猫屋ちゃき

福岡県在住の小説家。「こんこん、いなり不動産」シリーズが発売中。そのほか、電子書籍にてTL小説を多数配信中。「扉の向こうはあやかし飯屋」「拝み屋つづら怪奇録」発売! お仕事随時募集中、スケジュール応相談です! 【mail】chaki.sen.no.riq@gmail.com

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福岡県在住の小説家。「こんこん、いなり不動産」シリーズが発売中。そのほか、電子書籍にてTL小説を多数配信中。「扉の向こうはあやかし飯屋」「拝み屋つづら怪奇録」発売! お仕事随時募集中、スケジュール応相談です! 【mail】chaki.sen.no.riq@gmail.com

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  • 猫屋の創作ハウツー備忘録

    猫屋の創作ハウツー記事まとめです。

  • 猫屋ちゃきの本

    ライト文芸など、出させていただいている紙書籍の紹介です。

  • 猫屋ちゃき本の紹介【R18】

最近の記事

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第一話 誰もいないはずの部屋 2年3組 津島桜太朗

【あらすじ】 容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能の薫くんは、その類まれなる存在感から学校の人気者。そのため、みんなによく頼まれごとをするのだが、彼に引き受けてもらうには条件があった。 それは、怪談をひとつ差し出すこと。 桜太朗は薫くんの面白さに惹かれ、集まってくる怪談に興味を覚え、彼のそばにいることになる。 薫くんはいつも、怪談の秘密に気がついてしまう。その秘密は、語り手さえも知り得ないもので─。 第二話https://note.com/chachakki/n/n57b8e6

    • 星に手が届きそうな日

      本日2024/11/10、マリンメッセ福岡で行われたミュージカル刀剣乱舞の公演に行って参りました。 私にとってはとても大事なことだったので、今日という日を迎えられて本当によかったです。 というのも4年前、2020年にミュージカル刀剣乱舞の福岡公演のチケットに当選していたのに、コロナで中止になっていけなかったという出来事があってですね… それ以降、怖くてチケットを取る気になれなかったんです。 4年前、チケットが取れて本当に嬉しくて、ツイッターでもたくさんの人からおめでとうと言

      • 猫屋の創作備忘録 まえがき

         自身の備忘録のために、そして創作を始めたいと考えている方のために、もしかしたらほんの少しくらいお役に立てるのではないかと思って、これからほんのちょっとずつポロポロと創作にまつわる記事を書いていくつもりです。 この記事は ・小説を仕事にしたいから、仕事の依頼を受けたときの流れについてざっくり知りたい人 ・どうにか頓挫せずラストまで小説を書く方法のひとつを知りたい人 などに向けていますので、不要な方には何の役にも立ちません。 そして当然、「これが正解」「これをしないとダメ」

        • 第四話 うつし世のこと 2年4組 中野志保

           ある日の放課後、帰ろうとしていた桜太郎は、違うクラスの女子に呼び止められた。 「あの、津島くん、だよね……?」 「そ、そうだけど」  その女子は、まっすぐな黒髪と眼鏡以外これといって特徴のない、控えめな子だ。人の名前と顔を覚えるのがわりと得意な桜太郎でも、まだ覚えていない。だが、そんな子にでもそうやって声をかけられるとドキドキしてしまうし、この恥じらう様子から何の用かと期待してしまう。  その期待は、あっさり壊されてしまうのだが。 「薫くん、呼んでもらえますか? あの

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        第一話 誰もいないはずの部屋 2年3組 津島桜太朗

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          第三話 独り言ではない話 2年3組 瀬戸大樹

           ある日の昼休み、職員室から戻った桜太郎は憂鬱そうな顔をしていた。  憂鬱というより、拗ねた子供の顔というか。食事の皿に苦手なものをてんこ盛りにされたのを目撃したような顔というか。とにかく、面白くなくてたまらなくて、機嫌がよくないという顔だ。  どちらかといえば常時ご機嫌な人種のため、そんな彼が憂鬱そうにしていれば、嫌でも目を引いたのだろう。珍しく、薫のほうから声をかけた。 「津島くん、どうしたの? お昼ご飯、買えなかった?」  しょぼしょぼと自分の机に帰った桜太郎に近づ

