"新規事業をつくる"をデザイナーがやってみるということ
こんにちは、デザイン事務所ヤメルの前迫です。
コロナ禍で暇になりまして(お仕事くださいw)、ってのは嘘で、この時期だから考えなければいけないだろうなという場面に直面し、”新規事業を作る”をやっています。絶対に外せない軸は、お茶。
4月、大学時代の友人と交流する接点が増えたタイミングでした。
大学時代のいわゆるイツメン、クレバーで Foo Fighters が好き。東京の通信系の会社で働き、地方創生に関わる部署につき、意見交換することが増えた百瀬。
社会人になってクラブによく遊びに行った仲間。ワインの商社で働き、生産現場を見たいと、食を軸に世界を旅していたが、コロナ禍で身動きがとれず、茶業で働くことになった窪。
この3人で何かできないか?
当初は3人の結束力がここまで高まるとは思ってもいませんでした。百瀬の地方に関わることへの好奇心、窪のお茶の可能性にかける思い、この両者の思いで構築された関係性だと思います。
百瀬の提案でパーソルイノベーション株式会社が主催するDritというビジコンに挑戦することにしました。コロナ禍における課題感を洗い出した中で、できることを検証し、これならお金を出す人がいるのではないか?の仮設のもと、議論しながら、資料をまとめていきました。
なぜ、デザイナーが新規事業をつくるのか?
「おぼろげながら」デザインだけでは、鹿児島という土地では生きていけないと感じることがあります。それは自分の心の充足も含んだ感じ方です。ここでいうデザインは、WEBやチラシなどのグラフィックを用いた表層のデザインのこととします。南九州市の名産品であるお茶を使ったビジネスを小さくてもやってみようと考えることもありました。小さな持ち運び屋台を作って、お茶を提供したり、自社ブランドを作ってお茶を作ったりしてみたい。でもやってない。
ただ構想で終わってしまう要因には、自分が考えきれる視点の限界があるように感じています。また自分ひとりがどんだけ頑張っても、地域の課題を解決できるわけではない。社会に対して大きなうねりを起こせるプロダクトや提案ってどんなものなのか?そんな大きなことを考えるうちに、モチベーションが下がってしまう。何もやらないで終わる。ひとっこ一人では、何も成し遂げられない。負のループに陥っていました。
この「おぼろげながら」が今なんとなくわかってきています。
・デザイナー自ら事業をつくれるか
・事業が0から1に拡大する段階を伴走できるか
・0→1をしっかり考えきれるか
振り返ると、せっかく0→1を考えている人に対して、今まで結構失礼なことを言ってきました。本当に申し訳ございません。
デザイナーは、1から10をアシストする役割があります。俯瞰した視点と冷静でドライな判断は、0→1を考えるときに大きく役に立つと自負しています。デザイナーも「自ら頭を使って社会にフィットする事業を考えていく」このプロセスがこれから付き合うお客様の利益に還ってくる、そう考えます。
ビジコンに応募し、一次通過
850件中の35件という狭き門を通過したことを、むちゃくちゃ自慢したいです。(見てくれる人が限られているnoteだからこそ自慢したいと書きましたw)通過率4%、正直信じられませんでした。
週末時間を割いて、議論し3人で作り上げた資料が通ったことは、僕らが考えてきたことの承認であり、意味があったんだと確信できる一歩でした。
とはいえ、「ただビジコンに一次通過したくらいでうかれてんじゃねえよ、馬鹿かよ、早く行動しろよ」という声があるのは承知です。行動するために、まずビジコンで試してみる。行動する前に、世の起業家や投資家が首を縦にふる事業をしっかりと考えていく。スモールでもビッグでもない、社会課題を解決できるイノベーションを。
いざ事業づくりをやってみると、様々なフレームワークがあって、その型にはめて考えてみても、何から手をつけていいかよく分からなかったり、5段階のステップがあったら、4まで行ったけどやっぱり違うよねとなって、また1に戻ったりと。これからDritの二次選考に進むまでの間、メンターのサポートのもと難解なプログラムが用意されています。最後までどうにか導き出したい。やるしかない。
自分がなんとなく嫌っていたベンチャーマインド
ベンチャー企業、ベンチャーマインドみたいなものが、とても嫌だと感じていた大学時代。先入観だけで、キラキラオラオラしていたベンチャーの雰囲気が苦手だったんでしょう。まさか自分が近しいことを言っている、「イノベーション」とか言って、かっこつけてる自分がちょっと恥ずかしくなりました。人生何があるかわかりません。
ただ言うこと、宣言することには実現する魔法があるので、言っていきます。実現できなかったら、オオカミ少年で終わってしまうから気をつけます。
これまでとこれから
知覧茶のPRイベント「隣のお茶は、青い」で生産者の想いに触れ、持続的に貢献できる仕事がしたいと思うようになり、自分が描きたい世界観とは何かを考えだしたここ2年。生産者の顔が見える産地にいるからこそできる事業があると考えています。
現在、南九州市では、株式会社オコソコがTEALABOという取り組みを進めています。全国の学生とお茶のある暮らしを考え、生産者と交流し、市場や生産現場、学生の考えを交えてお互いに学ぶというもの。「消費拡大するためには、まず情報が必要だ」そう考えた代表蔵元の思考と行動には、しびれるものがありました。
産地発信で生まれている新たなうねりに負けじと挑戦していきます。
今回は、文字ベースでの抽象的な表現でまとめていますが、これから少しずつ事業を構築していくプロセスもお見せできればなと考えています。