#ソシャゲの話をしよう。「斜陽となったタイトルを持ち直す方法」
#ソシャゲの話をしよう 。
どうも、死に急ぐ生命の果実です。
みなさん、ソシャゲ遊んでますか?
え?なんとなく「自分がプレイしているタイトルは勢いが落ちている」「みんなが遊んでるものに比べてマイナージャンルな気がする」?
まぁ、そういう方もいらっしゃるかもしれませんね。
さて今回は勢いの陰ってきた、いわゆる「斜陽のソシャゲ」をどう救うのかというお話。
ざっくり以下のような構成でお話をできればと考えております。
「斜陽のソシャゲ」の定義
今回は「斜陽になってきたコンテンツを立て直すには、どのような手段を取るべきか。そしてそれにはどんな犠牲が伴うのか」について、あくまで一般論をつらつらと書こうと思う。
それではまず「斜陽」という言葉の定義から行こう。
ざっくりこんな感じのイメージである。
売り上げは落ちてはいるがゼロではない
新規ユーザーはあるが多くはない
ユーザーは減っているがゼロではない
むしろ熱狂的なユーザーが濃ゆい層を形成している
コンテンツの運用はできるが、大きくプラスではない
大きな改修や広告を打てるほどの予算はない
具体的な方法について
さて。
コンテンツを立て直すにはどこから手を付けるべきか。
諸説ある。が、確実に言えるのは、立て直しには長期的な計画が必要になるという事だろう。
大きなコストを支払うことで短期的に、かつ確実に解決するのであれば、多くのコンテンツがすでにそれをやっているはずで、その手法は広く知られているはずだ。
ユーザーの離脱を止める
まず着手しなければならないのは、ユーザーの離脱を止めることだ。
ユーザーの離脱を止めなければ、施策やキャンペーンやイベントや広告などで一時的にユーザーが増えたとしても、すぐに流出して減ってしまう。
今残っているユーザーは訓練されたユーザーなのだ。
さすがの顔つきである。
離脱のポイントはいくつか想定される。
パッと浮かぶものをいくつか挙げてみよう。
他に楽しそうな娯楽があったので、そちらに時間を割くようになる
ほぼ止める直前のユーザーが惰性で続けているのが、ある日なんらかの些細なきっかけでログインが止まる
なにかしらの更新が、期待をしていなかったユーザーの最後の一歩を進めてしまう
コンテンツの将来に展望が持てなくなる。絶望感
他、運営の言動やコンテンツに向けていた好意を無下にされた時
共通するのは、「コンテンツを心からおもしろいと思って楽しんでいるユーザーは、このような動機ではやめない」ということだろう。
なので、ここで分析をしなくてはならない。
残ってくれているユーザーは、果たして何を期待して残ってくれているのであろうか。
「やめるユーザーがなぜやめるのか」
「続けているユーザーがなぜ続けるのか」
このあたりの動機の推測にプラスして、「実際にやめたユーザーが最後にどこに触れていたのか」を洗い出して照合すれば、離脱のポイントはおのずと絞り込める。
大方のところ「次にどんな操作をやればよいのかわからない」というUI上の些細なわかりづらさだろう。
導線の雑さ。
報酬をもらえる段取り。
もらった交換アイテムを何に使えばいいかわからない。
そもそも交換所がどこかわからない。
もらったアイテムの使い方や価値がわからない。
こんなところだ。
それに続くのは「期待している更新がなかなかこない(あるいは期待していない更新の連続)」「コンテンツの長期運用を失望させるほどの課金圧」あたりではないだろうか。
このうち、UI上のわかりづらさはすぐにでも着手できる。
ユーザーが離脱しやすいポイントの調査→原因の特定・改修→チェックして離脱率が改善されているかの検証。これをとにかく進める必要がある。やればやる分効果は出るはずだ。
ただし、改善効果がいかんせん地味なため、理解のある現場でなければコストは割かれないだろうが。
「んなことやってる場合じゃねぇ。新規ガチャで売り上げを上げろ」という上司があてがわれた運営が、これをできるかどうか定かではない。
一旦これで離脱を改善できたと仮定しよう。
しかしまだ十分ではない。
ユーザーを定着させる
既存のユーザーの離脱を止めても、それがイコール新規ユーザーの定着を保証するものではないからだ。
