推しが炎上しました
推しが燃えた。
あの国内最高峰の文学賞を受賞した作品からの引用ではないが、本当にそれ以外表現のしようがない。
結論から言うと自分は「降りた」
ー裏切られた。
ー応援し続けてこそ本当のファン。
ーちゃんと説明しろ。
ーなんで推しを信じないの。
ー責任を取れ。
こんな感じでネット上にはそれはそれは多くの言葉が飛び交っていて。
そもそも、「推しが燃えている」というストレスに耐えられない私は早々に退散した。
私が降りた理由は単純で「エンタメとして消費できなくなった」から。
推しはエンタメなんです。
レストランに美味しいものを食べに行くのと同じで、楽しさを求めて推し活をしてる。だから、理由がどうであれ、楽しくなくなったらさようなら。
不味いものを、わざわざお金を払ってまで食べには行かない。
推しが悪いか悪くないかは関係ない。申し訳ないけれど。
私好みの味付けではなくなってしまったというだけ。
ただ、レストランで好みに合わない味付けだった時、わざわざ他のお客さんもいる中でお店の人にそれを伝えるか?と言うと、少なくとも私は伝えない。
もうその店には行かないだけで。
「降りる」っていうのは、それに近いことだと思っている。
一方でそれをみんなに聞こえるように発信する人がいるから、炎上するのだ。
毎日どこかで誰かの推しが燃えている。
自分みたいにただ美味しくない、と思っているだけではなくて、やっぱり怒っている人は多い。
しかも色んな怒りの形がある。
まず【料理に虫が入っていた系】
確かに、声優やアイドル、俳優が炎上したら、グループや出演作へのダメージは少なからずある。
作品のファンやグループ箱推しの人からすれば確かにいい迷惑。
すると「この虫はなんだ、どうしてくれるんだ。ちゃんと衛生管理できているのか」というクレームを入れたくなる。
この人たちはしっかり謝罪した上で、返金したり、虫が入っていない料理を作り直して提供したりすれば、またお店に来てくれる可能性は高い。
そもそも、その人が好きだったわけでは無いというファンに多い傾向かも。
次に【イタリアンの店だと思って入ったら中華料理屋だった系】
これは、ちょっと難しい。
真っ白な石膏の外装で「ミラノ」って名前のレストラン、100人中99人がイタリアンの店だと思って入るだろうけど、別に中華料理屋でも詐欺ではない。
いや、でも「もうイタリアンの口になってるんだけど!?どんなマーケティングなの!?」とは思う。
つまり、客の期待と商品の実態があまりにもかけはなれていると、商売としてはかなり厳しい。
私はクレームは入れないけど、怒る人は絶対いる。
ただ、ペペロンチーノを頼んだのにしょうゆラーメンが出てきて「うちはしょうゆラーメンの商品名がペペロンチーノなんです」って言われたらキレます。
最後は【店長の人間性が気に入らない系】
これは、個人的には失礼な接客をしていない限り許してあげてほしい。
料理の味には関係ないから。
ちなみに犯罪はだめです。飯作ってる場合じゃないだろ。裁かれて。
・・・・・
まだ全然網羅できてない気がするけど、この辺りは多そう。
ただ、正直どのパターンでも「ネットで発信する必要はないんじゃないか」とは思う。
知り合いに「あの店は良くないよ。二度と行かない」と愚痴混じりに話すくらいは許容範囲だろう。
商売をやっている以上、相手もそれくらいは当たり前に覚悟している。
明らかに何らかの損害を与えられた場合は事実関係を冷静に見極めた上で、直接クレームを入れればいい。
厄介なクレーマーもいるので線引きは難しいけれど。
ただ、不特定多数に発信することで相手にダメージを与える道を選んだ場合、自分が非難の的になる覚悟はしておくべき。
フードデリバリーで頼んだものと違う商品が届いたってSNSに上げて、炎上したタレントもいたくらいだし。
マルチとか高い謎の壺売りつけるとか、そういう特殊な場合以外、クレーム案件であっても基本的には買い手と売り手は「被害者」「加害者」という関係にはならない。
だから、自分が受けた損害を以上の代償を相手に支払わせることは、基本的に許されないと私は思っている。
ネットの向こうには人間がいますよ、という話。
自分の敵になる人も、味方になる人も、傷つく人も、怒る人も、喜ぶ人もいて、彼らをコントロールすることは誰にもできない。
あと、大好きだった推しを貶さなきゃいけなくなるのは悲しすぎる。
そんな誰も楽しくないこと、しなくて済むならしない方が良い。
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