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アルフレドというキャラクターを通して得られたもの その2 ~知識を得ることの重要性~

※ネタバレご注意。 
 ロミオの青い空は現在最も多くのファンアートを描いており、最推しのキャラクターであるアルフレドに出会えた特別な作品です。

前回記事その1では現時点で視聴済み名劇作品と、ロミオの青い空がくれたもの~アルフレドが作中で天に召されるという結末から死別についてをメインテーマに書きました。

正直”死別”というテーマひとつとっても前回記事だけでは全く書き足りてない感満載なんですが、
死別についてどう向き合うかは結局人それぞれだと思うのですが、
自分なりには「感情をなかったことにしないで感じ切ること」と「自分ひとりで抱え込まないこと」が特に重要なことで、何か大切なものをなくしたとしてもなくした部分はまた新しい何かが入ってくるものであるけど、結局なくしたものの“代わり”はないからある程度の痛みとともに生きるしかない。
 私自身は死別についてはこのような自分なりの納得いく結論に達したため次に進みたいと思います。


 今回の記事のテーマは、知識を得ることの重要性について。
その中でもわりかし身近でありふれてる「依存症」についてを書いてみようと思います。といっても、私は心理の専門家でもなくあくまで身近な例や関連書籍等で得た限られた知識でしかありません。
 しかしながら、せいぜい素人が自分の狭い生活圏内の限られた知識であるとしても、何か一つのことをテーマにして記事を書こうとするということには意義があると思っていますし、そのこと自体が知識を深め整理するきっかけになったりもするものですね。
知識を得ることの重要性は本を読めば読むほど、人から自分の知らない話を聞けば聞くほどに痛感するものです。

ああ、自分、なんにも知らないんだな

って。無知の知ってやつですね。時々意識しなくてはと思います。

 タイトルは前回長すぎたので今回から省略していますが、前回記事に引き続き「ロミオの青い空がくれたもの」の続きで
アルフレドがくれたもの~知識を得ることの重要性というテーマで、16話の感想中心に好き勝手語る内容です!



アルフレドに負けまいと奮闘するロミオが光る!16話

 アルフレドという私の最推しキャラからは実に多くのものをもらっているなって思います。そのひとつが「知識を得ることの重要性」

 これは作中16話が特にわかりやすく描かれています。

アルフレドは色々あって当時の社会では最下層とも言われる煙突掃除夫に身を落としてしまうわけですが、もともとはイタリア名門貴族の子爵であり、
まだ字が読めない人が多い世の中で12歳にしてかなり難しい本も読めるほどに文字に親しんでいました。

 対するロミオはスイスの貧しい農村出身で字が読めない状態だったところから、煙突掃除夫としてミラノにやってきてお世話になってる煙突掃除の親方の娘アンジェレッタ(彼女は原作とアニメでは扱いが異なりアニメでは実子ではありませんが)親切な医者カセラ教授から文字を教わったばかりでした。アルフレドと違い、本といえば16話時点では子供向けの絵本を苦労してようやく読み終えることが出来るくらいです。

 16話はこのロミオとアルフレドとの対比が素晴らしい回ですね。

アルフレドは黒い兄弟のアジトで作戦会議をするときに、その知識の豊富さからみんなに一目置かれています。
対するロミオはそんなアルフレドに対し、一時そっぽを向いてふてくされていて。ここのロミオあんまりいつものロミオらしくないなって思ったんですけれど、あえてわかりやすく描かれてたのかなと思っています。

16話、作戦会議の様子のワンシーン模写。
改めて見てみると、一番仲良しの親友がこれだけみんなの注目集めるほどだったら、さすがの純粋無垢なロミオといえど嫉妬するものかもしれないですね。嫉妬というか、親友が遠くに感じられて寂しかったのかも。

 私はあんまりこの手の「嫉妬心」とか「寂しさ」などの感情に疎い人間でして、あんまりよくわからないんですよね。
しかしどうやら自分の比較的身近にいると思っている人物が、何か活躍したり注目を集めたりすると嫉妬、妬み、寂しさを感じるのは普通のことかもしれないと最近思います。

 さて、そんなアルフレドにジェラシーを感じているロミオなんですが、
黒い兄弟の作戦会議が終わった後に秘密基地で熱心に本を読んでいるアルフレドを目撃します。
ロミオがひとり秘密基地に忘れ物を取りにきても気が付かないほどに、本に集中していました。
そんなアルフレドの様子を見てロミオは尊敬の念を抱くとともに、アルフレドを遠くに感じやっぱり寂しそうですね。このあたりロミオの言動が妙にリアルです。

