私がここにきた理由。
鳩間島にきて、早1ヶ月が経とうとしてる。
正直なところ、家はまだ片付け途中だし、まだ自分がこの島に住みはじめたという実感はない。
だけど、思いのほか八重山を好きな人は周りにいたようで、思いもよらない人が石垣に来てたり、連絡くれたりして、結局、時化のせいで誰ひとり会えてはないけど笑、なんだかんだと嬉しい1週間だった。
東京や埼玉にいる友人と連絡をとっていると、そっちはまんぼうはどうだと聞かれる。え、マンボウって鳩間にいるの?と思っていたら、海の話ではなかった。
鳩間にいると、コロナのことをほとんど忘れる。そもそも密になれる場所がないし、ここ数日間は時化で4日ほど船がこなかったので、ある意味、隔離されていた。
せいちゃんはというと、学校にもすっかり慣れて毎日楽しそうだ。毎週のように行事があるので、鳩間の学校は本当に忙しい。先生たちは授業をこなしながら行事の準備もしたり、きっと大変なんだろうけど、先生たちはいつも楽しそうなので、大人が楽しい学校は素敵だなあと思って眺めている。
今日は初めての家庭訪問もあった。横浜の学校ではまともに家庭訪問されたことがなかったのでドキドキしていたけど、あーだこーだと1時間近く話せてとてもよかった。
先生とせいちゃんの会話を聞きながら、先生はよく見てくれてるんだなあと思って、私がここに来ようと思った理由を改めてよかったと思えた。
彼が生まれてから今までの8年間。わたしはほとんど仕事をしていた。仕事ばかりに自分の時間を費やしてきた。せいちゃんと居た時間なんて、ほんのわずかでしかない。
私はこのままでは、せいちゃんと一生向き合えずに心を通わせられなくなるんじゃないかと思って、ここに来た。
せいちゃんのためというよりは、自分のためという気持ちが大きい。この1週間で改めて、子育てには正解がなくて、そのときどきで私も私なりに考えて彼と向き合うことが必要なんだと感じた。
彼がどうしたらいいか分からないように、私もどうしたらいいかが分からなくて、ずっと逃げてきたのかもしれない。
でも私はこのままでは嫌だと思ったから、向き合いたいと思ったから、ここに来たのだ。それが、私がいま思いつける最大の解決策だったから。
まだまだこの先いろんなことがあると思うけど、私たち親子はお互いに笑いながら泣きながら怒りながら、少しずつでも成長できるかもしれない。そのために、来たのだから。
それだけは、感じられた1ヶ月間。
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