『WHO YOU ARE』奴隷と武士と囚人とチンギス・ハンの文化(4/4)
文化とは理想を追いかけることだ。これまで何千という企業と仕事をしてきたが、文化が完璧に浸透している企業はなかった。ある程度の大きさの会社ではかならず、逸脱する人がいる。大切なのは、完璧にすることではなく昨日よりも良くすることだ。(p.220)
前回は、『多様性の達人』チンギス・ハンのお話でした。今回は、「自分らしい文化をどうつくるか」がテーマです。
リーダーは、ありのままであれ
管理職になると「リーダーになったからには、リーダーらしく振る舞おう」と、今までと違う役割を演じ、異なる行動をとる人が少なからずいます。しかし、その人らしさがその組織らしさに波及する以上、ありのままでなければ周りも困惑し、イチから信頼関係を作り直さなければならなくなります。(あるいはその豹変をみて「二度と信用できない」と思われるかも。。)
「自分は完璧。みんなが自分と同じようになればいいのに」とまで信じれる人は多くはないので、自分の欠点は周囲の人に補ってもらったり、行動規範で矯正することも必要でしょうが、組織の行動規範の象徴たる存在になるからには、自身がそれに合格する気概と努力は不可欠ですね。(そういうことを目にするから、誰も管理職になりたがらないのかもですが。。)
敵か味方か。あなたらしいのは、平時か戦時か
「なるべくスピード感をもって」かつ「失敗しないように」のように、相反する行動規範がある場合、組織は混乱し「どうしたらいいかわからない」と頭を抱えるか、「どっちでもいいや」と投げやりになってしまいます。また行動規範を守らない逸脱者が現れると「守らなくていいのか」と思う人が増え、文化が無力化し、機能しなくなってしまいます。
戦国時代は、『見せしめ』としてそのような異端者の首を(文字通り)切り、文化を強くすることができましたが、日本企業だと解雇も異動も難しいことが多い。やるとしても、多くの人が目にするように『怒りのメール』を送ったり、始末書を書かせたり、くらいでしょうか。いい『見せしめ』のアイデア、募集します。コメント欄から記入下さい。
また、組織は『競争環境の厳しさ』次第で、あるべき意思決定の文化が変容していきます。トップシェアで安定した平時の主力事業は、勝利の方程式に従い、現場に権限を移譲し、紛争は最小限に努めます。一方で、吹けば飛ぶような、未成熟で戦時の新規事業は、既成概念を打ち破ることが求められ、トップ(リーダー)が詳細まで決め、対立を極限まで推し進めます。
経営者は『平時の事業』と『戦時の事業』の両方に有効な組織文化を育むことを期待されます。しかし、Appleの戦時はスティーブ・ジョブズ、平時はティム・クックが指揮をとり、それぞれに適した文化と組織をつくっており、平時と戦時の両方をこなせる経営者はなかなかいません。現場に首をつっこむのが好きだし、現場に任せるのも自分らしい、という人は余程のことがないといませんよね。
文化をまとめる
さて。4つのnoteにまたがった『Who you are』も、そろそろまとめです。
『信頼』と『忠誠心』は多くの組織に必要な行動規範であり、どのような行動でそれを示すか、どのような行動はそれに反するか、の明文化を惜しまないことが肝心です。
さきほど『いい見せしめを募集』しましたが、それだけ強硬な手段をとるには下手すると誰かに責められるかもしれないけど、行動に移す勇気と、行動規範に沿っていない言動を許さないという覚悟や自信が必要です。
改めて個人としての行動規範を見直し、組織の文化に反映するため、『武士道』と『NO RULES』を読み、もう一段、思索を深めていこうと思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。『Who you are』のnoteでつかった画像はパワーポイントでつくっているので、ご参考までに共有します。よかったらご活用下さい!でわでわ。