【クレープ店の戦略②】デリバリーの売上や課題
こんにちは!戸越銀座で身体に優しいクレープ店「NagiCrepe」を経営している渚です。
今回の記事は、「デリバリーサービスの導入」についてです。
皆さんも知っているUberEatsや出前館、Woltなどを導入(登録)した経緯と、実際の売上、感想等について書いていこうと思います。
デリバリーサービスに登録した経緯
私は今まで3度店舗を開業・運営してきたのですが、すべての店舗でデリバリーサービスを導入してきました。
・1回目の大崎では、「UberEats」「出前館」「menu」「Wolt」「フードパンダ」(フードパンダは撤退してしまったので今は有りませんが)、
・2回目の桜上水では「UberEats」「出前館」「Wolt」、
・今回戸越銀座では「UberEats」「出前館」「Wolt」
に登録しました。
1回目、大崎で開業したときはコロナ禍だったため、デリバリー熱がユーザー側でも盛り上がっていた時期だったので、色んなプラットフォームが乱立していました。
その時は「まぁ流行だし初期費用ほぼないし、いったん入れてみるか…」くらいで登録しました。
そして、1店舗目である程度デリバリーの良さを感じていたため、2回目、3回目の店舗でも、UberEatsと出前館、Woltの登録をしました。
デリバリーサービスに登録する手順
一例としてUberEatsへの登録手順(実際にどのようなフローになるのか)を、店舗目線でざっくり説明します。
UberEatsのトップページから、店舗登録リクエストのフォームを送信
Uberから、メールor電話でその後の流れの説明を受ける
(必要な場合)メニュー写真の撮影手配と撮影
※Uberのカメラマンだと、2万円ちょっと(のはず)の価格で手配してくれます。自社で用意できる場合は不要です営業許可証(データでOK)、メニュー表、ヒーロー画像などの提出
※メニュー表は、Uberからエクセルのテンプレートをもらうので、そこに記入して返送しますUber側で店舗ページの作成
ページが出来上がったら、メニュー写真のアップロード・払い込み銀行口座などの登録
Uberから送られる最終確認フォームの提出
営業開始日の決定
オープン!
といった流れです。
私が実際に今年の5月に行った登録申請だと、スムーズにいけば1週間ちょっとで登録できそうでした。
※実際は、営業許可の取得と提出に時間がかかったので、2,3週間かかっています。
UberEats、出前館、Woltそれぞれの売上について
結論、どこの店舗でもUberEats一強ですね…。
やはり、「デリバリーと言えばUberEats」とユーザーの皆さんにイメージが付いているし、それで店舗側も「デリバリーと言えばUberEatsに登録しよう」となり、結果ユーザーも「登録店舗が多いプラットフォームを使う」というループになるのでしょうか。
実際の出数で言うと、
・UberEatsは1日3~7件(月15万~20万円)
・出前館は1週間で1~2件(月数千円)
・Woltは今のところ1~2週間0件(月0円?)
という感じです。
今回、出前館やwoltは「固定費ないし一応今回も入れておくか…」と思い登録したのですが、やはり予想通り、うーん、、、という感じの売上。
プラットフォームのせいにするのはよくないと思うのですが、これ以上プロモーションかけたり特典つけたりすると、普通に配達手数料などで売るほど赤字になっちゃうんです、、、手数料高すぎ、、、
またWoltについては、売上はほとんど期待していませんでしたが、登録した理由として、「カメラマンによる写真撮影を無料でやってくれる」というものがありました。
ちゃんとプロのカメラマンさんが来てくれて、機材や背景なども用意してもらった上で、商品やトップ画像を2時間まで(準備片付け含む)無料で撮影してくれます。
普通にありがたい!!!!ありがとうウォルト!!!