「そうやって本を読んで勉強しているから、何でもよく知っているんだね」

16話模写

はいここ!もうすでに何十回語っただろうってくらいだけど何回でも言う。

私が作中最も素敵と思う、アルフレドのえがお~(⌒∇⌒)✨✨

そうしておそらくロミオにしか見せないであろう満面の笑みで微笑みながらの返しがまた最高にいい。

「まだ知らないことばかりだよ」

って。アルフレドはそれまでもかなり難しい本を何冊も読んできているし、貴族出身ではあるけれども、他の子どもたちに比べ知識の多さを全く鼻にかけるようなところがない。
自分はまだまだだと、心底そう思っていて向学心が非常に高い。

これは本当に素敵なことと思います。

素敵なのはアルフレドだけじゃなく、そんなアルフレドの様子を見て本を断った一冊しかない(しかも相当ぼろ)というアルフレドに対し、カセラ教授に本を借りに行こうって提案するロミオも素敵です。

 そしてここからが16話の真の見どころ、ロミオがアルフレドに負けまいと、少しでもいいから追いつこうと自分の力だけで本を一冊読み上げるわけですね。

アルフレドの謙虚さも素晴らしいけど、ロミオの向上心も大変立派です。

 そう、世の中には作中ではマウリツィオ、グラゼーラ夫妻が顕著ですが
自分たちで必要な努力もしようとせず、人の持ち物を羨ましいと嫉んだりして嫌味を言ったり、嫌味を言うくらいならまだしも妬みの対象の人を最悪陥れたりするような輩が後をたたないですね。
アルフレド達は残念ながら、その対象になってしまって結果的に煙突掃除夫に身を落としてしまうわけだけども。

確かに、アルフレド達は貴族時代ふつうよりは大分恵まれた境遇だったであろうし、マウリツィオ曰く「なぜ兄さん(アルフレドの父)だけが富も栄光も手にするんだ、マルティーニ家の長男であるというだけで!」
と言っていますから彼の言い分もわからないではないですけども。
↓以前の記事「嫉妬について」

嫉妬とは非常に厄介な感情です。特に自分の生まれとか自分の努力だけではどうにもしようがないことに対して人は無力感を感じやすいですし、
時には嫉妬という感情にのまれてしまうこともあるかもしれない。

 だからこそですね、ロミオがより素晴らしく見えるのは。

もしかしたらマウリツィオ、グラゼーラのような人たちが世の中普通なのであって、ロミオのように尊敬できる人に少しでも追いつこうと努力出来ることのほうが珍しいかもしれないと、そう思います。


知識を得ることの重要性をよく理解していたアルフレド

 16話ではロミオの向上心が特に光る回に見えるんですけど、アルフレドサイドも同じくらい彼の素晴らしさが描かれています。

 アルフレドはカセラ教授から借りた、大学生でも理解が難しい本「ヴォルテール(寛容論なのか哲学書簡なのか、作中での本のタイトルは定かでない)」をカセラ教授が驚くほどの速さで完読します。しかも2ページ分ほぼ丸暗記出来るほどの記憶力のよさ。
 このエピソード一つとっても彼が相当頭がいいだろうことが示唆されてるし、煙突掃除夫はやけどや怪我などリスクも高く体力的にかなり厳しい仕事を1日におよそ10時間(この時間は家での家事労働も含めてかなと思っています)もこなさなければならない中で、かなり難しい本をその合間に完読してしまうって相当勉強熱心で強い意志がなければできないでしょう。

 なぜここまで出来たのかって、一つは作中でも有名な「くるくるビアンカ」登場シーンで顕著なように、アルフレドは離ればなれになってしまった最愛の妹ビアンカをいつか迎えにいくんだ!という強い決意があります。

↑はポーズ集参照してるイラストですが、ここのビアンカは特に可愛らしいですね!「くるくるビアンカ」と呼ばれるくらいに。語源はバレエの練習しているここの作画を必要以上にくるくる回し過ぎたとの制作スタッフのインタビューより。

 そのためにはたくさんの知識を身に付けなければ!と思っていて、知識が力になるということをしっかりと理解している。

 アルフレドは16話で借りた本を煙突掃除の親方に

「なんだ、また本なんか読んでくだらない!」

なここのシーンでのうことか暖炉の火の中に本を投げ捨てられるという、最低極まりないシーンがあるのですが、その時もすぐに本を救出します。
 この時に先の丸暗記したという2ページ分が燃えてしまったわけなんですけど、それまでにアルフレドはその2ページ分を「何度も繰り返し読んだところだった」と言っています。
このセリフ、単にアルフレドが謙遜してそう言っただけかもしれませんが、本というと印象的なある一節や一文を繰り返し読み、その意味について考えるというのも本の読み方としていいよなぁと最近思うのです。
 一冊の本からたった一つのフレーズが印象に残るだけでも、十分にその本から得られるものは大きいのでは?と個人的には思っています。
(このような考え方は単に私が読むのが遅くて、なかなか一冊の本を完読できないでいるからでもありますが💦)

 このシーンでの親方とアルフレドとの対比もわかりやすくていいですね!

