空蝉の詩
すきま風を拾っては
洗濯して
生きるのに必死な
蝉を見てた
後どのくらい生きるのだろうか
ぼくみたいな生き物と
同じにしてごめん
解は見つからないのに
そよ風を束ねて
きみにあげたい
そこらじゅうのひかりの欠片は
檸檬ソーダの氷にすれば
なかなかいい気持ち
手に届くから悲しくて
見ているだけじゃ
どんな形かも分からない
受け入れるしかないのなら
受け入れてしまおう
ようやく白いかぜに乗り
高いところへ
手を引かれて
小さなしあわせ
手放せるから
茶埜子尋子
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