          第三話 独り言ではない話 2年3組 瀬戸大樹

          第二話 後ろから呼ぶもの 2年5組 小川圭太

           ある朝のホームルーム前、教室前の廊下で、薫が違うクラスの男子の男子に声をかけられているのを桜太郎は見かけた。  その男子は記憶違いでなければハンドボール部の部員で、何やら両手を合わせて薫を拝んでいる。 「どした? 確か、五組の小川だったよな? 薫くんに何か用事?」 「あ、津島! ちょうどいいところに!」    気になって桜太郎が声をかけると、小川という男子生徒は助かったという顔をした。自分のほうから薫に声をかけていながら、なぜ困っているのだろうかと桜太郎は訝しむ。 「も

          第二話 後ろから呼ぶもの 2年5組 小川圭太

          もう、いる

           違和感というか、気持ち悪さというものはずいぶん前からあった。  最初からではないのか、と人に話せば思われるだろうけれど、初めは別段、何も思いはしなかったのだ。  むしろ、少し面白いと思っていた。  だって、有名人や人気者でもない限り、自分になりすました誰かのSNSのアカウントを見つけるなんて、そうそうないことだろうし。  でも、そのうちに面白いだなんて言ってられなくなった。 「またかよ……気持ち悪いな」  テーブルの上の薬の瓶と雑に散乱した錠剤を写した画像を見て、私はつい顔

          もう、いる

          猫屋のプロット作成法

           Twitterなんかを見ていると、わりとプロットの作り方に悩んでいる方がいるので、そういった人に役立てていただければと、私なりの方法と、それを使った実際のプロットをお見せしようと思います。  あくまでひとつの方法ですし、珍しくもないのですが、私はこれでわりと文字数のコントロールができるようになったので、 ・狙った文字数内に届かせてor収めて作品を書き切りたい ・迷子にならずに最後まで書き切りたい ・脱線させずに書き切りたい といった方に特におすすめできるのではないかと

          猫屋のプロット作成法

          この時代に生きているという実感

          別に暗い話ではなく、私はつい最近まで亡霊みたいに生きてきた。なんというか、時間の感覚がおかしいというか、時代に取り残されてる感というか。 ちょっとエモい(エモくないかも)言い方をするならば、同時代性みたいなものを感じられずに生きてきたというか。 たぶん、私の感覚は2012年くらいで止まってたんですよね。概念としては現在が2020年なのはわかってるんですが、自分の肌感覚では全然わかってなかったというか。 でも最近、唐突に私の感覚が2020年に合わせられる出来事があった。楽

          この時代に生きているという実感

          嬉しいお知らせ

          今年5月に発売された「拝み屋つづら怪奇録」がなんと 続刊決定いたしました!この作品は緊急事態宣言下、つまり多くの書店が営業できていないという非常に厳しい状況で刊行されました。 私も、地元の書店が営業おらず、自分の作品が店頭に並んでいるところを見ることは叶いませんでした。 だから、ネットで「買ったよ」「読んだよ」と呟いてくださる方たちの声だけが、この作品が無事に世に送り出されたことを確認する術でした。 書店さんがTwitterで呟いてくれる入荷情報も、いつも以上にありが

          嬉しいお知らせ

          【自著紹介】「拝み屋つづら怪奇録」

          【あらすじ】 ある日を境に、紗雪の身の周りで不審な事故が相次いだ。奇妙に感じた家族からお寺でお祓いするようにすすめられ、お寺に行くことに。しかし、話を聞いた住職は彼女に津々良という拝み屋を紹介するだけだった。仕方がなく拝み屋を頼るために教えられた住所に向かい、そこで着物に身を包んだ男性・津々良と出会う。彼との出会いで紗雪は、少しずつ自分の心の在り方を見つけていく―。 『こんこん、いなり不動産』の著者が描く、ほんのりダークな現代怪異奇譚。 という感じの、キャラ文芸×ラ

