大人はみんな「良い子でありなさい」って言うけれど、
私は子供の頃、両親や親戚や先生、大人の人たちから「"良い子"でありなさい」と教えられた。
人を傷つけるのはいけない事とは分かっていたものの、具体的にどういった人が"良い子"なのかがわからなかったので、そこまで気にしないでいた。
だけど、
自分のしたい事をすると、もっと遠慮しろと怒られた。
自分の思っている事を言うと、もっと周りの意見を優先して聞けと怒られた。
周りの子の言うことを聞いて、自分の思いを押し殺すと「あなたは"良い子"だね」とよく褒められた。
私はそこで初めて"良い子"の意味を学んだ。
それからはもう"良い子"で生きることしか出来なくなってしまった。
しかし、人生そんな甘いものじゃない。
あろうことか自分は"良い子"であるはずなのに、めちゃくちゃ嫌われていくようになった。
私は家の事情で転勤が多かった為、小学校、中学校、高校と全て異なる場所に引っ越ししていたにも関わらず、一貫して周りから言われた言葉がある。
「 あの子は自分の意見がないから嫌い。 」
何度も、何度も、言われた。
治そうと努力したが、どうしたって治せなかった。
自分の思いを口にするのがこれでもかと言う程怖かったし、人と話すのが嫌になって、ついには生きることすらも面倒くさくなっていった。
ある瞬間ふと考えた、
なぜあるがままを口に出すあの子よりも、自分の思いを言わずに我慢して周りの人を優先している"良い子"のはずの私が嫌われるのか。
怒りと悲しみと妬みで心の中がいつもぐちゃぐちゃになっていた。
こうなってしまった自分をかつての大人たちのせいにした。
彼らは反発せずに言うことを聞いてくれる子の方が都合が良い。そういう子を”良い子“と呼び、その”良い子”を増やそうとした。
彼らの都合のせいで私は自分の気持ちにフタをし、意見を押し殺す”良い子”になってしまった。
ただ、今はそれが全てだとは思っていない。自分自身の性格の問題や置かれた環境、それ以外にも原因はあったはずだ。
でも、一度自分の気持ちに固くフタをしてしまうとなかなか開けられなくなる。
もどかしいし、苦しい。
子供の頃の自分と、もし今同じ思いをしている人がいるのであればぜひ伝えたいことがある。
思ったことは何でも全部口に出したらいいとは言わないが、自分の言いたい思いがちゃんとあるのに”良い子”になろうと、無理やり気持ちにフタをしてはいけない。
自分の意見を言わないという意味の“良い子“になってはいけない。
あまりにもきつく締めすぎると後々開けれなくなってしまう。
私がそうであるように。
23歳になった今でもまだ開けることが出来ない。
フタにひびが入る程の強烈な衝撃、”きっかけ”が訪れるのを願っている。
私のように自分の気持ちにフタをしてしまう人がどうか少なくなりますように。
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