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#ゲーム制作徒然「キャラクターの創作について」

#ゲーム制作徒然
どうも、死に急ぐ生命の果実です。

みなさん、創作はしていますか?
好きなコンテンツのオリキャラを作る……という遊びをしたこともある方もいらっしゃるでしょう。

とはいえ。
ゼロからキャラクターを創作するのが難しい、という話をよく耳にします。
しかしながら、昨今のTRPGや物語の創作など、そういう需要があるのも事実でしょう。
今回は「キャラクターを作りたいけどゼロから作るのはしんどい」という人に向けて、ちょっとした手法や考え方をつらつらと書き連ねていこうと思います。

構成としては以下。


換骨奪胎という考え方

かんこつだったい【換骨奪胎】
《名・ス他》
他人の詩文の語句や構想をうまく利用し、その着想・形式をまねながら、自分の作としても(独自の)価値があるものに作ること。

小学館『デジタル大辞泉』より

「換骨奪胎」とは、もともとは漢詩などで用いられる言葉で、先人が生み出した作品から吸収したアイディアをベースに、独自の要素を加えてオリジナルの作品を創造することです。

これを創作のフェーズごとに分けて解説していきたいと思います。

  1. コンセプト設計

  2. 要素の観察

  3. 構成の分解

  4. 再構築

コンセプト設計

まず「コンセプト設計」。
いきなり横文字で難しそうですが、要は簡単です。
「そのキャラクターにどういう活躍をさせたいか」を、一言で簡潔に書き出してみてください。
例えば、「頭脳明晰な探偵」「勇敢で情に厚い警察官」「一見どこにでもいるような学生だが、秘めた能力がある」……みたいな感じでいいです。
自分がふわっと思っているキャラクターの魅力を言語化してみてください。

そのキャラクターは、どんな活躍をする?

それができたら、「他のキャラクターと触れ合うときの価値観の軸」を設定します。

キャラクターを構成する要素は性別・年齢・身体能力・経歴・趣味嗜好など様々ですが、ここでは一旦、他の人物との関係性に注目してみましょう。

キャラクターを設定していくと、ただ設定しただけでは、その内容はただあるだけ・空虚であることが多くなりがちです。
なぜならキャラクターの個性は、他のキャラクターと関わることではじめて、その性質が表出するからです。

「縁(ふち)」と書いて「縁(えん)」と読む。
ひとはいくら自身の内面を定義付けようとしても、どこまでいっても掴みどころのないものである。
なぜなら、自分自身とは「他人との関係(縁)」によって決まるものだからである。
他人との関わり合いの接点・縁を集めていくと、次第にそれは自分という人間の「縁(ふち)」を形作ってゆく。
たしか仏教でこんなことを言っていた気がする。

誰かの言葉

他のキャラクターとどう関わるのか。
協調性があるのかないのか、一本気なのか、腹の底では計算高いのか、どんな人が好きで、どんな人は苦手なのか……。
キャラクターのコンセプト(活躍のイメージ)を設計し、その表出の核となる人間関係・他人との接し方を決めると、自然に「そうなった理由」や「性格の譲れない部分」のより設定の深掘りが必要な個所が浮き彫りになってきます。
それが次の課題です。順番に埋めていきましょう。

縁を埋めると自然と内面が形作られていく

ここまでが、おおむねキャラクターの方向性、核を作るフェーズです。
それがだいたい決まってくれば、次はディテールです。

ディテールは難しい……なぜなら正解がないし、好みなど万人それぞれ、千差万別なのです。
性別などのわかりやすい属性はさておき、その他のディテールを決めるのにいい方法はないものでしょうか。

そこで前述した「要素の観察」「構成の分解」「再構築」です。

まずはモデルを決めてなぞる

言葉を選ばずに簡単にいうと「推しキャラの推せる部分を考えてパクれ!」
簡単に言いすぎて語弊がある気がしますが、そこはまずは見逃してほしい。
順番に説明していきましょう。

ポイント:要素の観察

「要素の観察」は、まず目当てとなるキャラクターを見つけるところから始まります。
小説・アニメ・ゲームなどのコンテンツに触れる機会があれば、少なからず好きなキャラクターはいるという前提で進めます。