新規ユーザーの定着は何をもって改善するのだろうか。
それはずばり、ゲームの質の改善である。
長期運用してきたタイトルは、バランスや設計などがだいたいまずい状況になっている。
その代表例がインフレであろう。
ユーザーが新しく入ったとしても、遊びを楽しむ前に複雑怪奇な特殊なルールによって阻まれ、人権ユニット必須という難易度のもとに叩きのめされ、心は折れる。
初心者向けはこちら……という風に住み分けをするなどの手もないではないが。
インフレはなぜ起こるのか
しかしながらインフレという文化はどこかで改善しなければならないだろう。とはいえ、インフレ文化を改善すると、コンテンツにはわりとデカいダメージが発生する。
どういうことか。具体的に説明しよう。
インフレする根本の原因は「新しくて強いユニットの方が売れるから」というシンプルな理由だ。
よって、新しいユニットは出る。
出るたびに性能は上がる。
その性能を生かす場が必要なので、全体的な難易度が上がる。
このサイクルだ。
このあたりの詳細については過去記事で触れているので、そちらも参照していただきたい。
この過程でついてこられなくなったユーザーはどうなるのか。
例えば課金ができなくなった。
例えばガチャでユニットが出なかった。
あるある。
時間や思考や情報収集のリソースが割けなくなったなどもあるだろう。
残念ながら、そういうユーザーは運営から切り捨てられる。無残。
切り捨てられたユーザーは当然コンテンツを楽しめない。
無理して表面上だけ楽しむこともできるが、娯楽の飽和している現代であれば、別の娯楽を探す方がコスパがいいだろう。
というわけで、コンテンツのインフレはユーザーの離脱を加速させる。
そして、一度インフレが始まったら制御することは難しい。
それでは、インフレを抑えようとする場合、なにができるのだろうか。
まず思いつくのは、新規のユニットの価値をおさえ、同時に難易度も上げすぎない調整を行うことだ。
これをうまくやれるかどうかは運営の手腕によるが、まず間違いなく売り上げは落ちる。
理由は簡単。
なぜなら弱いユニットは売れないからだ。
本来的にであれば。
「インフレ」よりも「環境」の概念で長期運用をする方が理想的だ。
しかしながら、万人に理解をしてもらうのは難しい。
特に月額単位で売り上げを気にする上層部、ましてや負債を一刻も早く減らしたい場合の運営には受け入れづらいだろう。
環境の話については過去記事で触れているので、そちらも参照していただきたい。
無理やりにでもやろうとすれば、「目先の売り上げを重視する運営」か「一時的とは言え強いユニットが出ないことを不満に思うユーザー」か「高難易度が出ないことを不満に思うユーザー」からの反感を買う。
これを、未来の新規ユーザーと天秤にかけられるかは、運営の質(長期的な目線や、本当にコンテンツの将来を憂いているか)によるだろう。
ヘタをすれば、現状の濃いユーザー層からの反感を買い、彼らを手放すことになるかもしれない。それは必要かもしれないが大きな損失だ。
コンテンツの未来を取るか、今いるユーザーを大事にするか。
そのあたりは判断が大きすぎるのでもはや運営だけの一存では決められないだろう。
ただ、少ないユーザーだけを客として見て、目先の売り上げだけを毎月苦心しながら集める運営では、それ以上のコンテンツの発展は見込めない。
いかにして「既存ユーザーの離脱を防ぎながら」「新規ユーザーを獲得するのか」。
この二律背反する問題ときっちり向き合うことでしか、その先のコンテンツの発展は見込めない。
そして、そのためには短期的に売り上げの機会損失は発生しうるし、それは受け入れねばならない。難しいものである。
両方やらなくちゃあならないってのが、運営の辛いところだ。
まとめ
そうそう。
最後に。
インフレや改修によるユーザーの切り捨てはソシャゲの摂理ではあるが、その結果、過去に数万使って入手したユニットがタダ同然でバラまかれたら、さすがにそのコンテンツは終わりが近いと思ってしまう。
というか、終わりを見届けずにやめる。
くれぐれも、運営は計画的に。
以上、本日僕から言いたいことは以上です。