《完璧主義・ガマン体質の人向け》余計な思考から抜け出し、目の前のことに集中する方法
今年の春に入社した社員の話です。
共同で開発している他者のエンジニア達と一緒に実技研修を受けました。
私は研修の内容を理解するのに苦労していました。
しかしながら、他のエンジニアたちは質問も積極的に行い、知識を吸収している様子でした。理解ができない自分に焦りを感じました。自社の新人研修の内容では不足があると感じます。このままじゃ、私はどんどん差がついてしまいます。会社は何もしてくれませんよね。。。
この社員は、文系出身者です。
コンピューターの基礎知識から勉強する必要があり
業務システムの全体を学ぶ研修で
内容についていけてないように感じ
会社の研修だけでは足りない
もっとわからなくなるのではという
焦りに駆られています。
研修は、新しい知識や技術を学ぶ場です。
この新人にとっては集中できる時間ではなく、
ただ焦りを感じる苦しい時間だったようです。
参加している研修に意識を集中させられなかった。
本当に、会社の研修体制が不足していることが問題なのでしょうか?
この社員はそんなに能力が不足しているのでしょうか?
この社員に起こった事を見ながら、
目の前のことに集中する方法を考えます。
▶今この瞬間に意識がない
人は焦りや不安といった感情が湧いてくる時、
様々な考えが頭の中に湧いてきます。
目の前の「今やっている事」から遠く離れ、
余計なことを考えてしまいます。
簡単に目の前のことに集中できない状態になれます。
この社員のように
「目の前の作業に集中できない」のは
今やっていること以外のことを考えている状態でいるから。
問題を検証しすぎて、細かなことに目が向いてしまい
それがあたかも重大なことのように感じています。
しかし、
その事柄一つ一つを見てください。
細かい事柄で、そんなに重要でない事も多いはずです。
細かいことにまでエネルギーを使い
考えすぎて精神的に疲れてしまう。
完璧主義・ガマン体質の人は
このようなプロセスをたどって
集中できなくなっている気がします。
▶「逃避行の時間」を短くして、さっさと作業に移る
考えすぎの状態から抜け出すには
あれこれ考えを巡らす「逃避的な思考」を終わらせる必要があります。
どのようにして終わらせるのでしょうか。
頭の中に浮かんでくる考えの中から
現実、事実だけを抽出して
それだけを全体感で眺めます。
•うまくいっていること(なかったら探してください)
•問題点
この2つに整理していきます。
ポイントは、《うまくいっていることにしっかり焦点を当てる》こと。
あなたが今その職場で役割を与えられ、
そこで仕事ができるのは
会社があなたの能力、あなたの人柄を認め
そのポジションが務まると判断したから
任せているのです。
これまでの業務成果を出してきた事柄を見てください。
お給料分は働いてきたはずです。
焦ったり不安に感じていることは
そんなに大きな問題でないことに気づいてください。
ある程度考えを巡らせたら、
簡単にできることからまず手をつけてみましょう。
意外にうまくいった体験が得られるはずです。
▶「レベルを高くしすぎていました」新入社員
話の初めに出てきた新入社員と一緒に、
これまでの出来事を整理してみました。
・できていること
・問題点
特にできていることを時間をかけて書き出していきます。
私が「ここまでできているよ」と言っても聞き入れなかったのですが、
自分で書き出して、できていることを「大きな絵」で見たことで納得できたようです。そして、焦りを感じて不安になっていた理由も見えてきました。
「自分でレベルを高くしすぎていたのかもしれません・・・」
「できていることの確認」は、現実に沿った正しい判断をするのに必須です。
手に届く範囲の「やるべきこと」を「一つだけ」やる。
そうやって、小さい行動にすぐ手をつけましょう。
「上を見すぎず、今やっていることを感じて、1つだけやってみます。」
そういって帰っていきました。