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かつて林業地はどんなすがただったのか?北山林業を識る。

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 今日は金曜日、世間一般では華金と呼ばれ、繁華街がにぎわっていたが、いまはそんな雰囲気が全くないと感じる。そんなことを改めて感じ、書き始める。

 今日は時間の合間にこんな投稿をした。noteの更新していた思ったことに対して書いた。しかしこの記事は、締め切り時間が間に合えるかが怪しい。


 なぜなら、今回紹介する北山林業とは、620年の歴史を持つ由緒ある林業地で、その文書量を以前紹介した林業地に比べ、分量が2倍か3倍ほどある。


 さて今回も「都道府県別林業総覧」を通して、磨き丸太の生産地「北山林業」を見てみよう。


 ただその前に当時の京都府の森林の状況を軽く触れておこう。


 まず森林面積は 347.2 千㏊、うち 96.5 %の 336.1 千 ㏊が民有林になる。そして民有林の大半は私有林になり、具体的には318.4千 ㏊だ。

 また、京都は天然林が多く、人工林面積が少ない、比率としては、3:1になる。民有林の人工林はスギが62%、ヒノキが31%になる。つまり京都府全体で約 80万 ㏊ が人工林として生産されていた。

 そのうち京都市中川地区を中心とした500㏊が北山林業と言われている。中川地区は総戸数124戸のうち、林家が89戸を占め、地区のほとんどの住民が北山林業に従事していた。

 北山林業は磨き丸太を生産している。磨き丸太とはこういったものになる。

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写真は筆者撮影、北山林業地にて。

 北山林業の磨き丸太は2種類生産される。それは柱材を生産する皆伐施業を行う1代かぎりの生産と垂木を生産する萌芽更新をする台杉仕立てになる。500㏊の内訳は400㏊が柱材、100㏊が垂木材になる。ちなみに写真のものは柱材になる。

 磨き丸太は主に茶室に使われる高級材になる。

 北山林業の経営上の特徴は、磨き丸太が高級材のため単位面積あたりの売上高が一般林業と比べ著しく高い。具体的には3倍ほどの売り上げがあったが、育林過程が非常に手間暇がかかり、投下資本は6倍ほど投入し、利益率は5~6%ほどでそこまで大差はない。また植栽から製造、販売流、流通を地域の労働力で賄われていた。


 北山林業の造林上の特徴は苗木は数品種に厳選され、挿し木法に限られている。

 北山杉の主な品種はシロスギ、シバハラ、タネスギの3種類がある。
シロスギ・・・材質が優れており、耐陰性が強く、成長が遅く、材の表面が白い。
シバハラ・・・材質はシロスギに劣るが、成長が早く、適応性が高く、最も植栽されている。
タネスギ・・・成長が最も早いが、土地への適応性が最も低い。


 北山林業の育林方法は台杉1代限りの皆伐施業の2つになる。

 台杉は一つの樹から多くの幹がでており、庭園樹としての価値も高く、垂木材として生産される。

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写真は筆者撮影、北山林業にて

 幹の下の方の若干の枝を残し、台杉から出る枝を育て、丸太に仕立てる。植栽後、5~6年して枝打ちを開始し、長さ3mで末口3cmになる15~25年生の夏季に伐採する。

 一方、1代限りの皆伐施業は、㏊あたり6000本植栽し、最終的に長さ3mで末口12㎝の柱材生産を目的とする。

 植栽は3月に行い、枝打ちは5~15年までは隔年で実施、以降は3,4年に一度行う。伐期は30~60年生の夏季になる。


 加工方法は、樹皮を剥き、亀裂を防ぐために背割りを入れる。その後、こtの地区特産の砂を使い、女性が磨くことできれいになる。


 北山林業は磨き丸太という高級材の産地である、しかし現在茶室が減少し、生産量は低下している。かつて隆盛を極めた磨き丸太業界は一般の木材業界より打撃を受けているだろう。しかし、現在でも磨き丸太を生産している林業家はいる、この記事で書いた企画では、磨き丸太を生産している方も登壇する予定だ。告知を楽しみに待っていてほしい。

本日も読んでくださりありがとうございました。

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