![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/162772037/rectangle_large_type_2_28c59d9c840a27613d6a7531adde63b3.png?width=1200)
【意外と穴場!?】 化学系就活生にとっての●●●メーカー
【意外と穴場!?】 化学系にとっての自動車・電子部品メーカー
すでに冒頭の見出しに結論を書いてしまいました。
あまり知られていないかもしれませんが、化学系の学生にとって自動車・電子部品メーカーなどの部品メーカーは意外と穴場、つまり、選考が通りやすく内定を取りやすいです。実際にわたしの知人は京セラや三菱電機、パナソニックといった大手メーカーを含めたほとんどのメーカーでESは通ったと言っていました。ES落ちは村田製作所くらいらしいです。一方で化学メーカーは旭化成や東レやレゾナックなど結構ESで落ちたりしていたようです。
穴場となる理由
このようになる秘密は、異業種のメーカーを化学系の学生があまり受けないというところにあります。すべてのメーカーかどうかはわかりませんが、学科ごとに募集人数を決めているところが多いそうです。志望する人数が少ない分、競争相手が少なくなります。したがって、化学系にもかかわらず部品メーカーのほうがスムーズに選考が進むという逆転現象が起こりうると考えられます。技術職志望であれば、化学系の学生に限らず近接領域の業界を狙うことは就活戦略上とても有効だと思います。
部品メーカーであっても化学や材料の知識を生かす余地があります。例えば、電子部品大手であるT社はIoT向けのデバイスに用いられる全固体電池の開発を行っています。また、ディスプレイやセラミックスコンデンサなどのセラミックス材料の評価といったところでも生かすことができます。
さらに電子部品とは少し違いますが、半導体の重要な製造工程の一つである成膜やレジストの塗布などで化学的な知識が必要不可欠です。また、先ほどの半導体の話と被りますが、D社などの自動車メーカーは自動車向けのパワー半導体(直流電流を交流電流に変えたり、交流電流の周波数を変更したりといった機能を持つ半導体)を開発しています。自動車の電動化に伴い、これらのパワー半導体やさらなる軽量化のための炭素繊維強化プラスチックなどの鉄鋼に変わる材料開発の需要はさらに増えていくでしょう。
また、自動車部品メーカーでは自動車の内装に用いられるパーツの開発にも高分子などの化学系スキルが不可欠です。高級感のある色合いがあり、肌触りもよい内装を実現するためにはどういった材料を選んでどの様な処理を施せばいいのかということを考えるのは化学の知識が必要不可欠です。
実例について
他の事例として具体的な企業内部のお話しをすると、大手繊維メーカーのT社から大手自動車メーカーのT社へと転職したわたしの知人によると、高分子化学専攻の人間であれば理解している基本的な知識も職場では非常に重宝されるということでした。一例としては、素材選定の時にどのようなプラスチックを選べばよいか、材料特性や価格感、扱っているメーカーなどを知っているだけでも仕事上で有利に働くといっていました。日本トップ企業であるT社でもこのような話があることから、違う業界で化学の知識を活用することは、社内での第一人者となれる確率が上がり、有用な人材として認められやすくキャリアアップにもつながりやすいかもしれません。視点を変えることの重要性を再認識できるかと思います。
そういう意味では自動車部品メーカーにおける化学系学生の需要は今後増えていくと思います。このように部品メーカーでも化学の専門知識を生かすことができます。化学系だからといって化学メーカーしか受けてはいけないというわけではありません。
なお、わたし自身は化学メーカーを中心に就活をしていましたが、化学メーカーや素材メーカーばかりにこだわらず広く業界を見るのもいいと考えています。社会人になってから気づいたことですが、川上川下のサプライチェーンを理解することはビジネスを進める上でとても大事なことです。また、業界によっても慣例や納期のスピード感、そこで働く人の考え方や雰囲気はまるで異なります。就活が終われば全て終わりではなく、そこからがスタートです。より高い視座を持って活動することは良いことだと思います。将来働く時のことやキャリアアップを狙って転職することをイメージするのであれば、他業界の状況や主要プレイヤーを理解することはきっとプラスに働くはずです。
また、記事の内容とは少し逸れますが、本命が化学メーカーの方であっても他業界や他業種を自分で実際に見聞きすることは役に立つことだと思います。例えば面接の際に、より説得力を持って【化学業界】の【研究開発職】を志望する理由を説明できるのではないでしょうか。
おわりに
就活していた当時のわたしに伝えたいことを記事にしてみました。この記事を通して何か気づきが得られれば嬉しいです。ご一読ありがとうございました。ご興味があれば他の記事も読んで頂ければ幸いです。