デリバリー運用での課題
デリバリーにおいての課題としては
デリバリー手数料が高い
配達用の包装が難しい
店舗オペレーションとの両立が大変
あたりですかね。。
デリバリー手数料、Uberと出前館は売上の約35%、Woltは30%です。
1万円売れても、店舗への入金は6500円~7000円ほど。
さらに、プロモーションをかけたりするとそこから引かれるので、振り込まれる金額は、売上の大体半分くらいになることが多いです。
原価が25%だとして、手数料35%ですでに60%が無くなります。
残りの40%から、人件費とか消耗品費、プロモーション費などを出さないといけないので、利益としてはかなり薄くなってしまいます。
デリバリー用に値上げしているのですが、単純に1.35倍したらかなり割高になってしまうのですよね。「この値段でこれだけ・・・?!」ってなってしまうのは避けたい。。。
なので、実際は1.2倍前後でつけることが多いです。
まぁ、ただ固定費かからないので、売れない限り手数料もゼロですし。「ロスになるよりお客様に届けられるだけいいかな」みたいな感覚です。
次の「配達用の包装が難しい」問題ですが、バイクや自転車で運搬する際の振動が結構強敵で…。
今は、透明な袋でパックして、その上からさらに透明な袋に包んで、紙袋に入れて出しています。(雨の日は、さらに大き目のビニールに入れます)
こぼれずに運べる&できる限りコストを最小限に抑えた包装なのですが、これでも1つ当たり50円程の包装費用が掛かってきます。
500円~1000円の価格帯なので、商品の10%弱が包装代にかかっていると考えると、結構大きい、、、。
それに本当は、ちゃんとクレープの形を保てるように、「クレープスタンド」なるものを使って運んであげたい。
ただ、このスタンド、なんと1個100円弱するんです、、、!
今の価格のままでスタンドを導入すると、かなり利益が減ってしまう(というか単価が低いとワンチャンマイナス…)ので、もし使うとなるとお客さんに負担してもらう(=値上げする)ことになるのですが、それだとお客さんから見たコスパが合わない。
これからも色んな包材を探したり試したりして研究していこうと思うのですが、現状、包材問題は大きな課題の一つです。
最後の「店舗オペレーションとの両立が大変」問題なのですが、
不思議なくらいに、店舗の混雑とデリバリーの混雑が同じタイミングになることがとても多いのです。
みんな、クレープを食べたいタイミングは一緒なのですかね。笑
現状は、デリバリーの準備時間を長くする設定(ビジーモード)にしたりして、何とか乗り切っています。
デリバリーを入れてよかったこと
もちろん、デリバリーは課題ばかりではなくメリットもあります。
単純に売り上げが増えた
リピーターになってくれやすい
プロモーションがかけやすい
あたりでしょうか。
売上としては、通常店頭売上の約1~2割ほどになることが多いのですが、雨の日は店頭売上と同じかそれ以上、デリバリーが売れることもあります。
あとは、ここ最近かもしれないですが、デリバリーはヘビーユーザーとほぼ注文しないユーザーと差が広がっている気がしていて、
ヘビーユーザーの人に気に入ってもらえると、高頻度でリピートしてくれやすいというのを感じています。
しかも、天気が悪い時こそ注文してくれるので、店舗売上が伸び悩んでいるときに、売上の助けになってくれることが多いです。
あとプロモーションについては、ほとんどUberEatsに限った話なのですが、プラットフォームとして豊富なプロモーションパッケージを用意してくれているのが魅力かなと思います。
例として、「特定商品の割引(例:チョコバナナだけ20%オフ)」「送料無料」「1つ頼むと1つ無料」などなど。
もちろんその分の費用はお店負担ですが、プロモーションをつけると、Uber内で勝手にプロモーションのPRをしてくれる(タグが着いたり一覧表示でリボンが着く等)ので、店舗でいちいち販促を考えるよりは、気楽だなと思います。
やめるときも、クリック1つですしね。
お客さんが感じる「満足度」を大事にしたい
色々書きましたが、一番大事にしていきたいのは、デリバリーを注文したお客さんがちゃんと満足してくれるか。それに尽きます。
手数料が高いとか、包装が高いとか、色々大変なことはあるのですが、それはどこのお店も一緒。その中でも、高評価を得つつ利益を出しているお店もあるはず(?)なので!
満足度アップのために、「量のコスパ」だけではない「満足感」というのをちゃんと満たせるような工夫をしていければと思います。
毎日店舗で生地やクリームを作っていることや、卵・小麦粉・乳不使用でヘルシーな事など、納得感をもって食べてもらえるように、頑張ります。
まぁ、お口に合わなかい方ももちろんいて、レビューで「美味しくない」みたいなボタンを押されてしまうと結構グサッとくるんですけどね…。
1人1人の声に一喜一憂しているとしんどくなってしまうので落ち込みすぎずに頑張りたいですが、ちゃんと受け止めて随時工夫していきます。
まとめ
ということで、今回はデリバリーサービスについて、実際にクレープ店で運用している私が、現状や課題感を書いてみました。
記録用がメインなのですが、こういうのが貯まっていって、飲食店を始める人や始めた人が、何かしら参考にしてくれたらいいな~と思ったりしてます。