【改正】相続時精算課税制度のお得ポイントとは?
みなさん、こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの
肥田木義信です。
平成15年(2003年)にスタートした
相続時精算課税制度
2500万円までの贈与は非課税にはなりますが、
相続時に贈与した分を加算して相続税を計算
加えて、年間110万円の基礎控除のある
暦年贈与と併用できない事もあり
相続税対策としては、利用するメリットが
あまり感じられませんでした。
しかし、今回(2024年1月1日)の改正では、
相続税対策として活用しやすい制度へ
改正されました。
そこで今回は、
【改定】相続時精算課税制度のお得ポイントを
わかりやすくお話していきたい思います。
今回の改正のお得ポイントとは?
今回の改正の一番のポイントは、暦年贈与と同じ
年間110万円の基礎控除が組み込まれた点です。
改正前は2,500万円までの贈与額を、
課税遺産総額にそのまま加算して
相続税を計算しましたが、
今回の改正では、
年間の贈与額から基礎控除110万円を控除した金額が
相続時加算額として課税遺産総額に加算されます。
《【改正】 相続時精算課税を利用した場合》
1年目:
贈与額500万-基礎控除110万=相続時加算額390万
2年目:
贈与額500万-基礎控除110万=相続時加算額390万
3年目:
贈与額500万-基礎控除110万=相続時加算額390万
4年目:
贈与額500万-基礎控除110万=相続時加算額390万
相続時の課税遺産総額への加算額:1,560万円
上記の例では、
4回に分けて2,000万円を贈与すると、
110万円×4=440万円が完全に非課税となります。
この様に、今回の【改正】相続時精算課税制度は
毎年110万円の非課税枠を確実に活用することが可能
となる制度となりました。
暦年贈与との違いは?
暦年贈与も110万円までは贈与税がかかりません。
しかし、暦年贈与には生前贈与加算という問題があります。
これは、簡単に言うと、
「相続がおこった時点から一定期間(3年~7年)前に行った生前贈与は無かった事にしましょう。」
というルールです。
例えば、相続税対策で毎年110万円の生前贈与を始めたとしても、3年目に亡くなってしまうと、その生前贈与は無かった事になってしまいます。
この生前贈与が無かった事になってしまう期間を、生前贈与加算期間と呼ばれ、今後年々期間が長くなり2031年には7年間となります。
要するに、駆け込みの相続税対策には、暦年贈与では全く効果がでない可能性があるという事です。
対して、今回の【改正】相続時精算課税制度の基礎控除110万円には、生前贈与加算の様なルールはありません。
例えば、余命数年となった場合でも、【改正】相続時精算課税制度を活用すれば、確実に毎年110万円の非課税枠を活用できます。
この点も、【改正】相続時精算課税制度のメリットポイントとなります。
基礎控除110万円を活用するための留意点
毎年110万円を10年間同じ様に贈与した場合、
定期贈与:毎年一定の金額を一定期間受け取ることが決まっている贈与
とみなされます。
定期贈与とみなされた場合は、毎年一定の金額を一定期間受け取る権利を贈与されたとして贈与税が計算されます。
上記の場合だと、一括で1,110万円を贈与されたとして、贈与税が計算される為、完全非課税枠の基礎控除110万円か使えるのは1回だけとなってしまいます。
定期贈与とみなされない為には
毎年の基礎控除110万円を活用するためには、
たまたま毎年贈与が行われた:連年贈与
という形を取らなければなりません。
定期贈与とみなされない為のいくつかのポイントを挙げると、
・毎年贈与契約書を作成する。《必須》
・贈与日を毎年変える
・贈与金額を毎年変える
場合によっては、贈与しない年を作るのもいいかと思います。
相続税対策として
贈与税の基礎控除110万円を活用する場合は、
定期贈与とみなされないこと
が重要なポイントとなります。
毎年の贈与契約書の作成は、
少しめんどくさいと感じるかもしれませんが、
確実に対策をしておきましょう。
神戸で「不動産を活用した資産形成」
のサポートを専門とする創企株式会社に在籍。
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それでは、今回も最後まで読んで頂いてありがとうございます。
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