知識を軽んじる、飲んだくれアルコール中毒の貧困から抜け出せないシトロン親方。
対する、今は厳しい状況だけど決して夢をあきらめず、いつかは妹を迎えにいけるようにその為に知識をつけるんだと前向きなアルフレド。

 これは本当に身近な人を観察していてもよく思うことで。
「勉強なんか将来の役に立たない」
などと口癖のように言っているような大人ほど、いつもいつもお金がなくて困っていたり(稼ぎは節約すれば十分生活に事足りるにも関わらず)
さらにはこういう人種ほどやたらと人の悪口が多く、差別的で偏見があったり、デリカシーがなかったりします。
たまたま身近な例がそうだっただけかもしれないですが、知識を軽んじて不勉強だとお金の管理がうまく出来なかったり、相手の状況を想像出来ないことが多かったりするんでしょう。

 って、書いてる私自身も時々デリカシーに欠けることがあるので、今後も気を付けないといけませんね。

 日本の学校教育に関しては色々思うところがありますけども、
学校教育に限らず知識が足りてないって怖いことですね。大人になってよくそう思います。

16話は子供はもちろんのこと、大人にもおすすめなお話です。


知識を得ることの重要性について、気が付くきっかけは教養ある人との出会い

 ロミオとアルフレドのような高い向学心を子供のうちから持てるのは幸せなことだと思います。
これには間違いなく環境、特に向学心が高く勉強熱心な人との出会いが必要不可欠な気がしています。

 ロミオは幸運にもアルフレドと出会い、親友となることで向学心が高い彼から多大な影響を受け、また文字を教えてくれるカセラ教授やアンジェレッタなど素晴らしい出会いが多くありました。
生まれ故郷ソノーニョ村から出ることがなかったとしたら、どうだっただろう?って考えますと煙突掃除夫という辛い経験も、親友との悲しい別れもなかったかもしれないけど、もしかしたら一生勉強の必要性に気が付く機会もなく、そのまま父ロベルトと同じように農夫で慎ましく暮らしていたのかもしれないですね。


 以前も似たようなテーマでいくつか記事を書きました。

 自分自身がいかに無知であるか、自覚するところからが始まりなんだと思います。私はあまり高度な教育なんて受けてきてはいないし、子ども時代の豊かな読書体験もそれほど多いものではありません。
ですが、近年世界名作劇場アニメシリーズから名作に触れる機会が増え、以前よりも読書に積極的になってきています。

 最近ではロミオの青い空の他に名作劇場ではフランダースの犬をアニメ版だけでなく原作も読んだり、赤毛のアンシリーズに特にハマっております。

 フランダースの犬はやはり後半部分の展開がつらいので、お話としてあまり好きではなかったのですが、改めてアニメ全話視聴&原作読んでみると、後半部分までのネロやパトラッシュ、ジェハンおじいさん、アロアとの温かい交流が印象に残る話であると思ったし、有名な天に召されるシーンだけではないんですよね。
特に原作ではパトラッシュの気持ちというのが丁寧に描かれており、ネロとジェハンおじいさんにとってどれほどパトラッシュが大切な存在であるのかがよくわかる描写が多くあり、例え粗末な食べ物しかない質素な暮らしでもパトラッシュがいれば幸せという今あるものの大切さを思い起こさせてくれる作品でした。

 赤毛のアンのほうもあまり子供時代に好きな作品とは言えなかったのですが(アンのお喋りすぎるキャラクター性が受け付けられず)ところが、最近になってじっくりアニメ視聴&小説を読んでみると、ものの見事にハマりつつありわからないものです。このシリーズは松本先生のNHKラジオでもご紹介がありましたが「毎日を良い心がけで生きていこうとする人々の、幸福な生き方を描いた物語」
赤毛のアンに関しては語ることが多すぎるのでまた別記事にします。

 大人になってからの児童文学というのもいいものですね!
本当に大切なことはなにか?を日々の忙しさや余裕のなさから忘れがち中で思い起こさせてくれる、また子供時代の純粋な気持ちを思い出すきっかけとなる作品が多くあります。

 ロミオの青い空という作品を好きになるところからファンアートを継続的に描くようになり(そのほとんどはアルフレドだけども)
ずっと昔の好きな漫画やアニメの絵を毎日のように描いていた小学生時代に戻ったかのような、純粋に好きなことをやり続けることで失った自分自身の感覚を取り戻しつつありますね。あまりここまで夢中になれる何かって長らくなかったように思います。

 名劇作品、また関連書籍や活動から得られた一番のことは、直接的に役に立つ何かというより生き方そのものなのかもしれません。



 

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