『感情は、すぐに脳をジャックする(感情ジャック)』で『行動ドライバー』をみつける新規事業
新規事業は、感情的。嬉しいことも楽しいこともあるけど、さきが見えない不安もあるし、嫌なこともある。客観的でロジカルな説明だけだと周りの人たちが信じてくれない。自分のこだわりや思い入れを言葉にしていると、次第に思いが高まってきて失うことや変えることが怖くなっていく。。
「心が動きやすい新規事業をやるからには、感情をもっと探求すべき!」という謎欲がぐつぐつ湧いてきた。
感情って、なんだっけ
プレゼン資料つくるときに、思考は表現するけど、感情を言葉にすることはめったにない(資料みて「1人目のお客さん。マジうれしい!」とか書いてたら、応援したくなるけど)。
社会では「感情的になるな!」といわれる。感情に蓋をする習慣を強制することで、人を傷つけたり動揺させたりしないようにしているのだろうが、大人はどんどん感情に無自覚になるし、否定的になってしまっている。
「そもそも感情ってなんだっけ?」
シンプルな基本感情と、ややこしい混合感情
プルチック博士のいうことにゃ、人には『8つの基本感情』があるらしい。
喜び・信頼・恐れ・驚き・悲しみ・嫌悪・怒り・期待の8つ。喜びとか悲しみは自覚しやすく記憶に残りやすいから基本感情っぽいけれど、信頼とか期待が基本というのはちょっと意外。
8つの基本感情のうち、2つの感情を組み合わせてできるのが『混合感情』。
混合感情は全部で24あるので、隣の隣にある感情との混合パターンの8つのみ抜粋してある。信頼+驚き=好奇心というのは、「仲間といっしょに、知らない世界へ冒険に行こう!」で、怒り+喜び=誇りは「我々は勝利を手にした!」って感情かな、とか考えてみるとおもしろい。
どんなことに、こだわりをもつか
奥深い混合感情をかってに解釈するのもたのしいが新規事業担当としては「感情の何を知り、それをどう生かしていくか」が大切だ。
知っておくべきポイントの1つは、注意を向ける対象の選択が、感情を決めているということ。
「キャリアがどうなるかわからない」から不安になるし、「成果がない、評価されない、仲間がいない」から悲しいし、「アイデアを認めてもらえない」から怒る。キャリア・成果・仲間・アイデア、どれも大事だが、すべてにこだわると、感情でいっぱいいっぱいになってしまう。
では、次のポイント。新規事業担当者は、何にこだわって注意を注ぐべきなのだろうか。
行動ドライバーと思考ドライバー
情熱や感情を周囲に伝え、メンバーで分かち合う。それも感情的な新規事業の醍醐味だろう。ポジティブな感情が士気を高め、チームの一員であることに意義を感じてもらえやすくなる。
ここではどんな行動意欲につながる感情なのか、に焦点をあててみたい。「新規事業は、まずは動いてなんぼ」だと信じているからだ。
「いちばんモチベーション高かったときは、一番イライラしてましたね」
そう語る新規事業リーダーがいた。「このままじゃダメだ」とか「負けたくない」という闘争心があると、エネルギーが湧いてきて発言や行動の量が増えてくる。怒りの感情は、行動ドライバー。
一方で、考えてばかりいるときに浮かんでいる感情はどんなものだろう。「あれもこれも心配。考えないといけないものがたくさんある。。」「想定外があるかもしれないから、なるべく想定しておこう。。」冷静に分析して状況を把握し、勝てるシナリオを考えつくまでは動かない。恐怖の感情は、思考ドライバー。
損得(目的、P/L)・善悪(MVV)・勝ち負け(競合分析)・楽観悲観(シナリオ・プランニング)。どれも新規事業には欠かせない切り口だ。しかし、すべての切り口が思考ドライバー感情だと、身動きが取れなくなる。
1つでいい。手に入れたものは何か、つながりのある人はだれか、何となら戦えるのか、どんな可能性を感じているのか。1つでいいから、行動ドライバー感情になる点にこだわり、動き始める。
新規事業をやるなら、うまく脳をジャックしていきましょう!ではでは。