          【自著紹介】「拝み屋つづら怪奇録」

          【自著紹介】「秘密の初恋〜心を閉ざした貴公子は黒衣の花嫁を愛しています〜」

          【あらすじ】 アリーセとベルント・カイン兄弟は幼馴染みだった。しっかり者の兄・ベルントと、アリーセと同じく美しいものが好きで夢見がちな、弟のカイン。アリーセは密かにカインに恋をしていたが、両家の両親が決めたのはアリーセとベルントとの婚約だった。しかし、結婚式を目前に控えたある日、ベルントは流行病であっけなく亡くなってしまった。それから半年後。アリーセの初恋はよきせぬ形で実ることになる。両家の悲しみを癒やすためとして、アリーセとカインの婚約が決まったのだ。初恋の人と結ばれ

          【自著紹介】「秘密の初恋〜心を閉ざした貴公子は黒衣の花嫁を愛しています〜」

          【自著紹介】「扉の向こうはあやかし飯屋」

          【あらすじ】 フリーペーパーのグルメ記事を担当している若菜。恋人にフラれた彼女は、夜道で泣いているところを見知らぬ男性に見られ、彼が営む料理店へと誘われる。細い路地を進んだ先にあったのは、なんとあやかしたちが通う不思議な飯屋だった!最初は驚く若菜だったけれど、店主の古橋が作る料理はどれも絶品。常連のあやかしたちと食事を共にしたり、もふもふのスネコスリたちと触れ合ったりしているうちに、疲れた心が少しずつ癒されていき―? アルファポリス「第2回キャラ文芸大賞」特別賞を受賞

          【自著紹介】「扉の向こうはあやかし飯屋」

          コンテストで賞をいただいた!

          昨年11月、出してみたいコンテストがあり、頑張ってコツコツ仕上げた小説がありました。 そのコンテストは魔法のiらんどで開催された『野いちご編集部に作品を読んでもらおう』という趣旨のもの。 書籍化確約ではなかったものの、編集部のセレクト作品に選ばれれば検討はしてもらえるということで、張りきって書いてみたのです。 前々から興味があったホラー小説に挑戦し、驚くほど楽しくスラスラ書けて、自分の中でかなり手応えがあったのですが… 結果は、セレクト賞3作品のうち1作には選んでいた

          コンテストで賞をいただいた!

          【自著紹介】「強面騎士の恋文で、夢見る令嬢は愛に目覚める」

          【あらすじ】 貴族の一人娘として生まれたことで、幼い頃から厳しく育てられたクララ。出世欲が強く、爵位を得るためだけにクララと結婚したアリョーシャ。二人は共に夢や希望を抱くこともなく結婚をした。愛はなくとも互いの利害が一致した新婚生活は、何の問題もなくそこそこ幸せに過ぎていくはずだった。しかしある日、クララがこっそりと「王子」宛の手紙を出すところをアリョーシャが目撃してしまったことで、新婚生活は急変する。クララに対し恋愛感情など持ち合わせていないはずのアリョーシャだったが

          【自著紹介】「強面騎士の恋文で、夢見る令嬢は愛に目覚める」

          【自著紹介】「愛しい夫は森の美しき神〜捨てられ令嬢、幸せをそそがれる〜」

          【あらすじ】 伯爵令嬢ルゥシーは、遠い異国から嫁いだ母亡きあと実父に疎まれ、とうとう森に捨てられてしまう。その森で恐ろしい化け物に襲われたルゥシーは、美しい獣に助けられる。その美しい獣は神々しさすら感じさせる美貌の男性へと姿を変え、ルゥシーを安全な場所へと連れ帰ってくれた。美貌の男性の正体は、この森でかつて崇められていた神・ヨニ。「幸せになりたい」というルゥシーの願いを叶え、ふたりとヨニの使いの愛らしい生き物は慈しみあいながら共に暮らすようになる。森を以前のように美しく

          【自著紹介】「愛しい夫は森の美しき神〜捨てられ令嬢、幸せをそそがれる〜」