試しに、誰もが知っているであろうドラえもんの「のび太」を観察してみましょう。

彼の魅力的なところは色々ありますが、観察してみると以下のようなポイントが挙げられそうです。

  • 優しい

  • 他人のために自分を犠牲にできる

  • 人間的に弱いところがあり、親近感を持てる

  • いざという時には行動力がある

  • 射撃の能力が高い

劇場版の補正が強い気がするが、そこは見逃してほしい。

ポイント:構成の分解

それでは、ここまでで挙げた推せる特徴に「なぜその点を魅力的に感じたか」を自問自答してみましょう。

これが構成の分解にあたります。
推せると思ったのは表面上がいいからではなく、その内面に自分が共感する「何か」があったはずです。
これをしっかりととらえず、表面だけ真似ても「なんか違うな……?」という思い入れの薄いキャラクターになってしまいます。

キャラクターの要素を参考にするのは、見た目や表面ではなく、あくまで「エッセンス」です。
このあたりも文章では説明しづらいので、引き続きのび太を実例にあげつつ説明していきます。

のび太の射撃を深掘り

例として、「のび太の射撃」を説明してみます。
表面だけ真似るのであれば「じゃあ創作したキャラクターに射撃の腕を設定すればいい」のですが、構成を分解して再構築をすると、そうはなりません。

なぜでしょうか。
のび太の射撃の魅力を分解していくと、以下のようなポイントが挙げられそうです。

  • 普段は封印している(≒使う機会がない)

  • いざという時のみ使う(劇場版など)

  • 使う機会は何かを守るとき(人間性や性格面を形成)

  • のび太自身はその腕を過信していないが

  • その時は絶対の信頼感があり

  • 活躍したとき、その展開には気持ちよさが伴う

これらをさらに「分解」してみましょう。
翻案すると、以下のように言えそうです。

  • 他人には知られていない特技がある

  • 普段は使うことはないし、表出させない

  • 誰かを守るときだけ封印を解く

  • 使えば絶対に結果を出す

  • しかしそれには慢心せず

  • 自分の持つ力に恐れすら感じている

こんな感じです
お気づきでしょうか。
「射撃」という言葉を使わなくても、のび太というキャラクターが持つ魅力を、要素として抽出できているのではないでしょうか。

ポイント:再構築

次に、再構築をしてみましょう。
再構築とは、先に挙げた要素を材料に、オリジナルのキャラクターに合うようにこねこねする作業です。
キャラクターづくりの中では一番楽しいフェーズなのではないでしょうか。

例えば、のび太でいう射撃であったところを、剣技や格闘技に置き換えても成立はするでしょう。

再構築にあたり、細かな部分の設定を補足していきましょう。
先に上げた要素の持つ魅力をぶらさなければ、自由に付け加えたりアレンジしても大丈夫です。
さらにここで迷ったり、欲張りたいようであれば、他の参考資料から別のエッセンスを引っ張ってきてミックスしても成立はします。

例えば……

  • あまり表には出さないが、剣技に長けている

  • 誰かを守るときだけためらわずに剣を抜き、相手を斬ることができる

  • 絶対に結果を出す(勝つ・守るべきものを守る)

  • しかしそれに慢心せず、恐れすらある

本文とは関係ありません

のび太というキャラクターの魅力は、こう言い換えることもできるのです。

まとめ

というわけで、話をまとめましょう。

  • 作るキャラクターに困ったら、まずはコンセプトを決める

  • 好きなキャラクターの持つ魅力を観察・分解して言語化しよう

  • まずは好きなようにパクってみよう!

  • そもそもキャラクターの持つ魅力の解釈は人によって異なるので、同じにはならないぞ!

言い方はアレですが、要はこういうことです。

こうして自分が納得する「俺だけのカッコいいキャラクター」ができたら、あとは乳を盛るなり尻を盛るなり太ももを盛るなり、露出を高くしたり脱がしたり、外見のデザインはご自由にどうぞ、という感じです。
(このあたりも前述の手法は適用できるので、参考になれば……)

以上、本日はキャラクターの作り方、というお話でした。
ご清聴ありがとうございました。

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