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息子の外出は不安がいっぱい

家をこよなく愛する息子は、外に出るのが好きじゃない。これは、不登校になってからだ。
「お出かけしようよ」と誘って乗り気でない時は基本お留守番である。それでも日曜日は、髪をカットするという目的で外へ出てくれた。月曜日もまた一緒に買い物につきあってくれると言う、2日連続外出という珍しい展開であった。
ただ行く道中の車内で、「おなかが痛い~頭が痛い~吐き気がする」と言い始めたのである。目的地までたった20分でも、息子にとっては不安なのかもしれない。

この時点で運転していた夫のイライラが伝わってくる。

共感力のないこの男は、自分のペースが息子によって乱されるのに、腹が立ってきたのだろう。
まぁわからんでもない。
目的地に到着して外に出た途端、息子は気分が悪くうずくまり歩けなくなる。

それを見た夫は、「もう帰るぞ!」と車に引き返した。極端に切り替えが早くなっている。そこまでの早さは求めていない…。

息子に「もう帰ろうか?」と聞くと、せっかく来たのに迷惑をかけて申し訳ないと思ったのか、何も答えない。

夫の機嫌の悪い感じを思いっきり読み取っているんだろう。

私は、気分が悪くうずくまっている息子に対し、「頑張って外に出ようとしてくれたんやね。しんどかったなぁ」と声をかけた。「気を使わなくてもいいんだよ。ここまで来ただけでも十分頑張ったんだから、帰ってもいいんやで」と声をかけると、息子は「少し気持ちが落ち着いてきた」と言ってきた。

少しなら歩けそうだと言うので、近くにあるゲーセンで気分転換しよう!と誘ってみた。
お目当てのポケモンフレンダがあって、気持ちが切り替わってくれた。その後、3人でカフェに行くこともできた。

息子にとっては、ちょっとしたお出かけでも気持ちがとても疲れるようだ。行ったら楽しいこともあるのはわかってるんだけど、行くまでが不安なんだと息子が教えてくれた。
そうやって、不安な気持ちを言えるようになってきたのも成長だと思っている。

少しずつでいいんだ。
焦らなくていいんだ。

外に出るのはハードルが高い息子だが、オンラインゲームでは友達に自分の意思をはっきり伝えながらゲームを楽しんでいる。
オンラインのフリースクールでは、大人と会話することもできている。息子が楽しそうに喋っている間に家事をすることもできるようになった。

こうやって、安心できる家の中でオンラインで会話をすることは、息子にとってはいいのかもしれないな~。
私だってそうじゃないか。リアルに会いに行くことは難しいけども、スタエフでならどの県にお住いの方でも喋ることができている。家で気軽にコミュニケーションを楽しむことができるのだ。ノーメイクだろうが、きっちゃない部屋着だろうがお構いなしである(笑)

不登校で同年代の子達とリアルに喋る機会は減っている。みんなが学校でしてくるような体験もしていないが、息子は息子にしか出来ない体験をしているのだろう。YouTube見放題、アニメ見放題、ゲームし放題の毎日の中で、何を学んでいるかって?

自分と、とことん向き合っているのかもしれないね。

学校へ行ってる間は忙しかったからね。考える暇なんかもなかったはずだ。学校から与えられた宿題をこなしたり、ついていくのに必死な毎日だった。
突然行けなくなるくらい、頑張りすぎていることにも気がつかなかったのだろう。

今は、あの頃に比べたら息子は、思いっきり休んでいる。無理に頑張ろうとすると体調不良になる。まだまだ休みが必要なんだろう。でも、思いっきり休むと、出ていくことができたり、頑張ることもできるようになってきた。

こうやって自分のペースを守りながら、息子らしく歩んでいくやり方を私は応援していきたい。息子の不安に寄り添いつつ、でも時には、「頑張ってみな」と、挑戦を後押しする母親でありたい。

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