするんだろうという考えがちらりと頭をよぎったが、まぁ冷凍しちゃえばどうにでもなるしこれで当分の唐揚げ欲も収まるに違いない、なんてったって安いし、と自分に言い聞かせて帰路に着いた。

予想はしていたが5、6個食べたところで満腹になった。パックにはまだ20個以上の唐揚げが残っていて、もはや数が減ったのかどうかも分からない有り様。しかし先週末の私を思い起こすと「ひとりでケンタッキーのパーティーバーレルを買うのも悪くないな」なんて思いつつデリバリーのサイトを眺めていたところだった。どちらにせよ鶏肉にまみれていたことには違いなさそうだ。

あんたは本当にバカだね、と冷たく言い放ってくれる家族もいないので、背中を丸めながら残った唐揚げを小分けにして冷凍庫に詰めて、ついでに胃薬を落とし込んだ。しばらく唐揚げは見たくない。



先日の土曜日、久しぶりに珈琲豆を買いに出かけた。店頭には隠居したと思っていた先代が立っていて、おや、と思う。私の1組前のお客さんは何袋も珈琲豆を買っていて、5分ほどレジの順番を待った。こういうお店だと自分の番が来なくてものんびり待てるのが不思議だ。

私の番になり「お待たせしました。試飲のコーヒーは温かいのと冷たいの、どっちがいいですか」と聞いてくれる。「うーん…、冷たいので!」と答えると「冷たいのは美味しいですからね」とニコニコしながらカップにコロンと大粒の氷を入れて、それからコーヒーをそそいで手渡してくれた。

いつものフレンチブレンドと、少し迷ってエメラルドマウンテンの豆を買うことにする。
先代が樽から豆を掬って計量し、シーリングする。それから賞味期限のシールをぺたりと貼って、次に豆の銘柄が書かれたシールを別の引き出しから取り出して、またぺたりと貼る。私の頼んだ珈琲豆が丁寧にそれは丁寧にパッケージされていく。愛情にあふれた一連の作業が愛おしい。ここでは時間がゆっくりと流れる。

さすが手慣れてるな、50年以上続くお店はすごいな、と思っていると、先代が「えーと、フレンチブレンドは…いくらだったっけ」と値札を見やったので拍子抜けした。定番のブレンドだから値段は頭に入ってるんじゃないの…?それとも最近値上がりしたんだろうか。お年だから物忘れもあるのかもしれないな…。瞬時に色んな思いを駆け巡らせていると「お店に立つのが久しぶりなので忘れちゃったんですよ」とはにかまれた。

ふふ。つられてこちらも笑ってしまう。私も4月から今の仕事に変わって5か月ちょっと経つが、商品の値段が覚えきれず少しだけ悩んでいたところだった。こんなに長年働く先代もうっかり忘れちゃうんだから仕方ない。なんだか少し勇気をもらえた。それから「グラム540円で間違いないです!」と一緒に値段を確認して、珈琲を買った。



ところで、お店で試飲で出してくれる珈琲が毎回とびきり美味しい。全自動の機械でドリップされた珈琲なのだが、高いマシンだから美味しいのか、機械とはいえプロが淹れるから美味しいのか、そこがいまいち分からない。

同じ豆のハズなのになんであんなに美味しいのか、と小首を傾げつつ帰宅してハンドドリップでアイスコーヒーを淹れてみたら、久しぶりにしてはそこそこ美味しくできた。自宅でもこれくらい美味しく淹れられるなら毎日飲みたいなぁとも思う。

目下の悩みは、まだ開封していないエメラルドマウンテンをホットとアイス、どちらで飲もうかということと、全自動コーヒーメーカーが欲しいということである。幸せな悩みだ。

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