【BRAND STORY03】居心地が良くなると手放したくなる
常に前をみているというのも疲れるということ。
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新しく入った子も新しいステージへ向けて退社していきました。
3年間、自身も教えるという学びがあったと思います。
そしてまた一人。
ですが、展示会の回数も年2回に減らし、以前よりはゆっくりしたペースに変わりました。終了時間も遅くとも21時。規則正しく人間らしい生活に戻りました。
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それでは今までやってきたシーズンのご紹介でも。
1番好きな2017spring &summer コレクション
〖Native American〗がテーマでした。
スタイリング、デニムの見せ方、シャツとのバランス、そしてカタログのモデルさんもブランドのイメージを上手く掴み取ってくれ、雰囲気よく仕上がりました。
しかも今では売れっ子さんの彼女。
次もお願いしたところ、料金が跳ね上がってうちの予算では無理でした。
2018autumn & winter コレクション
デビュー当時、DMのイラストを描いて頂いていた彼女とのコラボレーション。
ジャケットとパンツとの絶妙なバランス。
スポーツテイストも取り入れたデイリーウェア。
茶目っ気と色気をうまく引き出してくれたモデルさんも凄く好き。
2019spring &summer コレクション
〖Surf City〗がテーマ。
2017年に行ったLAでの旅がインスピレーションでした。
この時、何気なく入った本屋さんに飾ってあったHugh Holland の写真。
70年代のスケーターの少年たちにフォーカスし、古き良きアメリカの空気感が感じ取れるフォトです。彼にコンタクトを取ってTシャツの写真に使わせてもらえないかと、オファしてみたり。(実際はTシャツにしませんでした)
ちなみに今年のRon Hermanで彼のTシャツ展をやってましたよ。
そして2019autumn & winter コレクションのサンプル出し最終日。
会社に向かうバスの中。
『これでもう終わりにしよう』
本当に突然呟いた言葉。
自分でもびっくりするぐらい肩の力が抜けた瞬間でした。
そうなんです、ここ数シーズン描いてきた商品達は、時代感と自分の好きなスタイルにマッチし、とても好きなコレクションが続いていました。
《納得がいかない、次こそは!》
実はこれが今まで継続出来た根底にあるもの。枯渇と探究心です。
それが無くなったのです。
-居心地が良くなると手放したくなる-
やっとここまで辿り着き、これからもっと好きなものを作ればいいのかもしれない。ですが私にはそういう発想がありません。ゼロにしたくなるのです。
20代で発信していたブランドを止めるときもそうでした。あともう少しというタイミングで次のステージへと変化したくなります。安定感に物足りなさを感じ始めるのです。
お休みしようと決めた時に不思議と不安はありませんでした。
決してゼロではなく、培ってきた経験と繋がりが未来への道標になると信じているから。
一旦小休止。
止まってみよう。
2019autumn & winter コレクション〖Yosemite〗