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#ソシャゲの話をしよう。「『遊びを変えるな』というシンプルな話」

#ソシャゲの話をしよう
どうも、死に急ぐ生命の果実です。

みなさん、ソシャゲ遊んでますか?
運営の「バランス調整」を信じていますか?
本日は、そんな「バランス調整」と、「なぜバランス調整が追い付かなくなり」「なぜバランスは崩れるのか」というお話です。
もしよかったらお付き合いください。

ざっくり以下のような構成でお話をできればと考えております。


初めに

本日は 主に「遊びのベーシックルールを途中から変えるな」というお話です。
バランス面や調整コストなどから鑑みて、「ベーシックルールを途中で変更したり追加したりするのは割に合わねぇ」という結論に持っていきたいと思います。

ベーシックルールとは

すべてのゲームに当てはまるわけではないのですが…という前提ですが。
ソシャゲは「ベーシックルール」「ギミック」「ユニット」という体系で構成されることがままあります。(もちろんすべてではないですが)

パズドラあたりで例えてみましょう。

ベーシックルール

パズドラでいえば…

  • スワイプの操作でピースが移動する

  • ピースが3つ揃うと消える

  • 対応したユニットが攻撃する

  • 敵を倒せばクリア

といった感じでしょうか。
ベーシックルールは、遊びの根幹を成すものであり、基本的に追加の要素はすべてこの上に乗っかります。

ギミック

ベーシックルールに乗っかる感じで、以下のような感じでしょうか。

  • ユニットには属性があり、相性でダメージが変動する

  • 特定属性の攻撃を無効化したり吸収したりする

  • 特定のピースの効果を弱くしたり無効化したりする

などなど。
ベーシックルールにギミックが乗ることで、遊びの幅が広がるイメージですね。

ユニット

自キャラですね。
パラメーターやスキルを持っており、編成によってプレイヤーの強さやギミックへの対応力が変化します。
また、メインの商材であることも忘れてはいけません。

このように、ゲーム本編は「ベーシックルール」「ギミック」「ユニット」によって構成されます。(構成されることがあります)

それぞれの要素の相関図はこんな感じになります。
ベーシックルールに乗るギミックA,B、それぞれのギミックに対応するユニット……という構成ですね。

要素の相関関係。うーん、シンプル。

最終的にはガチャの目玉商品としてユニットを売ることが運営的な目的になるので、それが成立するように、ベースルールやギミックを検討します。
まぁ、モノを売ろうとしたら需要が必要なので、当然といえば当然でしょう。必要のないユニットでは訴求力がありません。
そのため、ベースルールとユニットを結びつけるのがギミックになります。

ところが、長く運営を続けていると、このシステムでは収まりきらなくなってきます。
要は、売り物自体を増やしたいとか、売り物の別の側面・魅力をアピールしたいとか、ユーザーから飽きたとか言われる場合ですね。
それなりに長くやっているとままある話です。

で、どうすんの?

よし、じゃあメインの遊びとは別に、追加の遊びの軸を入れよう!というのはよくある話。
例えば箱庭の要素であったり、遠征の要素であったり、育成の要素であったりします。
それを先ほどの相関図に追加するとこんな感じ。

追加要素が入りました!

本来メインである遊びと、別軸で追加された要素が並列になっています。
ユニットは相互で共有するかもしれませんが、扱うパラメーターが別軸で設定される場合、この性能は干渉しあいません。
ユーザーとしては、要素が増えたので満足。
運営としてもやっていけそうな空気感ですね。

ところがどっこい

すべてが別軸の追加要素で行うわけではありません。
運営によっては、例えば「ギミックを増やそう!」となる場合もままあるわけです。
というか、むしろ自然な流れですね。
ベーシックルールとユニットを繋ぐ、新たなギミックCを増やし、それに対応するユニットを今後追加していこう……。というのを図示するとこんな感じ。

ギミックCが増えて、新たな追加ユニットに価値が出ました!

ただし、実際はひとつのギミックに対して対応ユニットが数十といたり、いくつかのギミックに複数対応するユニットも存在すると思うので、ここまで単純化もできないのですが。
まあ、追加と微調整であれば大丈夫でしょう。

この場合、インフレが加速して既存ユニットが過去のものになる(この言い方は嫌いですが”ゴミになる”)可能性は大ですが。

しかしながら、ここからはちょっと頭の痛い話が混じってきます。
「ギミックAをちょっと改造して、新しい要素にしてはどうか」という案が、出たり出なかったり、採用されたり採用されなかったりします。
この場合、影響範囲は「ギミックAに対応するユニット全て」です。

図示するとこんな感じ。
ここまで、「ギミックAと、それに対応するユニット」であった範囲が、まるまる「ギミックA'と、それに対応するユニットn'」となります。
ひとつひとつの調整は微量だったとしても、数が多ければそれだけ影響範囲は大きくなります。

この場合、旧ギミックAに対応するユニット全てに調整が入ります。なんということでしょう。

新規追加のユニットだけならまだしも、「過去のギミックAに対応していたユニットすべてを」「バランスを成立させるよう」調整するのは、かなり”割に合わない手間と労力”を発生させます。
なぜなら、ユニットA~Cは過去の商材なので、これらは直接売り上げに関わるものではないからです。
既に所持しているユーザーは喜ぶかもしれませんが、新たに欲しいかと言われると…うん、調整次第ですね。

「魅力ある新規ユニットを売る」ことと「既存ユニットを遊べるようにアップデートする」ことは、イコールではないのはお判りいただけるでしょう。
それも、なんなら新規追加以上の労力をかけて、関りのあるすべてのユニットの見直しと調整をした上で、バランスを取るという労力が必要なのですから、運営としてはなかなかのコストです。

ギミックを調整する・改変するというだけでも、甚大な労力(※しかも売り上げには貢献しない)が発生することはイメージしていただけたでしょうか。

それではもうちょっと怖い話をしますね。

たまに

たとえばプロデューサーが交代したあたりとかで、「これ、こうしたほうがおもしろいんじゃないの?」「ゲームのベーシックルールを変えたがる」場合が、たまに、ごくまれに、たまたま、頻繁に、あったりなかったりします。
パズドラで言えば、「ピースと属性を一種類増やそうぜ!」みたいなイメージです。
この時、影響範囲を図示してみると、こんなことが起こっています。

全ての要素にバランス調整・アップデートが発生する!?!?

ゲームルール上の基盤となる部分に手を加えることで、その上に乗るすべての要素の調整が必要になります。
リリースした直後ならまだしも、数年が経過した状態でこれをやろうとするのは不可能でしょう。
もしうっかりゴーサインが出てしまおうものなら、バランス調整が詰みます。死人が出るでしょう。

まとめ

たかが一要素の追加、たかが一要素の改変……なのですが。変更を加える箇所と程度によっては、労力に見合わない多大なコストが発生します。
ベーシックルールの改変とは、それはそれはリスクの高いものなのです……。

というわけで、ソシャゲ運営様に置かれましては、完成度やアップデート予定とかをちゃんと吟味してから、リリース・運営をしていただきたいと思う次第です。
軽はずみな改変でバランスが崩れたら、被害を被るのは運営自身と、ユーザーなのですから。

本日僕から言いたいことは以上です。
お付き合いありがとうございました。

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