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【小説】東雲家の三希

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#東雲家の三希

第十五話 価値観を崩された天狗女

次の日の放課後、私は早速、伊賀晃に会いに行った。 「1年生?誰か待ってるの?」 入り口の…

茶ノ机
6年前
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第十四話 回り道の近道

伊賀晃は男子寮から見えないくらい遠ざかった場所で古い小屋の付近で立ち止まった。 私は大小…

茶ノ机
6年前
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第十三話 恐怖×尊敬=◯▲X

今日の晩飯のメニューはハンバーグ。 付け合わせにゆでたにんじんとブロッコリー。ポテトサラ…

茶ノ机
6年前
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第十二話 戦うものの性

窓から差し込む強い日の光で三希は目を覚ました。 既に同室二人の布団は綺麗に整えられていた…

茶ノ机
6年前
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第十一話 傷口を狙われる檻の中

「よーやく会えたわね。東雲三希、今日こそ逃がさないわよ」 なんとも寝覚めの悪い朝だと三希…

茶ノ机
6年前
8

第十話 優しさと冷たさの交差地点

「ここにいたか。手こずらせやがって」 冷たく闇に響く声。 声に反応し、その巨体をぐにゃり…

茶ノ机
6年前
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第九話 ほの暗い森の甘い誘惑

この話のもくじ 太陽の光が地上を覆い尽くす時間でも暗く、木々が競う様に伸び合う森。 一歩ずつ進めるごとに時間の感覚を狂わされ、徐々にこの世から隔絶したもう一つの世界が広がる。 元の場所に戻れないかもしれない恐怖よりも、森が放つ誘惑の方が強い。 この先にある新世界を求めて、三希は助蔵が追いついていないことに気付かずぐんぐん前へ進む。 三希は授業に行かなくなってから、助蔵を連れ学園中の強い人を探しまわった。しかし、ほとんどの生徒が授業に参加していたので誰も相手をしてくれない。

第八話 怒りはエビのしっぽの先に

この話のもくじ 「メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと……」 …

茶ノ机
6年前
8

第七話 アホお嬢

この話のもくじ うららかな春の陽気に浮かれているのか、それともただ単に落ち着かないだけな…

茶ノ机
6年前
2

第六話 最初の舞台

この話のもくじ 気付いたら暗闇にいた。 目を閉じて数秒、開いても黒以外の色は何も見えない…

茶ノ机
6年前
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第五話 学園への扉

この話のもくじ 厳しい寒さを越え、春の暖かい日差しを受けながら、道無き道をひたすら突き進…

茶ノ机
6年前
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第四話 門出③

この話のもくじ 「三希様、三希様。起きてください。出発の時間ですよ」 「あー……助蔵、お…

茶ノ机
6年前
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【もくじ】東雲家の三希

第一話 悲しき一族 第二話 門出① 第三話 門出② 第四話 門出③ 第五話 学園への扉 第六話 最…

茶ノ机
6年前
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第三話 門出②

この話のもくじ   ———その日の晩、東雲家の食卓。 約30メートルも伸びている畳部屋に東雲家、蜘蛛霧衆幹部らが二人ずつ面と向かい合う様にずらりと並び、後ろには各人の付き人が一人ずつ座っている。普段以上に人口密度が高い上、おっさんだらけのこの空間に三希は既に息が詰まりそうになっていた。 入り口から奥に行く程、蜘蛛霧衆の中で地位が高く、再奥である上座には当主である三希の父、東雲雲海が袴姿で堂々と立ち上がる。 「本日は三希の青龍学園入学祝いにお集まりいただき誠に感謝する」 近く